あこがれの車 【超短編小説】
俺は今夢が叶っている。
ずっと目標にしてきた人に取材しているのだ。
ここまで長かった。
聞きたいことは山ほどあるが、喜びと緊張で頭が
真っ白になった。
はっとして周りを見るとそこは
馴染みのコンビニだった。
そうだ、仕事の帰り、ここに寄ったんだ。
なんだあれは夢だったのか。
しかし頭が痛い。
仕方なく帰ろうと駐車場に戻るが俺の車がない。
コンビニの店員に助けを求めたが
相手にされない。
困り果てていると、
汚れた服を着た見覚えのある2人組が
店に入ってきた。
彼らは入るなり俺にこう言った。
「お前の車ここにあるじゃないか」
脇に抱えられたダンボールを見て、
オレは全て思い出した。
(終)
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