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人の役に立たない仕事など無い

職業選択の悩みや転職したい理由をお聞きしていると、自分の仕事が「何の価値も生み出していない」「人の役に立っていない」「社会の役に立っていない」ということをお聞きすることがしばしばあります。更に、そのような仕事だから自分の仕事は(自分は)価値が無いのではないか、、、と忸怩たる思いをお持ちの人もいます。果たしてそうでしょうか?

全ての仕事は他者の役に立っている

私が思う結論から申し上げれば、資本主義の世界においては人や社会の役に立たない仕事など1つもないと思います。違法な仕事は別にして、全ての仕事は他者の役に立っています。

ブルシットジョブって言葉も流行った為、自分の仕事はブルシットジョブではないか?とネガティブに考えてしまう人もいるのでしょう。例えば、経営と現場を取り次ぐ位置にいる中間管理職は、生産的なことを行わず内向きの面倒な仕事ばかりを作り出すブルシットジョブではないか、、、などなど。課長などで悩んでいる人も多そうです。

しかし、そうでしょうか?
例え、直接的に売り上げを上げる営業のスタープレイヤーでなくても、1つ1つの仕事には意味があります。上記の中間管理職について言えば、組織の経営方針と現場が同じベクトルを向いて行動し続けるようにすることや、社員個人がばらばらになって組織力を発揮できないようにならない為にまとめること、あるいは経営陣の方針を現場に浸透させることなどによって沢山の人々が属する営利組織が上げる利潤を少しでも大きくさせる仕事には価値があります。資本主義社会の営利組織の目的は、利潤の最大化です。

マクロな視点で書きましたが、ミクロな視点では日常の中で部下のケアや部下が起こしたクレームの尻ぬぐいなど、面倒で辛い作業もその部下や会社の為になっています。

レベルの低い仕事なんです、、、

「自分の仕事が単純作業の繰り返しでレベルが低いのです」「(違法ではないけど)低俗だと思われる仕事で人にはあまり言えません、、、」など自分の職業を卑下する人もいるでしょう。

これらの仕事でも、人や社会の役に立っていない仕事などありません。
と聞いても素直に同意できないかも知れませんが、1つアドバイスがあるとすれば、所属する組織や社会の全体の構造の中で、自分はどの位置でどのような役割を担っているのか、はっきりと認識することです。

事業全体がどんなビジネスモデルになっていて、自分はその中のどの一部を担っているのか。

自分の職業が資本主義者社会の中においてどのような位置でどんな役割を果たしているのか。

自分の仕事の役割について、ぼんやりとしていたイメージが明確になれば納得できることが多いです。「こーいう役割だったから大変なんだな」「辛いんだな」と分かれば気持ちも楽になるでしょう。
更に、その役割を担い続けるのか、辞めるのか、考えを前に進めやすくなります。

職業に貴賎なし

多くの人々が多様な仕事をしていますが、どの仕事でも相手のことを考えて一生懸命にやっている人は有難いですよね。日々接するお店の人でも、会社の仕事相手でも、いい加減な仕事をせずにクライアントであるこちらのことを良く考えて丁寧に仕事をしてくれる人は有難いですし、リピートしたり再度仕事を依頼したくなると思います。

他方、いい加減な仕事をする人には二度と会いたくはありませんよね。

つまりは、仕事の種類に良し悪しや上下があるのではなくて、その仕事をやる人が良い仕事をするのか、いい加減な仕事をするのかで、その仕事の価値があるか無いかが決まります。古くから言われていますが、職業に貴賎はありません。その取り組み方に価値の有無があるのです。

要は自分の仕事への取組み方

どんな仕事にも価値がありますし、人の役に立たない仕事などありません。
もしそんなことで悩むなら、全体の構造の中での自分の役割を明確にイメージできるように調べてみましょう。
そして、(無理をし過ぎなくて良いので)自分の仕事の取り組み姿勢や行動を振り返ってみると良いと思います。
そうすると、漠然とした悩む状態から納得感を持てる状態に徐々に移行できるかも知れません。

(2024年10月20日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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