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2018年2月の記事一覧
メディアの話、その41。説明と発見。
新しいメディアをつくるとき、必ず考えるのは「お客さんを誰にするか」。要するにマーケティングである。
あ、今回の「メディア」は、従来の「メディア」の定義に近い話です。
すなわち、マスメディアであったり、個人レベルでも発信型メディアの話。
メディアとマーケティングの話をすると、必ずこういう意見が出る。
「いやいや、俺は自分の好きなものをつくるぜ、マーケティングなんかしないね。でなけりゃほんとに
メディアの話、その40。銃と高校生とだれでもメディアと。
「だれでもメディア」の時代は、だれもが情報発信ができる、ということである。アメリカでは、すでに「だれでもメディア」が、国全体を大きくゆるがし、かつての「慣習」を「非常識」に変える動きがでてきている。
2018年2月14日。アメリカのフロリダ州パークランドの高校で起きた銃乱射事件。17人が死亡した。犠牲となったのは生徒たち。銃乱射を行ったのは、同校を退学した19歳の未成年の男。
アメリカの銃乱射
メディアの話、その39。中動態と受信するメディアとしての私たち。
音楽における「長調」と「短調」は、文法における「能動」と「受動」にとっても似ている。そして、長調と短調を超えたインド音楽のように、かつて能動態と受動態のあいだには、中動態があった。メディアについても、発信のほうにばかり目を向けちゃダメ。受信と編集のほうが、案外重要だぜ。
今回は、そんなお話。
先日、指揮者の大野友士さんに習った。
音楽の世界における「長調」と「短調」について。
たのしげな長
メディアの話、その38。人間は情報の受信者として生き残る。
この連載をはじめたばかりの頃(といってもまだ1月もたってないんだけど)、「メディアの定義」を三内丸山古墳にひも付けてやってみた。
https://note.mu/yanabo/n/nb3ad81dcb642
このときは、わたしの「誰でもメディア」論を雑に展開しただけだったんだけど、街を歩いていて、「あれ、間違っていたぞ」と思っちゃったのである。
私のメディアの定義は、あくまで「メディア」=「情
メディアの話、その37。渋谷のテレビと長調と短調
「渋谷のラジオ」というコミュニティラジオがある。https://shiburadi.com
こちらの人気番組「渋谷のテレビ」というのがございまして、放送100回記念、ということで、遊びに行ってきました。
ゲストは、指揮者の大野和士さん。
世界を股にかけて活躍する大野さんのお話は、こちらで聴くことができます。ものすごーく面白いのでぜひ聞いてください!https://note.mu/shibur
メディアの話、その36。地図というメディア。
ジュンク堂書店に面白い地図が売っていた。
「荒川流域の高低差まるわかりMAP」
荒川の流域の地形がA1のポスターサイズでどーんと示されている。
地図をつくったのは、埼玉県立川の博物館。
こちらは埼玉県の寄居町にあって、荒川流域の上流部にある。
荒川の巨大な流域ジオラマがあるのだ。
なぜ、知っているかというと、前に『タモリ倶楽部」で特集したからである。もともと『タモリ倶楽部』は、スタジオ
メディアの話、その35。王様のメディアとしての手品。
「このカードの中からどれでも好きなのを選んでください」
男は私たちにトランプの束を差し出した。
1人の女性が1枚を抜き取る。
「はい、みんなカードを覚えてくださいね」
ハートの6。
女性はそのカードを男に渡し、男はトランプの束の真ん中にカードを差し込む。8人の大人がその手を囲むように凝視する。
ぱちん。
男が指を鳴らす。
トランプの束の一番上のカードをめくる。
ハートの6。
8
メディアの話、その34。会田誠とアートと自然。
いま、会田誠さんの個展を青山でやっている。2月24日まで。
何を展示してあるのか。会田誠さんの考える「夢の東京」である。
会田誠さんの考える「夢の東京」には、まず、いまよりはるかにでっかい都庁がある。
その都庁には、天守閣がある。
こんな感じだ。
いいね!
ちなみにこのラフスケッチには、清書版がある。
だれが描いているかというと、山口晃さんである。
こんな感じだ。
都庁、建て直そ
メディアの話、その33。スナックと酒の流域と60歳鬱。
いうまでもなく、スナックはメディアである。
ママもしくはマスターという「個人」が発する微弱な電波。
その電波は、内側から光を発する看板のかたちで、発信される。
日没から夜明けまで。
フロムダスク ティル ドゥーン。
その微弱な電波に感応して、誘蛾灯に集まる蛾のオスのように、「いつもの客たち」が、扉の向こうに消えていく。
スナックの扉には、「会員制」だの「一見さんお断り」だのと札の貼られ
メディアの話、その32。ウルトラマンとレイチェルカーソンと不思議、大好き。
SFの話をする。2回する。今回は1回目。
私が子供のころ、1960年代から70年代にかけて、というのは、とにかくSFがブームだった。子供と若者はSFが好き、ということになっていた。
ウルトラマンはそのころ生まれた。
私は世代的にリアルタイムで初回から見ていた。
どうでもいい話だが、ウルトラマンはSFか。SF=サイエンスフィクションか。
定義というのは、概念というのは、常にあとからやってく
メディアの話、その31。風景を編集して観光地にする。
「日本は退屈な国」。
欧米人アンケートの衝撃結果に挑む観光庁の勝算
/https://www.msn.com/ja-jp/news/money/ar-BBJ8Yor?ocid=sf
ノンフィクションライターの窪田順生さんが執筆した、ダイヤモンドオンラインの記事のタイトルである。
「観光庁がドイツ、英国、フランス、米国、カナダ、オーストラリアの6ヵ国を対象に、海外旅行に関するアンケート調査を実施し
メディアの話、その30。だれでもメディア時代は「俺に言わせりゃ」時代でもある。
今日は、思いっきり天に唾する話である。
それにしても天に唾するって、すごい表現である。
考えてみると、やったことない。
ためしに風呂場でやってこよう。
……(1分後)。……えーと。ことわざ通りになりました。みなさん、いちいち実験しなくていいです。我がジャーナリズム魂が、実証せねばならない、と敢行したのですが、あやうく目に入るところでした。
とまあ、天に唾するとは、そのくらい危ない行為であ
メディアの話、その29。あまりに時代が早くって、たいへんだ。室町時代みたい。
早すぎる。
メディアの話を書き始めて、つくづく思ったことだ。
思いませんか。
いろいろなことがあっという間に進化して、あっという間に廃れて。
ちょっとよそ見をしていると、あっという間に時代遅れの浦島太郎。
そんな気分になりませんか。
あらゆる情報、場合によると実体までもが「デジタル」になった。そして、インターネットが登場すると、デジタル化された情報を実体とが自在にやりとりできるようにな
メディアの話、その28。キカイダーと良心回路とAIと。
AIの話をニュースで見るたびに、思い出すのは人造人間キカイダーである。
「良心回路」というのを50歳前後の元男子は知っているはずだ。
左右非対称で、半分が透明のロボット。
人造人間キカイダーに埋め込まれている装置である。
「良心回路」……人を傷つけたり殺したりしない「良心」をロボットに受け付けたもの。この「良心回路」が不完全なため、キカイダーは半分悪の心をもっており、だから左右非対称。