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「なぜ当社を志望するのですか?」志望理由を問われた時の落とし穴

採用面接では志望理由についての質問は
合否に影響する強い質問です。
でも、この質問、難しいですよね。

私も常日頃、面接についてのアドバイスを
多くの人々にしていますが、
この基本的な質問への対応が最も難しい
のではないかと感じています。

なぜでしょうか。

この質問が難しい理由は2つあります。

難しい理由1/2:自分と仕事への理解不足

自己理解と仕事&応募先への理解を深めていないと
納得感ある回答が出来ないから、
難しいのです。

(過去のコラム「やりたい仕事を見つける方法
で述べたことと同じポイントです)

これ、当たり前なのですが、簡単ではありません。
自己理解とは、そもそも自分が何を望んでいるのか。
自分の根本的な価値観や欲求のことです。
(例:人の役に立ちたい、達成感を得たい、等)
これらを把握していれば、自分が仕事を通じて
自分はどんな感情を満たしたいのか、
理解が出来ています。
そうすると、仕事に何を求めているのか
はっきりとしているので、
何の仕事をやりたいのか明確です。

ただし、対象となる仕事への理解が無いと、
自分が満たしたい要素がその仕事にあるかどうか
分かりません。
こんな状態では、その仕事を志望する理由を
述べることなど出来ませんよね。
だから、その仕事について調べて、
誰にどんな価値を提供する仕事なのか、
仕事の目的と具体的な業務内容などを
理解しておく必要があります。

この2つ、自己理解と仕事理解が出来れば、
自分も聞き手も納得する志望理由が言えます。

難しい理由2/2:「なぜ」という言葉の曖昧さ

例え、自己理解と仕事理解が十分に出来ても、
面接で「なぜ、この仕事を志望するのか?」
と問われて、相手が納得する回答が出来ない時があります。

これが志望理由の落とし穴なのですが、
何でしょうか?

この「なぜ?」という言葉が曖昧なのが問題です。
日本語で「なぜ?」と問われた時には、
何を質問されているでしょうか?

ふわっと、理由かなと思うものですが、
もう少し具体的に考えてみましょう。

なぜ、この仕事を志望するのですか?
(例:ホテル運営会社の接客係への応募の場合)

回答1:
より上質なサービスをお客様に提供して幸せになってもらいたいから。

回答2:
現勤務先の会社組織が小さくて昇進できるポストが無いから。

2つの回答例は如何ですか?
どちらも間違ってはいないはずですが、
回答の種類が違いますよね。

「なぜ」という問いに対して、
回答1は、その仕事に就いて何をやりたいか
目的を述べています。

回答2は、現職では昇進出来るポストが無い
という職をかえたい原因を述べています。

回答としては、どちらも間違ってはいません。

「なぜ?」という質問には、回答として
目的が出てくることも、
原因が出てくることも、
両極端の回答が出来てしまうのです。

日本語の論理上の曖昧さが答えを難しくしていますよね。
面接では多くの人がポジティブな回答を
しようと考えて上記1(目的)のみを答えますが、
それだけだと綺麗ごとで「本音がみえないなぁ」
と思われてしまいがちです。

一方で、上記2(原因)だけ述べていると
「自分勝手な人なのかなぁ」と誤解されかねません。

で、どう答えれば良いのでしょうか。

まず、どちらを問うているのか、
ふわっと両方を問われているのか、
面接担当者との会話及び発言から判断します。

片方を問われていれば、それを答えて、
ふわっと両方問われていれば、
両方を答えます。
(ただし、2は愚痴っぽくならないように注意して)

準備すべきこと

志望理由を質問されて回答が難しい理由を
2つ述べました。

志望理由の質問への回答は難しく、
合否を決める強い質問ですが、
準備すべきことは上述した通りです。

1つ目は、難しい理由①で述べた
自己理解と仕事理解をしっかりと行うこと。

2つ目は、難しい理由②で述べた、
志望理由の「なぜ」が問う複雑さを理解して、
その仕事をやりたい目的と
今の仕事を変えたい原因を把握しておくこと。
答える時は、目的の要素を含む理由を優先的に
(両方答えるなら先に)話して、
原因はその後に話すのが無難です。

ただし、後者は利己的な印象や愚痴っぽさを
出さないようにポジティブな表現にすることを
忘れないようにしましょう。

以上、面接で志望理由を問われた時の落とし穴と
その対策について述べさせて頂きました。

転職や就職を目指している人は、
事前にしっかりとした準備をして、
希望する職を得て活躍して頂きたいと思います。

(2022年3月22日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

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