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手作業が評価される理由

(サムネイル画像引用:トーマスジャクソンさんポートフォリオサイト

どうも、多摩美の統合デザイン学科のやまかずと言います。

新たな発見をしたのでここに書きます。


手作業が評価される現実

これは、米フィラデルフィア出身のアーティストのトーマス・ジャクソンさんの作品です。彼はこういう空中にたくさんモチーフが浮いているアートをたくさん制作されているんですが、当初は画像処理でこう行ったアートを作られていたらしいんです。しかしそれだと、タネを明かせば見た人の熱は冷めてしまうと彼はいいます。これは実体験らしいです。

なので、彼は全て現地に赴き、テグス(?)のようなもので全てのモチーフを固定して撮影されています。恐ろしい努力量で、作品の重さが伝わる。他の方はどうでしょうか?

(情報源:wired


僕もこれと同じような体験をしています。

武蔵野美術大学 基礎デザイン学科の卒展に行った時に、面白い形のハンガーが展示されてました。「humanium」という作品です。

(引用:基礎デザイン学科卒業制作展特設サイト

あと、面白い形の積み木が展示されていました。「線のつみき」という作品です。

(引用:基礎デザイン学科卒業制作展特設サイト

これらの作品のプレゼンテーションを僕は友人と最前列で見ていたのですが、「humanium」は、「木材を手で削って作りました。」と製作者の方は言った後、僕は友人と「すごいなぁ」と語り合いました。自分は最初3Dプリンターで作られたと思っていたけれど、手作業と知った瞬間、作品への評価は高くなりました。

そして、次に「線のつみき」のプレゼンがありました。多摩美術大学上野毛キャンパスにはレーザー加工機があり、データを作れば簡単に木の板を面白い形にカットできます。プレゼンの時、作品をよく見ると明らかにレーザー加工だと気づきました。「レーザー加工か..」って話を友人がしていて、「あぁやっぱりそう思うんだ..。だよね。簡単だよね。」と僕は言いました。あんまり評価は出来なかったんです。

これは作品を否定している訳じゃないです。ただの友人と僕に起こった評価の変化です。線の積み木が僕は見た目好きですし、コンセプトがしっかりしていて、面白かった。

ただこういうことが起こってしまう事実があるんです。「humanium」は努力量を知った瞬間に、作品の重さが伝わった。だからこそ手作業は重要じゃないかと思います。



ものさしを持っているかどうか

他に気づいたこともありました。それは「人間は努力量を自分のものさしで見ているだけだ」ということもです。

さっきの例だと、レーザー加工は自分はやったことがあり、簡単なので、評価は低くつけてしまった。知らない人からすると評価は下がらないでしょう。ただ、手作業は誰でもやったことがあり、誰でも評価できるんです。だから努力量を感じ取ることが出来る。

プログラミングをやっていない人だとプログラミングの実際の評価は出来ませんよね。難しそうな見た目をしているだけで、難しそうだと思ってしまう。自分はアラビア語を見たときや、複雑な文章と同じように見えてたので、最初はそういうのを理解できるってすごいなぁと思ってました。でもやってみたら簡単です。(初級は) ある程度出来るようになれば、その努力量を知れるので、簡単なものは評価が下がります。逆に高度なものは評価は維持されたままです。むしろ上がるものだってあると思います。


サムネイルのこの画像が、画像処理で出来ていると言われたらゲンナリする人がいるという現実があります。これが手作業でやったとなると、手作業という誰でも想像できるものさしでこの作品が観れるので評価されるんです。だからこそ手作業にしたほうが良かった。

(引用:トーマスジャクソンさんポートフォリオサイト


まとめ

手作業は、ほぼ全員の人が評価出来る能力だから、努力したなら見せるべき。作品のレベルを上げるためにも手作業は使える。
努力はバンバン出して、何もしてないのは隠して凄く見せよう。


ただ、哲学的に考えると、ある一定の人に手作業を評価するっていう価値観が付いているだけで、簡単にやっても結果よければ良いよって価値観を持ってる人も中に入ると思います。冷静に見れば、後者の方が効率的で良いですよね。



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