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京都の下町から神戸の小さな海町へ④

ここがいい!

この場所なんか好き!

ここにする!



他の物件は一切見ることなくこの場所への想いを高め続け、

いざ契約。。。とは簡単に言ったものの、

物件購入自体人生お初な訳でして、初めて見る書類、初めて見る言葉、初めてやる手続きだらけ。

分からないことはとにかく役所や相談所などに色々な所に聞きまくり、ネットで調べまくり、いざ契約の日。

その日は雨がめっちゃ降っててなんか異常に疲れた覚えがある。

色々あって不動産屋さんにキレそうになりながらも、なんとか契約完了。

(普段は短気ではないのよ・・・)

と思ってたらサイン漏れか何かがあって後日再び本当に契約完了。

その日から庭の整備。

そしてその日のうちに旦那と喧嘩し、たまたま居合わせてた友人に気不味い思いをさせてしまう。まじごめんなさい。


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恐ろしくジャングルみたいな庭。

これはこれで好きだったのだけど、こう言う茂みに蜂が巣を作ったり、害虫の被害にも遭いやすいのでちゃんと手入れしてあげたほうが良いみたい。


現在の庭・・・

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かなりスッキリしました。

下に椿ちゃんが落ちてますね。

お手入れしなきゃ・・・。



と、同時に助成金や公庫への申請諸々。

またまた苦手な書類作業。

介護のバイトはコロナの影響でさらに忙しく、

そして地獄の改装。


とにかく心も体も忙しない日々が始まったのでした。

それが去年の4月ごろ。



平屋だしいけるっしょ。と、かなり余裕へこへこに挑んだ初めての改装はコロナの緊急事態宣言と同時にスタートしたので、友人を集めてワイワイやるとかそう言うことはできなくて

そしてこっちにまだ知り合いが少なくて助けを求める人もいない。

こういう時に思った。

人を頼るってとても難しい。

ほぼほぼ旦那さんがネットで調べ、二人で壁を壊し、天井を落とし、壁紙を剥がし、補修し、ペンキを塗る。

少々口は悪いが(いや、めっちゃかもしらん)、スーパー器用で、ここのこの部分はええ感じやし残しておきたいねとか言う感覚が似てる人でよかった。。。

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とりあえず破壊した壁や天井を砕いて土囊袋の中へ。

奥の謎のかたまりは壁の芯になってた木やら。

置くところに置けば現代アートのようだなと感じたけれど、現代アートってなんやねんなと思う。


現在・・・

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こうやって見ると壁紙を剥がした後のむき出し感もよかったな。

でもそれではいつ崩れるかわからないくらいの壁だったので

補強→下地→ペンキで白い壁に。


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元の壁。

中途半端に継ぎ足しで改装されているところが多かったこのお家。

最初の壁紙ラブリーだった。(おばあちゃんの家にありがち)



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手前は板を貼ってペンキonした訳です。




私はぶきっちょなので庭担当。

泣きながら毛虫との戦いの日々でした。




助けを求める人がいない、、、難しい、、、と言ったものの、塩屋の人たち出会う人出会う人がスーパースーパーいい人たちで、皆さん色々なアドバイスや情報をくださるのですよ・・・涙

その中でも、塩屋のyamneのご近所に、塩屋では有名なDIYご夫婦がおりまして、自分たちで野菜を作ったり家を作ったりしているなにせ面白い方達で、もう、そこを頼らせてくだせい!ってことで、泣きつくように、あれやこれやと色々なことを教えてもらったり、手伝ってもらったり、業者さんを紹介してもらいました。

庭は同世代くらいの塩屋に住んでいる庭師の女の子に1日がっつり協力してもらい、真夏の暑い中、初めての木の剪定。

剪定のセンスありますよと言われて嬉しくなって頑張った。単純。

腐ってる木もあるからと、後日DIY夫婦の奥さんが自前のチェーンソーを持って木を切りに来てくれました。

塩屋に来たばかりであんな坂の上で店やるんですとか言い出す謎すぎる夫婦に快く沢山お手伝いくださった皆様には本当に感謝でしかない。。。



あの真夏の暑い中、アイスが食べたくて坂道を何度も往復し、(アイスを買って食べながら坂を登りきった頃にはもうアイス食べたくなっている)

坂を登ってひたすら土や木を運び、おかげでめっちゃダイエットなりました。笑


内装に関しては、自分たちでできるところの限界まできたところで、もうお手上げ。

と言うのも、この家めちゃくちゃゆがんでるんですよね・・・。

床のフローリングを貼ろうにも、斜めになりすぎて基礎をどうしたらいいのかわからない。

そもそもこの家ってどこまで修繕したらいいん?

なぜかここだけ水が染みてるんですけど一体なんなの?

