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「愛せるようになるまで向き合い、自分の視点を伝える」愛されるウェブメディアになるために、私が必要だと感じたこと。

先日、ピースオブケイクで開催された「愛されるウェブメディアを考える」というイベントに参加してきました。

私はウェブメディアを運営している訳ではないですが、個人として色々発信している中で「多くの人に愛される文章を書くには、どんなことを意識すれば良いのだろうか」ということを知りたいと思い、今回お話を聞きに行きました。

登壇者プロフィール(イベントページから抜粋)

村井弦さん
「文藝春秋digital」プロジェクトマネージャー。2011年4月に株式会社文藝春秋に入社。「週刊文春」編集部に配属。全聾の作曲家と持て囃された佐村河内守にゴーストライターがいたことを暴いた「全聾の作曲家はペテン師だった!」(神山典士)などの記事を担当した。2015年7月、「文藝春秋」編集部。「許永中の告白『イトマン事件の真実』」、「自殺・近畿財務局職員父親の慟哭手記 息子は改ざんを許せなかった」等の記事を担当。 2019年7月から現職。
竹下隆一郎さん
「ハフポスト 日本版編集長」1979年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。2002年朝日新聞社入社。経済部記者や新規事業開発を担う「メディアラボ」を経て、2014~2015年スタンフォード大学客員研究員。2016年5月から現職。2020年1月には、Twitterと協業し、スマホ向けの生配信番組「#ハフライブ 」を始めた。
岸田奈美さん
1991年神戸市生まれ。車いすユーザーの母、知的障害のある弟、ベンチャー起業家だった父(故人)との家族の日々を書く作家。株式会社ミライロ社長特命担当、株式会社コルク所属クリエイター、WEBメディア「スロウプ」編集長。

個人の"視点"が面白さをつくる

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最初のトークテーマは、【デジタル時代の「個人とメディア」を考えよう】というもの。誰でも個人で発信できる時代にどんなことを考えればよいのでしょうか。

村井さん:個人が発信する記事の方がスキがつく。面白くもあり、メディアとしては課題でもある。ただ、最近「文藝春秋の中の人はどう思っているのか」という部分を発信していった方が良いのではないかと思い、個人でもnoteで発信している。
竹下さん:今は個人の方が圧倒的に有利。メディアに載せると面白さが削られていく部分も多い。今後は、個人でもメディアでもない「チーム」が活躍するのではないか。だからこそハフポストはメディアではなく、チームを目指している。

お二方とも、個人の良さとメディアを融合させるようなかたちを目指しているのかなと感じました。ただ、個人で発信することに関しては、校閲や編集がないこともあり、炎上などのリスクも存在します。ここでは、岸田さんが書いた「弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった」という記事を例にしてお話が進みました。

岸田さん:届かない人に届いた感覚。知的障害について調べようとも思ったことがない人が「なんか面白いぞ」と興味を持ってくれた。それでも1割は批判の声が入る。個人として発信しているからこそ実現できた。会社の冠がつくと、会社へ批判が出てしまう。
竹下さん:「母」という単語が出ているのは強い。「私たち」「日本」とかを主語にして書くと炎上する。「なぜお前が代表しているのか」「全員がそう思われたらどうするんだ!」という意見が来てしまう。

ここで重要だと思ったのは、あくまで"個人としての意見や考え"を発信すること。主語を大きくしすぎず、より個人に紐づいた言葉を使うことで、メッセージ性が強まり、共感を生むのではないかと。

それにしてもインパクトのある記事タイトル...
しかもタイトルだけじゃなく、内容も読み進めるとスイスイ読めてしまいます。読みやすさをつくるにはどんな秘密があるのでしょうか。

伝わることばにするために"読みやすさ"を編集する

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次に話されていたのが、どんな「ことば」で伝えればいいのかということ。発信することを生業としているお三方が、ことばを磨くための方法について語ってくれました。

