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コミュニティづくりの教科書

という本を読んだので感想を書きます。ビジネスコミュニティ(経済活動の活性化が目的のもの)について記載します。


コミュニティとは?


コミュニティ:参加者が能動的に携わり参加者同士が対等にコミュニケーションできる場所。「能動的に」という部分がキーワード

①方向性を決める、②企画する、③参加者を集めるの3ステップから成る。


1. 方向性を決める


方向性を決めるとは、簡単にいうとビジョンとターゲットを決めることであり、誰のために、何を成し遂げたいからやるのかというところを定義することが大事。(例:ビジョン:「健康づくりを100倍楽しくする!」、ターゲット:「不規則な生活を送る忙しい会社員」)、なぜそれを成し遂げたいのかのストーリーも作っておくと、参加者により意図が伝わる。


2. 企画する


コミュニティはイベントとコンテンツの2つから基本的に構成される


一番最初に決めることは、トーン。つまりそのコミュニティに持たせたい雰囲気。まじめな雰囲気なのか、砕けた雰囲気なのかという視点と、コミュニティ内でのコミュニケーションの大小でトーンを決めていく。

トーンが決まると、イベントの規模と形式が決まっていく。


規模で分類したイベントの種類と特徴は以下の通り。

・ミートアップ:4-20人くらい。参加者同士が互いに顔を見てコミュニケーションをとれる。

・小規模イベント:20-50人くらい。常連参加者と新規参加者、またはゲストなどとのコミュニケーションを通じてコミュニティの熱量を上げる。

・中規模イベント:50-200人くらい。新規参加者を集めることが目的。

・大規模イベント:200人以上。コミュニティの活動を対外的に広めることが目的。世の中をこう変えたいというメッセージを対外的に発信。


スタイルで分類したイベントの種類は以下の通り。

・1対n型:講師や登壇者が話をして、それを参加者が聞くようなスタイル。学習系にフィット。

・トークセッション型:数人の登壇者と進行役がディスカッションを行ったりするもの。盛り上がればコミュニティの熱量が上がる。

・ワークショップ型:参加者が能動的に何かに取り組んで時間内に成果物を作り上げるもの。参加者の主催企業についての興味が高まる。

・ハッカソン・アイディアソン型:参加者がグループや個人で課題に取り組み、成果を争うもの。ワークショップ型よりも時間が長く、ハッカソンでは技術系、アイディアソンではビジネスアイディアが課題になる。

・スナック型:コミュニティ運営者がホストとなって行う飲み会

・キャンプ型:泊りがけのイベントで、複数のセッションなどを提供する。拘束時間が長いので結束力・熱量が上がる。


その次はコンテンツを決めていく。参加者にとって面白いコンテンツを考える際に役立つ考え方は3つある

掛け算:意外性を持たせる。俳優がお笑い番組に出ていて思わず見てしまったことがあるように、意外性を持たせる(プレゼン×フリースタイルラップのイベント等)と良い。

足し算:登壇者として特定のエリアの人を足していく。AIに詳しい人をたくさん呼んでイベントを行ったり。

組む:他社や他のコミュニティと組んでイベントを行うと普段と違うリソースからも送客される。


また、イベントを行う際は、出れなかった人に対してのフォローを行うことが大事。具体的にはイベントレポートをSNS上等で発信したり、参加者にイベント中の様子をツイッターに投稿してもらい、その投稿内容をまとめたり(Together というサイトでツイッターの投稿をまとめることができる)、イベント中の様子を動画にしたり、Facebookでページを作って投稿を促したりしよう。


参加者を集める


まず下記の公式を抑える。

トラフィック×申し込み率×参加率=参加者数


それぞれの要素について最大化するように施策を打つことが大事。


トラフィックについて、公開期(イベント公開後1週間)、停滞期(イベント公開後2週~4週間)、加速期(イベント開催1週間前~開催まで)の3つの期間でかなり異なる。経験上、公開期に35%、停滞期は20%、加速期に45%が参加登録を行う

各フェーズに応じて集客を行うことが大事。例えば停滞期には集客がうまくいかないことにへこまず、参加する可能性のある人がイベントの存在を忘れないように、例えば登壇者情報が更新されるたびにアプローチすることなどが大事。


申込率を上げるために、タイトルに気を付けよう。ポイントは以下の2つ。

イベントの特徴やイメージが伝わること:何が得られるのか、お得感があるのか、誰がくるのか、わくわくしそうか等

スマホを意識したものになっていること:文字数があまり多くなると表示されなくなってしまうため注意。

また、カバー画像には、アイキャッチ、信頼性、わくわく感の3つの要素を込めるようにしよう。


参加率を上げるために、

有料か無料かでいうと、当日の参加率は有料の場合は85%、無料の場合は59%だった。有料にすると参加率を上げることができるが、申し込み率は差がるのでバランスを考えるようにしよう。無料の場合、水曜日と金曜日は参加率が55%と下がってしまうので(金曜は花金だったり、水曜日はノー残業デーなので遊びに行ってしまう)、水曜日と金曜日は無料イベントは避けるようにしよう。また、無料の場合、開催時間も影響する(18時台よりも20時台からの方が参加率が高い)ので注意。

また、開催日近くでリマインドメールを出すことも大事。


イベントを盛り上げるために

・心理的安全性を高めること

・コミュニケーションを大切にすること


を意識しよう。工夫の例として、登壇者が参加者からの質問を受け付けるために、google スプレッドシート等に記載してもらいながらリアルタイムで回答していったり、休憩時間を長めにとって、司会者が登壇者に質問したり参加者同士でコミュニケーションするように促したり。オンラインイベントでもどうやって参加者とコミュニケーションしていくかというところをできる限り工夫しよう。


コミュニティを続けるために


コミュニティを作ることよりも続けることが大変。ポイントは下記の5つ。

・テーマを工夫し続ける

・参加者同士のつながりを作る

・適正な規模を維持する:コミュニティの熱量をキープしたいのであれば、30~50人くらいがおすすめ。

・参加者のバランスをとるコアメンバー・常連・新規参加者の比率が1:1:1になるようにするとうまく回っていく。内輪の集まりにならないように注意。

・年間のスケジュールを意識する


その他


コミュニティ思考は経営に必須。ビジョンがなければ従業員は集まらないし、対等に意見を言える場所でなければ自由な発想は生まれない。

その他イベントを回す際のTIPsや社内で認知されるためのコツなどもまとめられててかなり実践的な本だと思いました。














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