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推しVtuber三選のオリ曲をただ推すだけの記事

 今回は僕が最近気に入っている歌系のVtuber3人の、オリジナル曲をただ推すだけの記事です。前回のヨルシカの記事はエッセイ調で書いたのですが、今回は一オタクとして、オタクっぽく「めっちゃ早口で言ってそう」的な書き方になるかもしれません。あしからず。

 ちなみに僕は音楽的な知識はゼロです。YouTubeで音楽を聴くのにハマったのも今年の頭ごろからです。どこかで聞いたことのある言葉用語程度しか知らないので間違ってたこと言ってたらすみません!

1.SALLA.R『SALLAのうた』

 Vtuberの中でもかなり謎多き存在であるSALLA.Rことサラ・リュティ。分かっていることといえばフィンランド出身の12歳の女の子、生年は1944年であるが「博士」や機械兼保護者役?のマーティらによって現在にタイムリープさせられている?という、とにかく謎だらけの存在。過去の動画を見ると、1986年のチェルノブイリ原発事故と何らかの関わりがあるらしいが、果たして…

 そんな謎だらけのサラちゃんだが、歌う曲はなぜか「往年の名曲」ばかり。1980~90年代のアイドルソングやアニソン、誰でも知っている洋楽が中心であり、一番最新の楽曲でも2008年のランカ・リー=中島愛『星間飛行』という、まさに異色の存在。しかし、他のVtuberが歌わないような歌謡曲や洋楽というラインナップを12歳らしいロリボイスで歌うというスタイルが高い年代や海外勢に受けているのでしょうか。個人勢にしてはチャンネル登録者数11万人以上とかなり高い支持率を得ています。

 さて、サラちゃんが今までに歌った唯一のオリジナル曲がこの『SALLAのうた』。サムネイルにも写っているアコースティックギターを中心としたサウンドに、サラちゃんらしい無邪気なロリボイスが映える作品です。

 そして、この曲はファンに感謝を届ける歌だと思っています。

ラブソングほど 重くはない
言葉の花束を贈るよ
いつか私の時計がまた動き出すその前に
ギュッと抱きしめて 抱きしめてほしいな

 「ラブソングほど/重くはない/言葉の花束を贈るよ」という表現、ファンに向けていう言葉として最適じゃないですか?友達以上恋人未満の関係性としてファンという像を描く、積極的な活動をしていないからこそこの表現でファンとの繋がりを描いているような気がします。また、「いつか私の時計がまた動き出すその前に」という表現も、謎だらけでいつ別の時代にタイムトリップするか分からないサラちゃんという存在そのものではないでしょうか。童心そのままに明るく歌っているのですが、サラちゃんの過去を考えると少しだけ闇の部分が見える、そんな曲だと感じます。


2.道明寺ここあ『Fall in Sunset』

 RIOT MUSIC所属の中学生Vtuber。道明寺ここあは、もともと「ここあMusic」のチャンネルにカバー動画を多数投稿していましたが、声優がアーティスト活動に専念することになり、2019年12月9日より活動停止。その後、2020年3月13日より新たなアーティストを迎え入れてCOCOA CHANNEL」にて活動を再開。現在は精力的なペースで活動を続けています。

 そんなここあちゃんの初オリジナル曲は、なななんと『ロキ』や『少女レイ』でおなじみの超大物・みきとPが作詞・作曲。なんでも以前からディレクターなどに「みきとPのファン」と公言していたところ、ディレクターが打診してくれた、と配信で語っています。夢は言ってみるもんですね。

 曲のテーマとしては「青空と夕焼けの境界線をイメージした、爽やかなシティ・ポップス」だそう。『ロキ』を作った人が作詞作曲したとはとても思えないような、爽やかなナンバーに仕上がっています。多分ですけれども、サビの盛り上がりと「さあ」「ねえ」のセリフによって、この爽やかさは作られているのではないでしょうか。

 また、この曲はここあちゃん自身のことも歌っている曲であると感じます。冒頭で(本来は禁忌である)ここあちゃんの声優事情について語ったのは、歌詞の冒頭に「エモさ」を感じるからです。

生まれ変わったその瞬間に
伝えたいメッセージ
I just fall in Sunset この声が
誰かにとって 勇気になったら

 「生まれ変わった」というのは、青空から夕焼けへの生まれ変わりを表すと同時に、ここあちゃん自身の生まれ変わりも指しています。そして、夕暮れ時も、声優の交代も、どちらも寂しいイメージがありますが、「誰かにとって 勇気になったら」と視聴者へのエールに変えています。エモい。みきとPの作詞力の高さよ…

