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メディアの話。

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メディアの話を、します。
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#新型コロナウイルス

メディアの話その94 8割と西浦教授と10倍と。

メディアの話その94 8割と西浦教授と10倍と。

新型コロナウィルスの専門者会議のクラスター対策班の西浦教授が4月24日行った2時間近くにわたったメディアとの意見交換会。いくつか数式をつかうが、わかりやすい。

「だれでもメディア」時代の、科学者のプレゼンのお手本になる。

そこで西浦教授の説明と質問への回答をまとめる。1時間33分過ぎの質疑応答だけでも聞いてほしい。

いまの感染者数は氷山の一角です。ロンドンの渋谷先生が10倍以上とおっしゃって

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メディアの話その97 311とコロナと歴史と。

子供のころ習った歴史の教科書は、考えてみるとけっこうヘンテコなものだった。

なにせ、人殺しばっかりがでてくる。

時代を変えるのはたいがい「戦争」だ。

で、「戦争」がもっとも得意な人が次の「王」になって、新しい時代が始まる。

人間の歴史は、人殺しのうまさで進歩してきた。

そう読み取れる。だから、「〜戦争」「〜の乱」「〜革命」ばかりを私たちは覚えさせられた。

どうやら、歴史を変えたのは「人

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メディアの話その93 市長と中洲とウィルスと

メディアの話その93 市長と中洲とウィルスと

https://www.youtube.com/watch?v=P3YKvxPSonU&feature=share&fbclid=IwAR1IdA1h8ycpsou_2eKM0NFMS_mJvkEPtRY5rvYspBbMFKF7koJy4LXC6QA

4月24日時点でもっとも優れた新型コロナウイルス の感染実態を説明したコンテンツはテレビや新聞ではなく。こちらの高島宗一郎福岡市長の、YOUTU

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メディアの話その92 文明とウイルスと友引町と

メディアの話その92 文明とウイルスと友引町と

新型コロナウイルスは、2019年12月に中国武漢でその存在が確認されてからほぼ3ヶ月で、世界200カ国以上に広がった。

中国の人たちを除けば、世界中の感染した方々、なくなった方々のほぼすべては「武漢」に行ったことがないだろう。そもそも武漢がどこか知らないだろう。武漢在住の友人もないだろう。中国人の友人を持っている人すら少数だろう。

でも、かかってしまう。感染者が一番増えたのは、死亡者数がいちば

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メディアの話その89  BBCパパとコロナウイルスと公私混同と

メディアの話その89  BBCパパとコロナウイルスと公私混同と

みなさんは、この絵を覚えていらっしゃるはずだ。

2017年、英国のBBCニュースの生中継で、インタビューを受けていた韓国・釜山大学のロバート・ケリー准教授。途中まで大学の研究室で話をしているとなんとなく思っていた視聴者は多いだろう。

が、そこに可愛い闖入者が。

黄色のセーターを着たくるくるパーマの女の子が練り歩きながらずんずんずんとやってきて、ケリー先生の横に。映像への目線を外さず、クールに

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メディアの話その91 コロナとZOOMと会議の連鎖と

メディアの話その91 コロナとZOOMと会議の連鎖と

新型コロナウイルス でいちばん普及したアプリは間違いなくZOOM だろう。

ユーザーインターフェースがとてもよく、マニュアルなしですぐに誰でも使える。

多くの人が、いまリモートワーク、リモート学習を始めている。

そこで、このズームやそれに類する各種アプリを使って、多くのひとが在宅で仕事をしたり、勉強をしたりする。

これで、無駄な通勤、無駄な仕事がなくなるぞ!

そう思ったら、大間違いであっ

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メディアの話その90。伯父とZOOMと、あの式と。

メディアの話その90。伯父とZOOMと、あの式と。

2020年4月のある日、伯父が亡くなった。

82歳。

8代続くゲタ屋の旦那だった。もともとは、大阪の船場に店があって、戦争のころ、静岡に店を移した。安倍川の下流にある静岡は木材加工業のメッカで、下駄などの履物もこちらでつくっていたらしい。ついでにいうと、模型もそうだ。昔の模型は木製だった。タミヤ模型をはじめ、静岡のプラモデル業の源流は木材加工業にある。

伯父は、親分肌で、短髪で大柄で剣道をや

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メディアの話その87 ウイルス・メディア・グローバリゼーション

メディアは、必ず3つの構造から成り立っている。

それはハードウェア、コンテンツ、プラットフォームである。

コンテンツを再生するためのハードウェアがあり、コンテンツを流通させるためのプラットフォームがある。

テレビやラジオの場合は、番組がコンテンツであり、ラジオ受信機、テレビ受信機がハードウエア、プラットフォームは放送技術と放送局だ。

書籍や雑誌は、小説だの記事だのといった文章がコンテンツで

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メディアの話その88  「銀河鉄道999」と150人のムラとウイルスと

メディアの話その88  「銀河鉄道999」と150人のムラとウイルスと

いま、世界は、「銀河鉄道999」的だ。

銀河鉄道を見上げながら、おいどんはカップラーメンを窓辺ですすっている。売れない漫画家、足立太くんのように。

2015年、小林弘人さんとつくった『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』で、「だれでもメディア」時代になると、インターネット上で人はグローバルにつながるどころか、人間の本性のなかにある「150人」の村の規模に戻っちゃうだ

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メディアの話その84  コロナウイルスと科学者とサイエンスコミュニケーション

メディアの話その84  コロナウイルスと科学者とサイエンスコミュニケーション

 新型コロナウイルスは、メディアにおける科学報道に大きな変化をもたらした。

 最前線の科学者たちが、マスメディアを介さず、直接情報発信を始めたのだ。

 たとえば、2020年4月5日、このnoteを活用した「新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会」。政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の専門家会議の副座長でもあり、多くのマスメディアにも登場している独立行政法人地域医療機能推進機構の尾身

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メディアの話その85 新型コロナウイルスの話を書く。

メディアの話その85 新型コロナウイルスの話を書く。

自分のフェイスブックには海外に暮らす友人がたくさんいるのだけど、すごく共通することがある。
アメリカやヨーロッパ、オセアニアにいる全ての友人が「ロックダウン」状態になるのは「当たり前」で、日本がものすごく「異常」に見える、と話していることだ。
日本よりはるかに感染者数や死亡者も少ない国でも、ロックダウンしている。
アメリカについていうと、医療崩壊を起こしているニューヨークだけじゃなく、遠く離れた感

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