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「ダークキッチン」と「ゴーストキッチン」と「ゴーストレストラン」と「バーチャルレストラン」と「クラウドキッチン」と「シェアキッチン」のちがい。

毎週水曜日の楽しみといえば、井戸さんのメルマガです。

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わたし、素人なのにバーやったりかき氷屋やったり飲食店DXをやっていたので、飲食業界のことが知りたくて読み始めて早数年、今ではすっかり井戸さんの口の悪さと外食産業の分析、荒波をもみくちゃに乗り越えてきた猛者達の体験談と、たまにエンカウントする天才とタラ子に、すっかりと毎週水曜日は朝起きるのが楽しみな身体になりました。

さて、有料のメルマガなので細かい内容は伏せるのですが、今日も朝から読んでいると最後にこんなHelpが。

ヴァーチャルレストランとゴーストレストランの違いを知っておきたいので、知っている方いらっしゃいましたら教えて下さい……。

「みのる、水臭いじゃない。そんなことならいつでも頼ってくれよ。」

とお会いしたことがないメルマガ著者に向けてメールでヴァーチャルレストランってのはXXXで、ゴーストレストランはYYYなのよーっとメールをした次第。自分の知識をひけらかして人が救われるって最高ですね。

からの、11:00からはビザスクのミーティング。

ビザスクってーのは、ZOOMでヒアリング相手を探すマッチングみたいなやつで、要はゴーストレストランについて知りたい人が、ゴーストレストランについて知ってる人に1時間とかヒアリングすることで、聞く側はヒアリングできてラッキー、教える側はお小遣いもらえてラッキー、みたいなマッチングサイトです。

守秘義務があるのでこちらも内容はともかく、井戸さん同様ゴーストレストランについての話で。

午前中に2回もゴーストレストランについて話すなんて、なんて日だと思いつつふわっと持病のTwitterを開いたらこうですよ。ええ。

さっきも言いましたが、自分の知見をひけらかして誰かに感謝されるほど気持ちのいい行為って無いですよね。

以上経緯で、良い機会なので用語の定義をちょっと解説しようと思います。ここから先は何も面白いこと書いてないので、ゴーストレストランに興味がない方はこちらから↓ご退出ください。

1.ゴーストレストラン
2.クラウドキッチン
3.ダークキッチン
4.ゴーストキッチン
5.バーチャルレストラン
6.シェアキッチン

1.ゴーストレストラン

オンライン専門の飲食店です。たまに出前専門店だと勘違いとしている記者さんの記事を見かけますが、良くポストに入っている出前専門の寿司屋銀のさらとか、ピザのピザーラはゴーストレストランじゃないです。

ピザーラがゴーストレストランだったら、なんで今こんなに世間が騒いでいるのかと。何が新しいのかと。

例えばネット通販専門の本屋さんがあったとしましょう。

本屋さんがオンライン通販専門になった。

これと同じで、飲食店がオンライン専門になったものが、ゴーストレストランです。

オンライン専門なので、そもそもお店に行くこともないし、電話で注文もできないし。ピザーラって直接言って「ピザください」ってできるじゃないですか。ゴーストレストランはできません。そもそもレジ無いし。

ちょっと先が長いのでこの辺でまとめると、ゴーストレストランは出前専門店じゃなく、オンライン専門店。たとえばテイクアウトアプリとかプレオーダーアプリとかあるじゃないですか?あれを使っても、当然オンライン注文なのでゴーストレストランですが、テイクアウト小窓を作って普通に現金でテイクアウトも売っていたらそれはゴーストレストランではなく「テイクアウト専門店」です。

2.クラウドキッチン

ゴーストレストラン用のキッチンを貸してくれるサービス

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100坪の物件を5坪×20部屋とかに分けて、1部屋ずつに調理設備を入れて、20社のゴーストレストランを入居させる、物件を貸してくれる業態。不動産業に近いのかな。シェアオフィスのキッチン版といえばわかりやすいかも。

ゴーストレストランは飲食業、クラウドキッチンは場所貸し業。この2つは全然違う。フードコートとかを想像すると近いかも。あれの業務用で殺風景版。

3.ダークキッチン

この呼び方好きじゃ無いんですが、要するにゴーストレストランです。フードデリバリー専門の客席のない飲食店のこと。EUあたりではダークキッチンとかシャドーキッチンとか呼ばれちゃう。日本のライターさん、できればもうゴーストレストランで統一しましょうよ。

ちなみに、日本だとクラウドキッチンの意味で使ってる人も1割ぐらいいるので混乱of混乱。ダークキッチンは不動産業ではなく飲食店の方の意味で使うのがよろし。

4.ゴーストキッチン

これもゴーストレストランっぽく見えますが、クラウドキッチンのことです。調理設備の方、不動産業の方。

でも、やはりゴーストレストランの意味で使ってる人も何割かいるので、本当に難しい。こっちは不動産業。

5.バーチャルレストラン

日本だとUberEatsが言い出した用語で、調理設備は1つなのに、UberEatsに仮想てきにお店を5アカウントとか出しちゃうやーつです。唐揚げ専門店、チャーハン専門店、餃子専門店、ラーメン専門店、デカ盛り専門店、とか5つUberEats上に出すんだけど、調理設備や営業許可は1つだけ。

これが、仮想=バーチャルレストラン。

例えば街の中華料理屋さん来来軒がUberEatsに5店舗出したら、UberEats上に出した来来軒以外の4店舗はバーチャルレストランになります。

ゴーストレストランとは全く違う言葉で、ゴーストレストランはオンライン専門店だけど、来来軒は普通にお店の営業も並行しているのでこの場合にはゴーストレストランではない。

これが例えば、お店の営業をしていなければ、来来軒はゴーストレストラン出し、来来軒がやっている5つのUberEats店舗はバーチャルレストランになる。

6.シェアキッチン

これは番外編。

シェアオフィスがあるってことはシェアキッチンって、区画で区切られたクラウドキッチンみたいなイメージするじゃないですか?

全く違います。

シェアキッチンとは、主婦がパンを売ったりするときに使う、会員制のキッチンシェアです。1つのキッチンで50人とかの会員さんがみんなで使うという。通販でクッキーとかパンとか売るときに、家で作ったものを通販じゃ売れないんですね。食品製造許可とか、惣菜製造許可とか、売るものの営業許可を取得済みの場所で作らなきゃいけなくて。でも、設備要件として自宅は許可取れない(難しい&お金かかる)ので、すでに営業許可をとっているキッチン設備に、会費を払って、みんなで使うキッチン=シェアキッチンが生まれました。

プロの料理人向けではなく、素人向けですな。主婦の方多いです。


まとめ

1.ゴーストレストラン/飲食店
2.クラウドキッチン/不動産業
3.ダークキッチン/=ゴーストレストラン
4.ゴーストキッチン/=クラウドキッチン
5.バーチャルレストラン/=UberEatsにたくさん出す
6.シェアキッチン/=主婦の通販許可用

これであなたも明日からドヤ顔できますね!!

ちなみに、

・2020年はフードデリバリ元年、それを受けて

・2021年はゴーストレストラン元年、それを受けて

・2022年はクラウドキッチン元年、になります。

と、2018年に予測して、当時進めていたクラウドキッチン事業を閉めました。3年も待てんわ、と。それでキッチンじゃなく客席シェアしようぜ、とテレスペが生まれたので結果オーライですが。

では、みなさま素敵なゴーストレストランライフを。

by https://twitter.com/arakens

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