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山で出会う神と仏と。

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山に登るお坊さん、僧職系登山男子が山で出会う素敵な神さま・仏さまを紹介していきます。山好きなお坊さんから見た神さま・仏さまが息づく山々の風景を皆さんと共有していきます。難しい用語… もっと読む
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山と仏と御嶽山登拝 ~御嶽最後の強力(ごうりき)と若いYouTuberを繋ぐ物語~

山と仏と御嶽山登拝 ~御嶽最後の強力(ごうりき)と若いYouTuberを繋ぐ物語~

2022年7月、御嶽山に登拝してきました。

御嶽山とは

御嶽山とは、長野県(木曽町・王滝村)と岐阜県にまたがる標高3067mの山です。

信仰の山として、今でも多くの方が白装束を身にまとい「登拝」しています。

なかなか登れなかった「御嶽山」

長い間、御嶽山に登りたいと思っていましたが、
御嶽山は御嶽本教や御嶽教といった御嶽信仰の総本山。
なかなかヨソモノがおいそれとお参りできるところではな

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元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #3「そもそも高野山ってどんなところ?」高野四郎・不動堂・大会堂など

元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #3「そもそも高野山ってどんなところ?」高野四郎・不動堂・大会堂など

YouTubeに元・修行僧が案内する高野山第3回を公開しました。

やっと最終回まで公開することができました。
今回はこのnoteで、動画ではお話できなかったところをご紹介していきたいと思います。

そもそも、高野山ってどんなところ?

高野山は、いまからおよそ1200年前に、
弘法大師空海さまによって開かれた真言密教の聖地であります。
お大師さま(弘法大師さま)は、その目的を2つおっしゃっていま

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元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #2 最も大切なお堂「御影堂・根本大塔」

元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #2 最も大切なお堂「御影堂・根本大塔」

YouTubeに「元・修行僧が案内する高野山 #2 」を公開しました。

今回は前回の続き、大伽藍の中心部の御影堂・根本大塔などをご案内いたします。

西塔(さいとう)

御社と山王院を後にしますと、西塔が見えてきます。

大伽藍は中央の根本大塔をはさんで、西と東にそれぞれ塔がありますが、
この西塔は根本大塔と対になるものです。
(詳しくは根本大塔のところでお話しましょう)
1834年の再建。高野山

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元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #1

元・修行僧が案内する「天空の聖地・高野山」大門・大伽藍 #1

YouTubeに「元・修行僧が案内する高野山」の動画を公開しました。

先日、高野山が配信している「高野山の法話」というYouTubeに出演依頼をいただきまして、収録のために高野山に行ってきました。

いつもご覧いただいている皆さまに、
私が修行した場所である高野山をご紹介したいと思っておりましたので、
自分でも動画を撮影してきました。

現在では長野のお寺に戻ってきていますので「元」にはなります

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鉢伏山の素敵な仏さま 厳冬期登拝・鉢伏山(長野県松本市・岡谷市)

鉢伏山の素敵な仏さま 厳冬期登拝・鉢伏山(長野県松本市・岡谷市)

【雪の鉢伏山・僧職系登山男子の厳冬期登拝】YouTube動画を公開しました。

鉢伏山は、北・中央・南全てのアルプスと八ヶ岳がキレイに見える絶好のロケーション・高ボッチの隣にある山です。

私のお寺からは鉢伏山がキレイに見えます。
名前の通り穏やかな山容で、この時期は麓からも雪が白く積もっているのがよくわかります。
その美しい姿を、ゆかりの歌人たちが短歌に詠んでいます。
動画の冒頭に紹介させていた

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松本平の心の山「常念岳(長野県松本市・安曇野市 百名山)山頂の大山祇神・諏訪大明神」【#UL登拝 山行記録】

松本平の心の山「常念岳(長野県松本市・安曇野市 百名山)山頂の大山祇神・諏訪大明神」【#UL登拝 山行記録】

YouTube「常念岳」を公開しました。

僧職系男子的には、お盆で忙しくしておりまして、
noteに山行記を書こうと思っていましたが、遅くなってしまいました。
常念岳山頂のお社へお参りしましたので、その記録です。

今回のルート

常念岳には主に2つの登山口があります。

一つは「一ノ沢ルート」
沢沿いの比較的難易度の低いルート。

もう一つは「三股ルート」
三股登山口からは蝶ヶ岳に登るルートが

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弘法大師の伝説が残る山・独鈷山(長野県上田市)へ  【#UL登拝 山行記録】

弘法大師の伝説が残る山・独鈷山(長野県上田市)へ  【#UL登拝 山行記録】

YouTube動画「独鈷山」を公開しました。

解説と山行記をnoteに書きたいと思っていましたが、僧職系男子にとって最も忙しい時期の一つ「お盆」でありまして、遅くなってしまいました。

登山ルート

いくつかルートはあるのですが、南側の「宮沢登山口」から登りました。
長野県松本市と上田市をつなぐ国道254号線から少し入ったところに登山口があります。

松本市と上田市の間にある三才山トンネルを超え

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仏と砂をめぐる物語#3「砂に祈る」千曲川源流の砂を、千曲川水害被災地へ