この電気配線ってどうなの?


もう、わからないし怖いし状態が一ヶ月ほど続き、作業は一旦ストップしてしまった。

そこでDIYご夫婦にご紹介してもらったのが須磨にあるこちらの建築設計事務所。

小畦雅史建築設計事務所 http://koaze-archi.com

現場を一度見に来てもらい、こんなことをしたい、こんな風にしたい、自分たちでやれること、業者にやってもらったほうが良いことなどなどを一度一緒に整理してもらいました。

そこで最低限、業者を入れてやってしまった方が効率的に良い工事の手配、あとは車がない我々にとっての難関であった資材の手配諸々をお願いしました。


<自分たちでやったこと>

・いらない壁や天井の取り壊し

・壁の新設(間取りの変更)

・壁の補強

・壁の塗装

・フローリング貼り

・庭の整備


<やってもらったこと>

・フローリング材の手配

・自分たちでフローリング張りをするための下地工事

・キッチン取り替え工事

・水漏れ修繕工事

・トイレ、手洗い場入れ替え工事

・玄関ドア入れ替え工事

・電気工事

・廃棄物処理


あとは、小畦さんが丁寧に相談に乗ってくださったり、色々とアドバイスをくださった感じです。

設計事務所ってもっとピリッとしてイキってるイメージでしたが(ものすごい偏見)めちゃくちゃ物腰柔らかい方で、しかも手配諸々も早くてスマートで感動しました。



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暗くて怖かったトイレ。

トイレを新品に入れ替えて、床はフローリングに。

女性のお客様が多い場所なので清潔感のある明るい感じにしたかったのでネットで見つけたタイル屋さんで貼るだけで良いタイルを購入。

適当に貼ったけど簡単でした。



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すっかり使用感ある感じになりましたが、業務用の小さめキッチンへ入れ替え。

換気扇のボロさがやばかったのでそれも新品に入れ替えました。

新しいyamneでは一日喫茶イベントなんかもやりたかったので、余裕を持ってできる嬉しみ。

キッチンに窓がある物件大好き過ぎるので住めるな〜と思う。

ちなみにお風呂も完備されてます。

全国から作家さんが来られるので、お泊まりしてもらえたらいいな〜という思いもあり、基本的に寝泊まりするには充分な感じ。

お店をもう辞める時には住みたいなって思うし、ここで一人暮らしをする妄想をいつもしている。笑




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こちらの面は土壁がもろもろすぎだったので補強+板張りをして直接釘やネジを使えるように。

快適に棚を取り付けられるし、絵画も直接飾れるのが良いです。

旦那さんが一人で全てをこなした壁・・・

ほんとありがとう・・・



こんな感じでなんとかオープンできるかな・・・

みたいなところまで持っていくことができました。

まだまだ外壁をどうにかせねばという感じではありますが。

暖かくなってきたので少しづつまた直しながら騙し騙しやっていくしかないんだな。

物件自体は本当は海が見えたほうがよかったし、坂道大変過ぎるしな〜とか色々思う部分はありますが、言い出したらキリがないのと、純粋にこの物件の光の入り方や平屋の可愛い感じに一目惚れした部分が大きいのでかなり満足しています。

作品たちがたっぷり光合成をして栄養を蓄えているように見えて、嬉しくなります。

あとは静かなところもとても気に入ってます。

前の京都は大きな通り沿だったので車の走る音や街中の雑音が多くて、窓を開けるとお客様との会話が聞こえにくかったのですが、ここは、なんや、鳥の囀りと植物が風に揺られる音しかしない感じ。


あ、あとコンビニなどの誘惑が近所にはなくて、ちょっと休憩にお菓子欲しいとか思っても、坂道絶対降りなきゃいけない=また登らなくちゃいけないので時間決めてやることやれるからめちゃ仕事も捗る。


ズボラな私には気持ちの良い感じのお城となりました。


あとで知った話ですが、この物件を気になって見ていた人は他にも何人かいたそうです。

ただ改装が大変過ぎるな。。。ということで皆さん諦めたとのこと。


・・・


無知って怖いですね。


塩屋の住民でも足を踏み入れることはあまりないエリアということも後から知りました。

更に中々の改装エキサイト物件だったこと、知ってたらこの物件に手を出さなかったかもしれないです。

でも、何も知らなかったから出会えたわけです。

様々な偶然や想いが重なり、交わり、あの時の私はここが良いと言った。

これはもう、本当にタイミング。

そして一日でも長くここが私の居場所になれるように、日々を重ねるだけなのだと思います。

私は物をダメになるまで、擦り切れるまで使いたい人なんです。

このお家の残りわずかかもしれない寿命を大切に添い遂げたいと思います。



長々と書きましたが、これが私の、この場所でお店を始めた理由です。



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