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Celeste山を登った

どうも、異常性癖です。
『Celeste』というゲームをクリアしました。
キャラクターの人間人外を問わず久々にまともなアクションゲームをクリアした気がするので思ったことを書き並べていきましょう。

Celesteとは

高難易度2Dジャンプアクション登山。2018年発売だし知名度もあるし今更説明する必要ないでしょ。手ごろな価格で両手壊したい人はすぐ買おうね。https://store.steampowered.com/app/504230/Celeste/
自分はちょっと前にアルコール入れながらGDQ見ててDDR筐体でプレイするのを見てはえ~つって知った。アルコール入ってたんで凄いという感想しか残らず、各ステージについては全く覚えてなかった。でもってsteamの2021旧正月セールでワンコインになったからポチった。

遊んだ環境

PC:2Dアクションなんで3年前に組んだボロPCでも問題なし
入力:箱1コン(振動オフ)
 どうしてもキャラクターの移動は左手にしたい人間なのでキーマウのマウス抜きを5秒で諦めてXboxコントローラーに切り替えた。結果、正解寄りではあったものの満点ではなかった。箱コンの十字入力は慣れていたけれど入力量が尋常じゃないんで多分十字とLステの位置が逆のPSコンが合ってたんだろうと思う。まあ持ってないからしゃーない。ということで親指を殺しながら箱コンで続行。振動は集中したかったんでオフ。
オプション:ウィンドウx4、画面振動オフ
 個人的に、画面が広ければ自キャラの操作精度が上がるけれども視界の情報量が少なくなって高速移動に耐えられなくなることがあるのでフルスクではなく若干小さめに。あと画面振動は躍動感あって好きだけど普通に要らんのでオフ。集中すればするほど酔いそうになった。

雰囲気:キャラクター

まず、自キャラである主人公のマデリンちゃんについて。『人間の女の子』なので自分の癖との相性についてはノーコメントで。ただ、和モノの激萌えanimeキャラクターと自分がめちゃくちゃに相性悪いから、マデリンくらいの媚び少なめ女の子は大分しっくりきた。おい某人気ゲームのファイターパス聞いてるか?????
鼻が△で表現されてるのがちょっと人外ぽさがあって助かったかもしれない。ついでに言うと操作画面上ではのっぺらぼうで表情も見えないし、顔面に飽きて積むことも無かったのでOK。

公式twitterより。今更眉太いなって思った。

このマデリン、ただひたすら登頂を目指すゴリゴリの登山家というわけでもなく、どちらかと言えば一般人、むしろ内面にマズい物を抱えている。しかもそれがシナリオ上大きく影響してくる。
目的も無く登り続ける修行僧限定プラットフォーマーゲームじゃないのが一般人ウケする人気の秘訣かも。知らんけど。

その他の登場人物も一癖あるけど極端に悪いヤツはいないので、まあゲーム中イライラするけど最後には気持ち良く終われて安心した。途中暗い気持ちになるけど、登るのは山だけやなかったんやな~という気持ちになってスッキリ。脳死登山ゲームかと思い込んでた自分は不意打ち食らった。後味はスッキリするけど、意外としんみりする。

雰囲気:ビジュアル

全体的に好き。
まず起動してしょっぱな、タイトル画面表示する段階で内容は2Dアクションのはずなのに突然3Dモデルの背景をぶつけられてビビるし、そのローポリ加減が絶妙。チャプター選択の画面でセレステ山を永遠に眺めていたくなる。一番好きなシーンかもしれん。チャプタークリアして一番嬉しいのは山眺められるところ。

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さて肝心の2Dアクション部分の描写、これもまた良い。一応ドットとして描写されてるけどいわゆる似非ドットってやつ。ぬるぬる動くから若干気持ち悪い。マデリンの髪がなびいたりするところとか。でも全体的に見ればやっぱり均等なドットで表示されてるとなんとなく安心するというか、「開発側のやってることがどれほどエグくてもまあドット絵2Dアクションだししょうがないか・・・」という気持ちになる。あとはさっき書いたようにマデリンの表情が無いことにも繋がる。仮にマデリンの顔面がめちゃくちゃ精細に描かれてたら、死ぬたびに疲れた顔とか痛そうな傷跡とか見ることになる(ならない)しそれを数千回も見せつけられたら誰だって投げるんじゃないかね。のっぺらぼう万歳よ。
ステージ背景はキレイ。色使いにも制限無いから鮮やか。ドット絵警察に捕まりそうだけどビジュアル面は少人数開発のインディーってこと考えるとハイレベルかと。