岸田さん:文章のステップには3段階あると思っている。
①は国語力。間違った言葉や文法を使わないこと。
②は言葉をシンプルにすること。文章力。広報でプレスリリースを作成していたときに、伝えるべき内容を絞ることで磨かれた。
③は文才の領域。面白いことをどれだけ入れれるか。人柄が出ている文章。この人いいなと思っている人の文章を真似してエッセンスを取り入れる。
竹下さん:「です・ます調」で書くと、たいてい語尾が同じになってしまうので、工夫するようになる。
村井さん:PCで書いたものをスマホに送って、「スマホ推敲」をする。"スマホで読んだときの読みやすさ"を編集する。

伝えたいことを整理し、それをできるだけ読みやすいかたちで編集する。簡単そうに見えて、意外と難しい「ことばの基礎」のようなものが重要なのだと感じました。

そして、その後には、岸田さんの記事を実際に見ながら、伝え方のポイントのお話に。

竹下さん:期待値コントロールが上手い。タイトルを読んで「なんだろう」と思い、ファーストスクリーンで言葉の説明が出てくるのも大事。あとは、数字の使い方が上手い。一目見てピンとくる数字の表現でないと意味がない。
岸田さん:飽きない工夫をしている。アンケートをとったら、ほとんどの人が1000文字以上の活字を読まない。

長い文章をあまり読む習慣がないからこそ、文章の最初で心を掴み、飽きさせない工夫を散りばめる。「必要な要素を絞って書く」ということも、ダラダラと長い文章にならないための秘訣なのかもしれません。

▼実際にお話されていた岸田さんの記事

説明

https://note.com/namirairo/n/nd00068b2cf64?creator_urlname=namirairo

傷つけないように、愛せるようになるまで"向き合う"

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そして最後のトークテーマは「愛されるメディアになるために」という今回のイベントの本題について。岸田さんの記事の魅力とその理由を話しながら、テーマについて深掘りしていきました。

岸田さん:愛されたいと思う気持ちは昔から強いと思う。誰かにポジティブな感情を向けてもらえる環境。意識しているのが、愛されるより"傷つけないこと"。コルクの佐渡島さんに言われた言葉で、コンプレックスだった「傷つきやすいこと」が価値になった。大事なのは愛とリスペクト。愛せるようになるまで調べる。分からないことを愛せるまで向き合う。
村井さん:(岸田さんの記事は)愛とリスペクトを抱ける人物を必ず登場させている。自分だけじゃない誰かを愛とリスペクトを持って描いている。

大切なのは、愛されるように意識することではなく、傷つけないようにすること。そして、傷つけないようにすることに必要なのは、"愛せるようになるまで向き合う"こと。

岸田さん:読者に対して敬意があることが大切だと思う。どれだけ気をつけても、傷つく人や穿った見方をする人もいる。自分にとっての敬意は、調べること。間違ったことを言わない。

誰一人傷つけないということは無理でも、きちんと敬意を込めて書く。傷つけることを怖がるのではなく、敬意を忘れない。そうすることで、「伝えたいことが伝わる愛される記事」になっていくのではないかと思いました。

愛されるウェブメディアになるために、私が必要だと感じたこと。

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今回のイベントで一番印象に残ったのがこの会話。

岸田さん:ネタが枯渇するか怖かったけど、調べれば調べるほど愛せる部分が出てきた。
村井さん:愛せる部分を、取材して見つけていけることもある。

登壇者のお三方が深く頷いていたのが、本当に印象的でした。

愛されるためには、愛することが必要で、愛するためには向き合うことが必要で。

向き合うことの第一歩として、まずは今まで以上にきちんと調べていきたいと思います。ネットで手に入る情報だけでなく、その場所に行ったり、誰かに話を聞いたり。そして、調べていく中で、自分の感情が動いた部分を記録して、それを発信するときに活かしていく。

愛されるウェブメディアになるために、私は調べることで愛とリスペクトを表現できる文章を書いていきたいと思います。

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とどけ、熱量。 福部明浩
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短歌やキャッチコピーなど「1行の文章」が好きです。普段は、IT企業でライター&マーケターをやってます。▼コピーライター養成講座2013秋基礎コース・2018年間コース▼文章で生きるゼミ1期生▼明日のライターゼミ2期生 ▼Twitter:@yanoyasuhiro