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ゴーストレストランとして多ブランドをUberEatsで提供することは喜ばれているのだろうか? 5/4(月)〜5/17(日):「ゴーストレストラン(UberEats専門店)」運営の教科書vol.16

 世界的なコロナ環境下でUberEatsは大儲かり…せずに赤字が拡大しているようです。本業は車の配車サービスですから大打撃で世界中でオフィスを閉鎖するなどリストラを進めています。

 UberEatsは流行っていますが、儲かってはいないわけですね。でも、我々飲食店事業者から40%ぐらい受け取り、ユーザーからは10%+配達料を受け取って赤字ですから、どうやればUberEatsが黒字化できるのか考えると、ちょっと雲行きが怪しい気がしています。規模を拡大するために同業の買収なども行なっているようで、独占的にシェアを取ってから利益を出していくのはあり得ますが、少なくとも日本ではこれ以上レストランから手数料を取ることも、これ以上ユーザー側から収益を取ることも難しそうです。

 もちろん我々飲食店はUberEatsが儲かっても儲からなくても、そんなことよりも我々の飲食店が利益を出してくれるかの方が関心ごとです。しかし、そこには我々も初心に戻って見直すべき原理原則があるように思えます。それは、「お客さんが喜んでくれるか?」という点です。

 800円のカレーを1200円に値上げして掲載して、さらに10%のサービス料と配達料が上乗せされると1食1500円のカレーが出来上がります。

自宅にいながら美味しいご飯が届くこと

 これはお客さんが喜んでくれることです。けれども、2倍近い料金で提供するには、日常食としての魅力には足りないのかもしれません。私もユーザーとして、今年1月には1ヶ月で30回近くUberEatsを利用しましたが、今月はまだ利用していません。決してUberEatsが嫌いになったわけではなく、罪悪感や知性という意味で良くないと感じたのです。サスティナブルな活動ではありません。

 一方で、UberEats専門店としては今もUberEatsで食事を提供しています。お店として、お客さん喜んでくれるかな?という原点を見つめ直し、提供する価値を考えると、果たして1拠点で10業態を提供するようなゴーストレストランは、今後も日本で喜ばれていくのか?

 以前、世界的に持ち上げられて一時期は時価総額5兆円とも言われて現在は潰れそうな会社にWeWorkという会社があります。最先端のテクノロジーでオフィスの効率化や、利用状況のデジタル化、AIを活用した分析により、最先端のオフィスを提供…とお金をかけていましたが、ぶっちゃけた話、誰もそれに価値を感じていませんでした。無駄な投資だったのですね。みんなそんなことより「高ぇ」と。

 UberEatsも同じようなことが言えるかもしれません。お客さんは、美味しいご飯が安く届けば、難しいAIや最先端のテクノロジーによる効率的な配送は求めていないのかもしれません。例えば、800円のカレーが最先端のテクノロジーを駆使して1500円で20分で届くよりも、800円で40分後にお店の人が届けてくれれば十分だと思っていたり。

 個人的にはお店側としてもユーザー側としてもカスタマーサポートへの連絡を良くやっていますので、その部分にコストがかかっているような気がしています。ITリテラシーのない飲食店に最先端ITを提供し、店舗との関係のないせ責任のない第三者を配達員として登録させ、配送をする。この欧米的な仕組みが日本には合っていないのかもしれませんね。

 今後、UberEatsに変わるデリバリーの仕組みが出てくることを楽しみにしつつ、このnoteマガジンもUberEats専門店の教科書というよりは、飲食店デリバリーの教科書になっていきそうな気がしています。

 UberEatsは1住所につき2ブランドまでしか登録を認めなくなったという噂をご存知でしょうか?他ブランド展開のゴーストレストランが今後新規で作れなくなるのではないか、という危機が…

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