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良い。

道中、グロではないが結構禍々しい空間が心を抉ってくるけど、これUnreal Engine 4 とかで作られてたら流石に泣いちゃうからね。

あとは似非ドットならではの演出で、特定場面でポストエフェクトをバッキバキにかけられることがある。この時代だし良いと思う。でも見難過ぎてしんどかった。オフにする設定あったんかな。

雰囲気:デザイン

山らしい山を登っていくシーンはさほど多くなく、廃れた町やきったないホテル、やべー遺跡なんかを登っていく。各チャプターでガラッと雰囲気が変わる。自キャラを殺すためのデザインも変わる。ホテルでは得体の知れない目のついたホコリ(?)に殺され、遺跡では壁面にびっしり生えた蠢く触手に触れて死ぬ。当然プレイ中は即死トラップとしか認識していないのだが、ふと振り返るとチャプター毎のデザインは大分固めてあって感心した。プラットフォーマーなんて即死トラップは全部トゲでもいいくらいなのに、それとなく雰囲気を合わせてあるのがいいね。

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ホコリと触手。

一つ気になったのは、多分攻略上必須回収アイテムのクリスタルハートの集め方。多分自分が知らんだけで山ほどレトロゲームのオマージュとかちりばめられてると思うんだけど、突然世界観ぶち破ってSuper Mario Bros. 3 の白い足場配置するのはどうなんやろか。Easter egg 配置するのは自由だけど本編上で露骨な奴ってアリなんかな。インディーゲーだからセーフか。

雰囲気:サウンド

似非ドットゲームらしく、音使いには全く縛りは無し。それはそれでよかった。B面の曲も良かった。A面から雰囲気一転してやる気が出る。
冒頭にも書いたけどやっぱりチャプター選択中のシーンが好きすぎ。

SEについて言うと、ダッシュのちょっとザラついたサウンドは飽きずに聞けるし、ステージギミック関連の音は普通にハイファイな音だったし。プレイ中は集中していられた。マデリンのクシャミもかわいくて良い。(健常者アピール)
イベント時のキャラクターの話し声で感情毎に抑揚の付いた音当てられてるのも良かった。あと、特定シーンでちゃんと音声にエフェクト付いてたり、そういうところも今風のアレンジがされててよかった。
ダメだねってなったのはオオシロの攻撃SEかな。ヴヴ、ウヴォオオオエみたいなやつ。流石に不快な低音が悪目立ちしてないか。ちゃんとオオシロの位置でPAN振られるのは良いんだけどかなりの回数聞かされるんで耳痛なるからね。全体的にシネマティックな音使いならまだしも、やっぱ相対的に目立ってると「あらまあ」となっちゃう。

BGMは好きだった。縛り無しでチップサウンドをメインリードで使ったりする似非レトロゲームのBGMは大好きなので。あと、ベースが強いところも。陰鬱な雰囲気も沢山あったから籠り気味のミックスもマッチしてた気がする。
ただ、音圧戦争真っ盛りな感じというか、普通に音割ってでも音圧上げようとしてるのが感じられて、「音楽としては(個人的に)アリ、でもBGMとしてはどうなんやろか」という感じはした。場合によってはどんなステージギミックのSEよりも低音がバッキバキに強いんで、本当にそのミックスで大丈夫?という心配はあった。局所的ならともかく曲中ほぼ常時低音メインみたいなのもあったし。
とはいえ、太い音は正義なのでこっちが引き下がるのが道理である。

素人が語り過ぎるのも良くないんでこの辺りにしておくけど、SEよりBGMの低音キツいのが意図したもんなら安心して死ねる。さようなら。

操作感

良い。キビキビ動いてる感じが好き。ダッシュ後とかは思ったより慣性が働かないんで慣れるまでは時間かかった。
あと、死にゲーですぐ復活できるのは手が冷えなくてありがたい。欲を言えば暗転する演出すら要らなかったかもしれないし、ワンプッシュでリトライできるボタンがあればよかった。でも死亡確定から再出発まで手を休ませてくれてたんだろう。お心遣い感謝。

