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【地域貢献すれば会社は存続するのか?】

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企業の「地域貢献」は儲けや存続につながるのか?その結末を語ります。
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【地域密着】の定義ってなんだろう?

👤「ウチは地域密着の店だよ〜!」 👤「地元密着企業ですから当然です!」 👤「我が社の社是は『地域貢献』です! 私が潰したスーパーなんか、家庭の生ゴミを堆肥にして土に還していたから『地域土着スーパー』と名乗っていた。ちなみに注意されたこともないw。 今さらながら、何をもって「地域密着・地元密着」企業と名乗ることができるのか…?この「地域密着」という称号、あまりに安っぽく使われ過ぎていないか? ・本社がこの街にあれば地域密着企業? ・そこから従業員を雇用してればいい?

【本当にちょっとした思いやり】

高幡不動駅中にある和菓子屋さんに立ち寄って会計を済ませると、そこにこんなボードが飾ってあった。 お客さんが50円余分に支払うと、手作り感満載の「未来チケット」をくれてそれをポードに貼る。 そこにチケットがあるだけ、近所の子供達が一人に一つずつ「お団子orまんじゅう」が貰えるシステム。 ・未来を担う地域の子供たちにおやつをあげたい! ・生活困窮家庭の子どもとか関係なし、親でもいい! 聞いたらそのチケットが無い時は店で勝手に貼ってあげていると(^^; ご当地の老舗店はそ

【官民一体のまちづくり?】

私が最近始めた「365日なんでも相談に乗りますよ!」でのお話…。 👤頑張って田舎で地域おこしをする男性。 移住〜古民家再生(リノベ)〜そこを拠点に様々な住民との活動(農業・酪農・教育)を通じて、全世代の交流と地域の魅力を発信していく。 ①素晴らしい事業だ!民間発のまちおこし ②理念はいいけど成り立つの?収支は合うのかな? パッと見のイメージはこんな感じで分かれるだろう。 ✅行政は「ディレクター」民間は「プレーヤー」 行政側からしてみると、計画立案は得意でも、実現が

【企業と自治体の災害協定】

3.11以降、全国で企業と自治体の「災害時協定」が結ばれている。会社の社長と首長が協定書を携え、笑顔で一枚の写真に収まる姿、皆さんもよくご覧になる光景だろう。 インフラに関わる大企業との協定や、生命を守るための協定ならどんどんやって欲しい。やはり有事の際には、大企業の底力を発揮して欲しいと願う🙏🏻 かく言う私も、スーパーを経営していた頃、同じ様に各地域の首長さんと協定を結び、記者会見をしたものだ。 🌀へそ曲がりの私は、どうもこの光景が好きになれず「どんな会社でも、災害が

【祝!ヴァンフォーレ甲府 天皇杯優勝 (^^)/】

「スーパーやまと」はもう無いが、タイムリーな話題ということでご紹介! 長年スポンサーでもあった地元サッカーチーム「ヴァンフォーレ甲府」の天皇杯優勝は感慨深いものがある。 「昔ばなし」だと知りつつここに上げさせていただくm(__)m なんとかチームを応援したい…。そこで考えたのが『ヴァンフォーレ甲府応援丼』だった。資金力もノウハウも大手には及ばない田舎のスーパーが、大手企業に挑むには知恵を絞るしかない。 やまとは「サッカーのまち韮崎」が発祥で、私を含め、中田英寿を輩出した韮

【潰れた店を引き継ぐということ】

今はなきスーパーやまとは「破綻スーパーの再生」を軸に業績を伸ばしていった。全16店舗中12店舗が、なんらかの理由で閉店の憂き目に遭った店である。多くは近隣に大手スーパーが出店したことによる経営不振での倒産。そこには行き場を失くした店舗・従業員・顧客・取引先がいる。 「正義の味方気取り」でその店に飛び込んでも、従業員からはほぼ歓迎されない。潰れたとはいえ歴史やプライドもあり、従業員もパートさんを含め思い入れのある場所、お客さんにも様々な思い出がある。そこに土足で踏み込む訳には

【家庭の生ゴミ仕入れます!】

私が現役時代に実施したことで、おそらく一番全国的に認知されたのは「家庭生ゴミ」を店舗で回収し、堆肥化の後、野菜を収穫して店舗で売る、という循環型システムを作ったことかもしれない。 ワイドショーで紹介されたり、全国のニュースでも取り上げられて「担当」の私は、取材の対応だけで3ヶ月くらい無休となった(笑) 総務省で表彰されたり報道の影響で、数えきれないほど自治体や企業、学校、議員さん達が見学に訪れ、実際に導入していった。 見学のたび人手不足の弊社の説明係は私が務め、社長に見

