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大東京カワセミ日記127 20220612 その3 午後の部中編 ヘタレ末っ子、お母さんに甘えすぎでキレられる。

下流の工事現場の下手。お母さんがいた。アメリカザリガニを捕まえている。
自分で食べるんだったら、すぐに飲み込んでいるはず。
いる。あのヘタレ末っ子が。

というわけで、ぐるっと大回りして、目の前に。

いた。ヘタレ末っ子。

お母さん、いない。たぶん次のご飯を狩にいったのか。

「なんか、狩の練習しろ、って言うんだよね、父さんも母さんも。ここんとこ、母さん、すっごいキレやすいから。ちょっと練習しとこ」

「どうだ!」

「ヌマエビ、とれてないけど!」

「いけてるだろ!」

「あー、練習したした、疲れた!」
あれ、お母さんの声だ! おかーさーん!おかーさーん!僕すっごい練習したよ、ごはんごはん!」

「おかーさん、おかーさん! あ、ザリガニだ!ザリガニザリガニザリガニザリガニ」
「落ち着きなさい! さっき食べたばっかでしょ!」
「ザリガニザリガニザリガニザリガニザリ」
「えーいっ うっとおしい子ねっ」

「くれないなら、僕のすっごい飛翔力で、えいっ」

「あり?」
「100年早いわよ、あたしから奪いとるなんて」

「さすがおかーさん!さすがさすがだからアメリカザリガニアメリカザリガニアメリカザリガニアメリ」
「アメリはフランス映画!」

「早くちょーだいちょーだいちょーだいちょーだい」

「・・・ほんと、食い意地はってる子ね あたしから自分で奪い取ってみなさい」

「えい、どりゃ、うりゃ、こりゃ、ぐおら、あ、とれたとれたおいしいおいしいあ一呑みで食べちゃったお腹すいたおかーさんザリガニザリガニザリガニザリ」

https://www.instagram.com/p/Ce80B3Dgqk4/

「・・・あんた、もう2匹食べたでしょ!」


「お願いします!このとーり。もう土下座しちゃう!だからザリガニ!」
「どこで覚えたの!その土下座!」

「もうあげません!自分でザリガニもとりなさい!ツーン!」
「おかーさん、ツーンってしないでザリガニ!」


ほら、おかーさん!僕こんなふうに飛べるんだぜ、だからザリガニを!


「飛べるんだったら、自分でとってきなさいよ! いい加減、お兄ちゃんたち、もうみんな自分でご飯食べてるわよ。あんた生まれたの1週間も違わないんだから、そろそろご飯は自分でとる!」

「そんなこと言わないで!ほら可愛いでしょ、ぼく だからザリガニを!」
「誰に似たのかしら・・・えーい、後ろにつかない!」

「だって!もうお手上げなんだもん!だからザリガニ!」
「あんた、お手上げって、ほんとに手を上げない!」


「ねえ、お母さん。僕のこと、好きでしょ。愛してるでしょ。最愛の末っ子でしょ。だから」
「だから、なに?」
「ザリガニ!」


「はーっ!末っ子だと思って、ほんと甘やかしすぎたわ! とっととsapixの夏期講習突っ込んどくんだったわ!
「あ、おかーさん、呆れ果てないで!」
「はてるわ! もう知りません! ひとりでなんとかしなさいっ」


「あ、おかーさん。・・・行っちゃった」
「かくなるうえは・・・おっかけておねだりしよう! おかーさーん! アメリカザリガニちょーだい!」

この末っ子、ひとりだちできるだろうか。。。。

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