難易度

エグかった。手の疲労感が尋常じゃない。箱コンを選んだことも重なってしまった。先述した十字キーが下側に配置されているのと、しっくりくる掴みのボタンがトリガーに割り当てられていること。結局RT使って掴んでいたが、RBを使おうにも若干位置が高いのと手の大きさが足りず結局ダメ。掴みメインのチャプターでトリガー引き続けるのは本当に拷問よ。
実際はコントローラー無関係に自分のプレイスキルがガバすぎて、全ステージ埋める段階になっても気を抜くとジャンプボタンとダッシュボタン押し間違えて無駄にマデリンをちくちくしていた。
続きをプレイしたいという欲に負けると手の疲労感引きずってガバが増えるから余計にプレイ時間増えるし、休憩の大切さが身に沁みる。
後々インターネット泳いだら本作にはコヨーテタイムなるものがあることを知った。『本当は足場から完全に離れているのに、若干ジャンプの猶予時間がある』というお情けシステムが備わっているらしい。知らんうちにコヨーテに救われたシーンがあったかもしれない。それでも全ステージクリアまで7302回死んだ。

レベル構成でエグいと思った所は山ほどある。最終チャプターのチャプター9なんかは全体通してエグさの煮凝りみたいな感じで、ポップな見た目と裏腹に永遠に殺され続けた。ただ、そういったのと違うところで言うと『正しいムーブを把握するまでの試行錯誤』が特にエグかった。正しいルートが分からないとか順番が分からないとかは試行回数そこまでかからずに気づけるからマシ。チュートリアルでちゃんとコマンド指示されるハイパーとウェーブダッシュは助かったし楽しかった。
んで試行錯誤のところで言うと、チャプター9の鍵回収パートのバネ付き浮上ブロック×2のところでパラシュートクラゲ使った掴み→投げ→ダッシュ→掴みの流れ、ノーヒントで気付くのしんどくない?いやそれ以外に浮上する方法無いからちゃんと気付いたけど…正しく浮上するためのタイミングもシビアだし本当にこれを使って正しく攻略できるのか?っていうところで疑心暗鬼に陥ってまた無限に死ぬしめちゃくちゃになった。指もめちゃくちゃになった。
最後まで繰り返し死んで正しい手順が見えてきた瞬間は死ぬほど気持ちいいし一気に燃える。この高揚感は久々だった。

攻略順序

間違えた。
どうやらアップデートの順序からして、チャプター1~8をクリア→同チャプターのB面クリア→C面もクリア→チャプター9 って流れが正しかったらしい。9→C面 ってやってしまったので土下座してる。でもC面のラストはちゃんと苦しんだし結果オーライか。

そのほか

twitterの繋がりを見てるとRTA走り始めてる人もいるしやっぱり山は人を魅了するんだなあという気持ち。自分は同じ登山ジャンルのGetting Over It with Bennett Foddy に心奪われて初周4時間から4分台まで縮めた(自慢)くらい妙なゲームに惹かれる人間なので、大衆受けする本作を走るかどうかは大分怪しい。でも全ステージを超えてしまった後の喪失感がデカくて困惑している。チャプター選択画面で風の音とBGMに浸りながら途方に暮れてしばらく経つ。
根っからのクリアラー精神を周回に昇華してくれるかどうかはまだ分からないけど、これを書き終えた後、人生の意味を考えてみてしんどくなったらPS配置のコントローラーをポチろうかと思う。

バデリン

突然のキャラ紹介、最後にもってきたのはわりと好きだから。
コイツは主人公マデリンの内面に居るマデリンの悪い部分。Celeste山の不思議な力の影響で、マデリンの内側に居るコイツが表面化、実体化する。悪い部分なのでその通り本編で悪さして、登山中のマデリンを殺す気で妨害しながらシナリオを動かしてくる。当然最初の印象はクッソヘイト高くて信じられん憤ってしまった。なんだが、一人称がオレだったり目赤いし目つきめっちゃ悪そうだったり…よく考えたら、これは”いいね”なのでは?となった。あとテキストボックスの枠からはみ出て主張してくるとこも勢い良くて、いいね。

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いいね。

なんだかんだあって、最終のチャプター9になるともうめっちゃ良いヤツになってしまう。マデリンが内面の悪い自分に打ち勝ってその後仲良くなるのはありがちご都合シナリオかもしれないけど、『夢中』で登っていたマデリンとバデリン、これからも仲良くやってくれ~という気持ちになった。

バデリンには作中苦しめられてた時間の方が圧倒的に長いはず、それでもシナリオに惹かれてアフターストーリーを想ってしまうのはなんでやろか。

Celeste、良ゲーでした。


いつでもお待ちしております