【レジ袋を有料化します!嫌です!】

今ではレジ袋有料化が根付いているが、それより15年近く前の2008年に山梨県全県でそれをやろうという動きが起こった。行政主導だったが、そもそもこれまで無料で配っていたものを、お客さんに買わせることで圧をかけて枚数を減らそう!などと言う見下し目線の施策など、絶対に反対だった。 それなのに… 県の担当者がやって来て「何とか環境問題に理解ある社長が先頭を切ってやってもらえませんか🙏🏻」ときた。県内で一番若いスーパーの社長を人柱にして強行実施しようとするのも気に入らない。 私の承

【早過ぎたSDGs】

先代からの大赤字を回復してから、私は「スーパーやまと」を救ってくれた地域への恩返しのつもりで、様々な取り組みを始めていった。 ルールは「本業以外で儲けない!」と決めた。 今更ながら振り返ってみると、その一つ一つは当時にしては「早過ぎたSDGs」と言わざるを得ない (笑)。当時はそんな言葉は聞かなかったし、 環境や弱者対策など当たり前のことだと思っていたからだ。 せっかちな性格の私は、「有言実行」ならぬ「実行有言」タイプで、いつも動き出してから考える。県内で一番若い社長の私

【ホームレス正社員】

テレビで地元のニュースを観ていたら、いわゆる「ホームレス」の人たちが農場で作業している風景が目に止まった。NPOの農場で働くことの対価で、弁当や飲み物が貰えるとのこと。顔にはモザイクがかけられていた。 一人のおじさんが言う 「生活保護に頼りたくない!職を見つけて社会復帰したい」 この人だけ顔にモザイクがかかってなかった。こんな時、なぜか自分のスイッチが入る、「ROCK!じゃないか、自分の顔を晒して仕事を探してる。本気なんだ」困っている人がいたら手を差し伸べなさい!と学校で

【レジ袋有料化で得た莫大な利益】

私がスーパーを経営していた山梨県では、2008年から全国に先駆けて「レジ袋有料化」を全県で実施していた。 環境への配慮というスローガンに納得がいかず、そもそもお客様から代金(ペナルティ)を取ることによって、マイバッグの持参率を上げようとする試みに賛同できなかったが、県からの強い要請で、嫌がる他のスーパーをまとめて有料化の先鞭をつけた。 環境への貢献はさておき、それまで経費で支出していたレジ袋をお客様に買って頂くことによる企業の利益は莫大なものだった。 当時一枚2円で仕入

【生活根拠者への食料支援〜きずなBOX】

様々な理由で生活が困窮し、日々の食べ物にも事欠く、育ち盛りの子どもがいればなおさらのこと。各地でこの様な困窮家庭を支援する活動が拡がっている。 スーパーやまとでは全店で、支援団体「フードバンク山梨」と協力して、写真の「きずなBOX」を設置した。これは買い物をしたお客さんが会計を済ませた後、支援の品物を入れてもらう取り組みである。 ただ商品を入れてもらうだけでは私の気が済まないので、そのお客さんには別途倍額のポイントをつけてお礼の代わりした。 「支援する人→仲介店舗→困窮家

【乳ガン撲滅!ピンクリボン自販機】

「頼まれたら断らない!」それが「いの一番」ならなおのこと。私は人が良い(お人好し笑)なので、家庭の生ゴミを集めたり、レジ袋有料化を実質無料にしたり、ホームレス(失礼)の方を正社員にしたり、潰れた店を再生したりと、業界の諸先輩経営者にしてみれば、いちいち気に入らない「若造社長(小僧)」だった。 望むところだ! スーパーのお客さんはなんと言っても女性がメイン、そんなお客さんから「乳ガン撲滅のために協力して欲しい🙏🏻」とのご依頼があった。 シンボルのピンクリボンをデザインした自

【空ペットボトルで小遣い稼ぎ?】

よくスーパーやコンビニの店先に空ペットボトルの回収箱が置いてある。「環境のためにご協力を!」お客さんは「環境のために」そこへ当たり前のように投げ入れていく。30年以上「中の人」だった私は、今さらながら疑問を呈したい(ひねくれ者)。 「キャップは外して中身は捨てろ、できればフィルムも取って、洗ってから潰して出して下さい!」 おいおい、その空ペットボトル、リサイクル業者に売るんだろ? 本来その所有権はお客さんにあるはず、それを売るばっかりにして捨てさせるなんて、どれだけ見下し