 そして、この曲の最大の魅力はここあちゃん自らみきとPに提案した、2番Bメロの後のフェイク。彼女の歌の一番の魅力は、複雑な味わいとコクを持つシチューのようなフェイクだと思っています(そのフェイクの美味さは『Pretender』のアレンジフェイクに現れていますのでぜひご賞味あれ)。もともとみきとPによるギターソロが入っていたそうなのですが、自ら考えたという美しいフェイクの方が「夕焼け」という雰囲気に合致しているのではないでしょうか。


3.YuNi『ココロノック』

 「世界初バーチャルシンガー」(自称)のYuNiちゃん。今ではかなり普及していますが、歌に特化したVtuberの先駆け的な存在です。その功績が評価されたのか、2020年8月14日にTOY'S FACTORYより今冬にメジャーデビューすることが発表されました。TOY'S FACTORYというとBUMP OF CHICKENやEve、Mr. Children、SEKAI NO OWARI、UNISON SQUARE GARDEN、でんぱ組.inc、ゆずなど、日本を代表するアーティストがそろい踏みしているレーベル。特にBUMPがポケモンの神MV『GOTCHA!』使用曲『アカシア』を提供したことを考えると、今一番勢いのあるレーベルだと勝手に評価してます。

 今回紹介する曲は、今年の夏アニメの1つ『宇崎ちゃんは遊びたい!』のEDテーマで使われた『ココロノック』です。Vtuberしか出演していない『バーチャルさんはみている』という特殊な事例を除けば、Vtuberがテレビアニメの主題歌を歌うのは初なのではないでしょうか。

 『宇崎ちゃんは遊びたい!』は桜井くんへの恋心を隠しきれない宇崎ちゃんがちょっかいを出しまくるという「うざかわいい」宇崎ちゃんを楽しむ作品です。OPの『なだめスかし Negotiation』は宇崎ちゃんの「うざかわいい」という見た目上の側面を、EDの『ココロノック』は宇崎ちゃんの隠しきれない恋心、「かわいい」内面を切り取っています。YuNiちゃん自身もインタビュー記事にてこの点は語っていますね。

 インタビュー記事にもある通り、この曲は繊細な感情がこもった「なんてね」の部分や壮大なコーラスパートが美しい作品なのですが、個人的にはラスサビ前のドアノック音からの転調が好きですね。Cメロの感情を込めた歌唱からの『ココロノック』の題名に相応しいノック音、そして転調で目の前の世界が一気に広がったように感じる、伸びやかで透明なYuNiちゃんの声…最高ですよね⁉︎

 YOASOBIの『夜に駆ける』で音楽を聴くことにハマり始めた人間なので、工夫を凝らされた転調聞くと「あ、好き」ってなっちゃいます。しかもYuNiちゃんは元々生歌をYouTubeにあげていたような人なので、転調パートでも一音一音がはっきり伝えてくるんですよね。『花は幻』でもうまいなって思ったものがさらに進化して(しかも転調の仕方もうまい)帰ってきたら、そりゃもうたまりませんね。YuNiちゃんの転調でキー上がるやつ、もっと聞きたいので是非ともYOASOBIの曲を歌っていただきたいですね。

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 少しでもYuNiちゃんに貢献したいと思ってCDも買っちゃいました。『ココロノック』もカップリングの『フィルモノローグ』も名曲なので是非みなさんも買ってください!

 しかも10月24日にはYuNi 3rd VR Live "eternal journey"もあるだって!?これは見るしかない!!


 いかがだったでしょうか。Vtuberのオリジナル曲は、そのVtuberがどういう存在なのかを簡潔に示す自己紹介であると思っています(『ココロノック』はテレビアニメ主題歌なので例外的ではありますが)。自分の知らない曲を聴くことになるのでカバー曲よりも手をつけにくいかもしれませんが、Vtuberの「推し」になる1つのきっかけとしてアリなのでは、と思っています。

 最後に最近ちょっと気に入っている月ノ美兎のメジャーデビューシングルを貼っておきますね。自分は月ノ美兎について数件の切り抜き動画でしか見たことがなかったのですが、この曲を聴いて彼女がどういう存在なのか、なんとなく察しました。こういう人を惹きつけうる曲、そして自身のキャラを存分に生かした曲こそオリジナル曲として正解なのかな、と思います。


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