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【ネタバレ注意】「シン・エヴァンゲリオン」感想~恋愛編~

Qの考察もロクに終わらないうちに「シン・エヴァ」が公開されてしまった。で、初日に観てきた。以下ネタバレ含んだ感想です。

なんちゃらの槍がどうとか、なんちゃらインパクトがどうとかについては他の人が考察してくれるしそもそも1回観ただけで分かるわけはないので、シンジとアスカの恋愛物語の結末に絞って感想を書きたい。

結論から言うと、「庵野さん、幻想では終わらせてくれませんでしたね」っていう結末だったね。

やっぱりね、観てる方は「シンジは最後アスカを救い、2人は結ばれてめでたしめでたし」ってのを望むわけですよ。でもそうはさせてくれなかった。辛いよ庵野さん。でもこれがあなたの決着なんですね。ファンタジーをファンタジーのままで終わらせないとう。

それは現実世界にあまりにも影響を与え過ぎた作品に対する庵野監督の決着であり、シンジ君と共に大人になり切れない我々が受け入れるべき決着なんだなあと思う。今作では前半で徹底的に日常=リアルを描き、最後に実写の風景で終わった。幻想から現実への帰着。

初恋の相手、思春期の好きだった人、これは幻想なわけです。たとえ一時期思い合っていたとしても、後から「あの時好きだったでしょ。私も好きだったから一緒になろう」なんてのは叶わないわけです。大人になって結婚して同窓会で久々に出会ってお互いの過去の思いを打ち明けあったところで同窓会不倫で一時的に盛り上がるだけなんです。いつか現実に戻っていくわけです。

シンジ君がエヴァにさよならするということは、大人になるという事。大人になるという事は、初恋の淡い恋心と決着をつけるということ。ああ本当に終わるんだなあと、マジ決着ついちゃうなあと、泣けてきたよ。

ファンタジーはファンタジーのままでいいじゃないか!という意見も分かる。まあ40代のおじさんだから納得できるけど、年齢でも違いは出てくるだろうし、作品への思い入れでも違ってくるだろう。でもこれは25年の「エヴァ」という物語と「エヴァ」が与えた社会との、我々との決着なわけです。

「ファンタジーのままでいいじゃないか!」というのは、まんまシンジ君の「楽しいだけで何が悪いんだ!辛い事から逃げて何が悪いんだ!」という葛藤と同じなわけです。あまりにも現実とシンクロしすぎたファンタジーをきちんと現実に戻してあげて終わらせるという、庵野監督の愛情なわけです。厳しいけれども。

「名探偵コナン」だったらいいわけですよ。コナン君が元に戻って蘭ちゃんと結ばれなかったら「なんでやねん!」とファンは怒り出すだろう。そこはもう、結ばれなきゃならない。ファンタジーのまま終わるべき作品だし、100%そうなる。

でもこれは「エヴァンゲリオン」なんです。そして3回目の結末なんです。

前回は2人きりになったのに首を絞めてしまうシンジ君と「気持ち悪い」と言ったアスカが、ちゃんと「好きだった」と伝えた。泣いたよ?やっとだよ?長い年月かけてやっと伝えられたんだよ?いや泣けるでしょ。

そしてアスカは辛い時にそばにいてくれたケンスケを選び、シンジ君はおっぱいの大きな美人を選んだ。

結局おっぱいかよ!

そう、結局おっぱいだよね。

っていう話だよね。

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