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愛車の寿命

私の愛車
この夏、私の愛車の寿命は、来年の車検までと整備士から余命宣告を受けています。悲しいですがもう20歳近いので、仕方ありません。長く苦楽をともにしてきた車です。財力があればレストアしたいぐらい大好きな車です。

思えば、私は20代半ばに免許を取得しましたが、以後6年間彼氏(のちの夫)がアッシーをしていたので、まったくのペーパードライバーになりました。

しかし息子が生まれ、状況は一変しました。なんせ虚弱な知的障害者の子どもは、子ども病院や療育センター、子ども家庭センターなど行く場所が多いのです。夫だけでは子どもの送迎が無理になりました。

ペーパードライバー
私は3日間のペーパードライバー講習に送り込まれました。あまりの情けない運転に「あんたに免許を与えたのは誰や!」と教官にひたすら怒られ続けました。

怒られたって、覚えてないものは仕方ないんです。そもそも免許が取りやすいとの噂を聞きつけて、わざわざ和歌山県の自動車学校に通った私です。対向車のいない野山を教習し、たくみな話術で教官と盛り上がり、世間話で切り抜けてきました。オートマ限定でしたが、1度も落とすことなく、ストレートで卒業したのです。

夫は激安の軽自動車を購入し、「乗れ」と言いました。いきなり勤めていた病院まで退職届を持って、運転していきましたが、駐車場で縁石に乗り上げました。思わず「だからこのクソ病院は大嫌い!!」と悪態をつきましたが、八つ当たりもいいところです。とにかく師長に退職届を手渡し、死にそうな思いで帰って来ました。

心の師匠
この話を聞いた車を購入した町の自動車屋さんが、「ご主人の忘れ物を届けにいきます。」「来年のカレンダーをお持ちします。」と何かと家を訪ねてきては、「はい、奥さんキーを持って車庫入れの練習をしましょう。」と練習をしてくれました。
この練習のおかげで、私は病院やセンターに車を停車できるようになりました。この親切な車屋さんのご親切は一生忘れません。

当時住んでいたアパートのみなさんも、私の車庫入れ固唾を飲んで見守ってくれていました。パンクしたまま気づかずに帰宅し、教えてくれたのもアパートの方でした。みんなのガチガチのこわばった顔も忘れられません。

愛車との出会い
息子が小学校に上がる時に、夫が新しい軽自動車を買ってくれました。カラーは掃除をしなくても、汚れが目立たない色を基準に選びました。以後、現在に至るまで、この愛車とともに暮らしてきました。

しかし近年、いろいろと不備が出てきて、この夏クーラーが壊れました。来年の車検は通らないだろうと言い渡され、1年だけの延命の修理を行いました。息子の通院回数が減ってきており、いよいよ子ども病院の卒業が近づいているので、次に車を購入するかは未定です。

最後の秋
この秋は、友人たちを私のお気に入りの場所にアテンドしています。昨日も秋の花咲く公園へ、友人を案内してきました。みなさん喜んでいただけるので私も相棒の愛車も嬉しいです。

この車は来年の夏には廃車になるので、みんなをお連れする最期の秋なのです。愛車の最期の秋をみなさんと楽しみたいと思います。

というわけで私の観光ガイド付きドライブは期間限定、要相談です。言っときますが3カ所くらいしか行き先はありませんよ。相変わらず車庫入れは苦手なので、いずれも駐車場がだだっ広い場所ですので、ご了承ください。




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