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日本を創造したのは誰?

 神話の最初は常に創造から始まります。

 まずはここを押さえておく必要があります。

 ある人は言うでしょう。イザナミとイザナギがアマの国からやってきて、こおろこおろと矛を回して国を作ったのですと——。

 ある人は言うでしょう。天之御中主神から始まる神むすびやタカミムスビの造化三神が天地を創造したのだと。まあそのあと、天照大神がタカマガハラからやってきて、その子孫である神武天皇の代で東征をし国を作ったのですと——。

 いいえ、イザナミは言ってます。神を作ったのが我々である。

 いいえ、天照大神は言ってます。神が人間をつくったに決まっている。

 さて神が人間をつくったのか、人間が神を産んだのか。

 これを説明できる人はいるでしょうか。なぜこんな変な神話になっているのでしょうか。これを紐解くのは簡単です。整理すればわかります。

 まず名前を整理します。漢語とそれ以外にわけます。それ以外とは、漢語で音写になっているものを差します。つまり漢語で意味が通るものと、通らないものをわけて考えましょう。

 イザナミは、伊弉冉と書いて、漢語では意味がわかりません。これを音写といいます。卑弥呼も同様です。中国の人がその音を聞いて、漢字に変換したものです。

 天照大神、天之御中主神は、漢字で意味が通っています。これは音写ではありません。一応読みはヤマト言葉風ですが、漢語の状態で意味が通っていきます。

 イザナミの神話のほうは、伝えている人が漢語を喋っていません。

 天照大神のほうは変なヤマト言葉を使います。文字を書かせると漢語しか書きません。実際に天照大神が出るのは古事記や日本書紀という漢語で書かれた文献です。漢語には漢語の文化があるでしょう。

 ちなみにその頃の中国には仏教が伝来していましたが、造化三神という概念がありました。そうです、天照大神のほうは基本的に中国のコピーです。ここでは人間が神をつくるなんて言いません。

 イザナミのほうにはヤマト言葉があります。ヤマト言葉にはヤマト言葉の文化があるでしょう。ちなみに、その頃の——。

 って、ヤマト言葉はどこから来たのでしょう。

 過去の記事において、3000年前にアナトリア高原周辺から来たという話をしました。実際に彼らは鉄器を持ってきているのですが、3000年前となれば、鉄器時代の幕開けのその瞬間です。鉄器はアナトリア高原周辺にしか存在しません。

 中国は青銅器時代でした。鉄を追いかけてもイザナミが旅をしてきた場所はわかります。

 では、アナトリア高原周辺では創造神話はどうなっているでしょうか。

 メソポタミア3000年前から5000年前の情報が石版から読み取られています。そこに出るのがイナンナ、創造主です。創造神ではありません。黒海周辺だと3000年よりさらに古く北欧神話が出ます。ここにも創造神はいません。

 アースガルドに永遠の命をもたらすイズン、イズーナと呼ばれる少女が存在します。この人が殺されると、アースガルドは地上から消えます。ちなみに、イザナミを当時の言葉で似せて、YZNMと書きまして、印欧祖語で読むと、イズンになります。イザナミの原音を知っていれば、イズーナなんて読み方にもなります。このイズンは火の剣を持つスルトがやってきたとき、ラグナロクの前に死んでしまいます。イザナミは火の神を産んだあとにその神に殺されました。

 ヤマト言葉でよむか北欧の言語で読むか。その違いがあるだけで、もともと同じ神話です。

 イザナミがすこしなまれば、イナンナです。すべて創造主で女性です。

 3000年前、イザナミが日本に来る直前にはカナンにおいてヘブライの民による神話が残されます。YHWHが出てきますが、実は創造神はやっぱりいません。創造主はいます。シナイ半島で落書きのようなものが見つかってます。YHWHとアシラ(アシラト)が一緒にいる絵です。アシラ、これを現地の人たちは創造主と呼びます。

 イザナミのミコトとどんな関係があるのかと言えば、アシラが、たまに「アシラト」と呼ばれるところに注目です。イザナミのアシラト。まだミコ、ミコトじゃないんです。この「ト」がつくのは、役職を示す場合です。

 ちなみに僕の予想では、「ラ」がつくところにも注意です。日本にはスメラミコトという言葉もあります。アシラとスメラはまあ似ているのですが、「ラ」という複数系がはいっているところを考えたいです。