仏と砂をめぐる物語#3「砂に祈る」千曲川源流の砂を、千曲川水害被災地へ

Youtube動画で砂を探す旅を配信しました。

土砂の採取さて前回は千曲川水源地を調査、
甲武信ヶ岳に登頂し、採取候補地を決めました。

逆算していくと、5月には採取を行いたいところ。
土砂採取に関わる許可申請について、環境省・奥多摩自然保護官事務所に相談しました。(申請と許可は関東地方環境事務所になるそうです。)

通常、1ヶ月半くらいかかるそうで、5月の採取となるとギリギリ。
急いで許可申請

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仏と砂をめぐる物語#2「砂を探す」残雪期の甲武信ヶ岳を目指す

仏と砂をめぐる物語#2「砂を探す」残雪期の甲武信ヶ岳を目指す

仏と砂をめぐる物語 Youtube動画を配信しました。

前回、この動画の背景と思いをお話いたしました。
今回は「砂」を探して、千曲川源流をめざします。

信濃川・千曲川とは信濃川という川があります。
日本で最も長い川として有名です。
この「信濃川」は、長野県に水源地がありますが、長野県に存在しないことをご存知でしょうか。

新潟県側から見て信濃の国から流れてくるので「信濃川」。
長野県側では「千

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仏と砂をめぐる物語#1残雪期の甲武信ヶ岳「砂を探して千曲川源流へ」

仏と砂をめぐる物語#1残雪期の甲武信ヶ岳「砂を探して千曲川源流へ」

「山と仏Youtubeチャンネル」にて
「仏と砂をめぐる物語」を配信しました。

noteでは動画て紹介できなかった部分をご紹介していきます。
第1回は、この動画に込めた思いと、紹介を書きたいと思います。

砂を探す旅今回の山は「甲武信ヶ岳(こぶしがたけ、甲武信岳とも)」。
奥秩父山塊にある百名山の一座。山梨県・埼玉県・長野県の三県の県境にあり、千曲川・荒川・笛吹川の源流にあります。

私は、令和

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僧職系登山男子と行く雪山登山・飯縄山 #3 飯縄大権現勧請の地・飯縄山山頂へ

僧職系登山男子と行く雪山登山・飯縄山 #3 飯縄大権現勧請の地・飯縄山山頂へ

飯縄山登山、最終回。
いよいよ飯縄大権現が勧請された地、飯縄山山頂を目指します。
動画で登山の模様を収録しておりますので、合わせてご覧ください。

冬道の急登へ第十一阿閦如来・駒つなぎの場でチェーンスパイクからアイゼンに履き替えます。

ここからは、夏道は雪崩の危険があるため通行禁止。冬道の直登です。
しっかりと休憩を入れてから出発。アイゼンの前爪を立てて、ピッケルを刺しながら急登を一歩一歩登って

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僧職系登山男子と行く雪山登山・飯縄山 #2 死後の世界を追体験・飯縄山の十三仏

僧職系登山男子と行く雪山登山・飯縄山 #2 死後の世界を追体験・飯縄山の十三仏

高尾山の天狗さま、発祥の地である飯縄山登山、第2回。
今回は、道中にある十三仏の石仏をご紹介します。
山行の様子を動画にしてあります。こちらも是非ご覧ください。

十三仏に手を合わせて別荘地の車道の脇に鳥居があり、そこから登山道が続いています。

トレースもしっかりあって、降雪後にたくさんの方が登った様子。
最初はゆるやかな登山道なので、チェーンスパイク(冬の低山や夏の雪渓歩行に最適な軽アイゼン)

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僧職系登山男子と行く雪山登山・飯縄山 #1 高尾山の「天狗さま」発祥の地

僧職系登山男子と行く雪山登山・飯縄山 #1 高尾山の「天狗さま」発祥の地

今回から3回に分けて、僧職系登山男子と行く雪山登山・飯綱山をお送りします。
第1回は、飯綱山のご紹介と登山口までの山行記録です。
山行の様子を動画にしました。こちらも合わせてご覧ください。

飯縄山ってどんな山?長野県長野市にある山で、標高1917.3m。戸隠神社で有名な戸隠山の隣にある山で、歴史的にも戸隠と関係の深い山です。二百名山。
この山は「飯縄大権現」が勧請された地です。
飯縄大権現とは、

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#4 僧職系登山男子と行く八ヶ岳縦走 阿弥陀岳・山に阿弥陀如来が祀られるたった一つの理由

#4 僧職系登山男子と行く八ヶ岳縦走 阿弥陀岳・山に阿弥陀如来が祀られるたった一つの理由

僧職系登山男子と行く八ヶ岳縦走 第3回。
いよいよ八ヶ岳縦走も最後となりました。
さぁ、ご一緒にまいりましょう。

今回のルート
八ヶ岳最高峰である赤岳に登頂しました。次は阿弥陀岳に登頂し、そのまま尾根(御小屋尾根)を下山します。
辛いのは阿弥陀岳直前の急登。あとはひたすら赤岳登山の玄関口、美濃戸口を目指して下山します。

赤岳~阿弥陀岳
絶景の赤岳山頂を後にし、次の阿弥陀岳(途中にある中岳)との

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