なんで?どうして?「納得感」という呪いとの闘い。
先日複業で訪れた、ある企業のとある取材でのこと。
インタビューを受けてくださったAさんは一度休職を経験された方。その背景や当時の気持ちを丁寧に伺いました。今は復帰され、楽しく日々働いているとのことですが、休職に至った背景には何があったのか。
「いま思えば、僕のなかにあった『100%納得できないと動けない』という気持ちが原因のひとつだったと思います。
周りと仕事をする中で譲れない部分が多くて…。結果、コミュニケーションに疲れてしまったんです」
取材時は清々しくそう話してくれたAさんですが、そのことに気づいたのは休職中にご自身のこれまでを整理していたときのことだったと言います。当時、その答えに行きついた瞬間の気持ちはどうだったのか。
ふがいなさ、後悔…あるいは、むしろ何か重い鎖から解放されたような気持ちだったのか。
Aさんではない僕には想像しえませんが、取材時に僕の目の前にいたAさんの姿・言葉に触れていると、その転機と前後の自分自身に対していま納得感を持って生き、働いているのだなということはたしかに伝わってきました。
多くの納得コストを払うことによる代償
休職、うつ、心病。一見すると、自分からは遠い存在だと思っていましたが、Aさんの話を伺っていて急に身近なことに思えてきました。
『納得しないと動けない』
こういう節が自分にもどこかあるな、と感じたんです。その度合いは個別差があれど、多くの方が自分の納得感と闘いながら働いているようにも思います。
「何事も100%納得しないと動けない」
「20%納得できれば、あとはやってみる」
「Aという領域においては納得感など気にしないが、
Bという話になればまた別だ」
「他人のことはどうでもよいが、
自分のことは納得いくまで考えたい」
納得感の置きどころとその度合いは様々ですが、納得コストを払うのであれば一方で受け入れなければならないことがあるということは、Aさんの体験から学ぶことができます。
というのも、僕らは一日のなかであらゆるコストを払って生きています。
仕事において作業をするコスト。着ていく服や昼食のメニューを選ぶコスト。自分以外の誰かと関わる際に気遣うコスト。寝ている間に充電したパワーの中から、こうしたコストを払いながら過ごすというのは人類共通のルール。
個別差が出るとすれば、どんなことに、どれくらいのコストを払っているのかというところ。
様々なことに納得コストをかけるのであれば、例えばその分、作業や周囲への気遣いに払えるコストは残ったパワーの中からやりくりしなければならなくなります。
限られたパワー、ひとつの身体、一回限りの人生。僕だったら、どのように使い切るだろうか。どのような使い方が、もっとも納得できるだろうか。
不要な納得感から自分を守る3つの心がけ
Aさんの体験に触れて考えた「コストの払い方」。
目の前のことに納得コストを払っている時間が多いときは、やっぱり周りへの気遣いが足らなかったり仕事のスピード・質が落ちてしまったりしてしまう。
それが、なりたかった自分なのか。それが、かっこいいのか。
とはいえ、形のない「納得感」にとらわれそうになることがあるので、そんなときにはいくつかの心がけを持つようになりました。
①仮説を立てる。
→納得がいく答えがなかなかでないときには、ベストを求めていることが多い。そのベストに行きつくのは、一時間後か。一か月後か。一年後か。
「ベスト」が降りてくる前に、現時点での「ベター」を基に仮説を立て行動してみる。
②保留フォルダに入れる。
→白か、黒か。やるか、やらないか。納得感にとらわれがちなときの多くは、いまある少ない選択肢のなかでもがいている。
すこし考えても難しいことは、いい意味で諦めて、「保留」というフォルダに入れて忘れてしまうというのはどうでしょう。ここでいう「忘れる」は捨ててしまうというのではなく、一時的に箱のなかに入れておくというイメージ。
次の日からの新しい学び、体験、偶然のなかで、突破の糸口が見えてくることも少なくありません。
③思い切って公表する。
→もう、思い切って「僕は納得がいかないんだ」と伝えてしまうのも手段。人が集まる会議の場で伝える。信頼できる誰か数人に伝える。など
どんな方法であれ、自分じゃない誰かに伝えると、その過程とその反応からまた新たに得られるものがありますよね。それを受けて、また何かが変わる。
不要な納得コストをカットできれば、それまで縛られていると感じていたいろんなものから放たれて、いま感じている働きづらさ・生きづらさから少し自由になれるかもしれない。案外、それらの「◯◯づらさ」は自分が作り出しているものだったりして。
最後に
最後の最後。
不要な納得感を振り払ってもなお、最後に納得感を捨てきれないこと。
もしかしたら、それこそが本当にその人が考えるべきテーマであり、情熱の在りかなのかもしれない。
それが、いま僕が考えている仮説です。
そこにあるのは今こだわっていることのなかの何かかもしれないし、そのなかには無い新しい何かかもしれない…。
そう考えると、僕はまだまだ邪念だらけ…。もっとピュアに、たのしく生きたい~!
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