 アシラもスメラも民族名だと思われます。イザナミはアースガルドの人ですので、北欧神話を頼りにすると、古くはアーシア、アシアと呼ばれる場所の民族です。アシラという音になります。音はちゃんと合っているんです。(スメラは、中国の人のことだと思います)

 全知全能の主と創造主は、カナンにおいては、エルベリトという神を祀っていたことも伝承で明らかです。自分を神にして祀ったりはしていません。創造神はいないんです。

 これが後の時代になると激変します。

王様が登場して創造神が誕生します。

 古代イスラエル王国では、全知全能の神が現れました。創造神を兼ねます。これはカナンから歴史の流れを追いかければ明かです。

 日本では、造化三神に天照大神です。創造神です。それと同時に縄文人もヤマト言葉を使う人もいなかったことになります。漢語以外には文字がなかったと言う有様です。漢語の人はその後の歴史を文献に記載していますので、その後の歴史がないイザナミの歴史は前時代のものになります。

 つまり王様が登場する前は、創造主がいて神様をつくっていました。でも王様が登場すると、創造神が人間を作ったことになります。

 なぜでしょう。

 考える必要もありません。創造主がいたら、王様が存在できないからです。

 実際に創造主がいた場所には王様がいません。メソポタミアでは英雄王ギルガメッシュより前の時代です。北欧神話ではオーディンが出ますが、オーディンはオーディンに身を捧げる話があるように、実はオーディンは一人ではありませんし、王様でもありません。オーディンは無数のケニング’(別名)を持つのですが、要するに別名で呼ばなければたくさんいるオーディンを識別できないので、自然にケニングが増える状態です。カナンにも言及しましょう。古代イスラエル王国誕生前のカナンには王様がいませんでした。

 やっぱり王様が存在できないのです。

 だから王様は創造主を神にします。神だったらもう人間ではないので、王様の邪魔をすることができません。王様に反旗を翻しても、相手が神なら反対勢力が集まることもできません。うまいこと考えますね。神にしておいて、文献にこっそりと神が王様を応援しているように歴史を改竄してしまいます。こうなったら王様は無敵ですね。洗脳が始まります。

 でも創造主の関する文献や歴史的証拠がでたらおしまいなのでは?

 そこで王様は全部破壊しまくってます。なるほど、こうすれば、バレませんよね。

 こうして創造神が誕生しています。神が人間を作ったとは、人間を支配する者の考え方です。

 人間が神を作るのは、人間同士を平等に扱うための智慧です。

 よって、人間が平等になるときには、イザナミが出ます。創造主で神を作る神話になります。

 王様崇拝になると創造神や唯一神、最高神が出ます。

つまり日本を創造したのは誰?

 順番に追いかけると、次にようになります。

 縄文の民が住んでいましたが、国はつくっていませんでした。

 そこにアースガルドからイザナミが逃げてきます。国がない場所を探していたようで、ヤマト国を初めとした国々を作っていきます。神道やヤマト言葉もここから日本に広がっていきます。

 中国の人が4世紀頃に亡命してきました。ヤマト朝廷を名乗って、国分をしてもらっています。でもすぐに裏切りました。縄文人を支配下におくと彼らに漢語を使わせます。アースガルドの人たちは強いので、まともに戦争はできませんでした。300年ほどかけて、文化浄化していきます。天照大神をつくって伊勢神宮を建てたところで、この中国の人たちは創造主になりすまします。ここで創造神が誕生しました。創造主がいると都合が悪いのですが、創造主の信仰は利用したいという形です。

 しかし当時の日本にはインターネットがないので、情報統制ができません。出雲弁や東北弁が残るように、神話もまた残っていきます。こうして、中国神話とヤマト神話が共存する形で表れるのが現代です。

 明治時代にこののっとりは成功しかけますが、アメリカに叩きつぶされました。神を名乗った人が、神をやめると言ったのがそれです。一応は、日本人によるのっとりはまだ途上なのです。

 日本人は混血なので、それぞれの民族に日本創造の神話や由来があります。これは当然の話です。問題は漢語の人が、それ以外を全部否定し「正しい歴史」を捏造していることです。

 どこで日本が作られたのか。考えてみるのも面白いかもしれません。

 


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