美味しさを求めて、野菜ファースト

YAMATATO FARMの栽培方針は一言で言うと「野菜ファースト」です。
それぞれの野菜がそれぞれの美味しさを発揮するためにはストレスなく育つ方がいいと考えており、そのために野菜の衣食住を整えるというような方針をとっています。
野菜の衣食住について考えてることを書きたいと思います。

①野菜の衣
病気と虫がついている期間を出来るだけ少なくすること、そのため適切に農薬を使うことが重要だと考えています。
一方で過剰防除にならないように気をつけることが大事で、そのために「何から、どのくらいの期間守るのか」を明確にする必要があると思っております。
農薬のチョイスがポイントになってくると思いますが、農薬選びが個人的には楽しいので、いかに必要最低限なチョイスをするかを考えてます。

②野菜の食
その野菜が欲しい肥料を欲しいタイミングで与えることが必要だと思ってます。
ベースは窒素が何キロ、どのくらいのタイミングで必要かを考えてから肥料を決めます。
元肥(基肥)だったら有機質を大事にしながらジシアンアミドなどの硝酸化抑制効果を持つものを使います。
有機質の中でも魚粕などの動物性有機質を含む肥料をメインに使ってます。
またネギなどリン酸分を多く入れる時は重焼燐、甘藷などカリ分を多く入れるときは硫化カリもしくはケイ酸カリを入れます。
また必要に応じて苦土や微量要素も入れてます。
追肥だったら収穫までの日数を考慮して白化成にするか肥効が長いものにするかを考えてます。

③野菜の住
野菜が育つ上でストレスがない畑にすることをイメージして土壌改良等をやってます。
残渣分解のための石灰窒素、尿素、微生物や、pH調整のための苦土石灰や牡蠣殻資材、物理性改善のための堆肥などです。また連作障害対策の根本として、輪作をしています。
輪作については記事「栽培品目の策定について」で詳しく書いています。

意識していることは大体は以上です。
またあれば追記していきます。

今得られている結果について少しまとめておきます。
大体の他の野菜と比べて大きく違うのは香り、味、風味の3つです。
香りについては非常に強く感じます。
家ではブロッコリーをレンジで加熱しますが、加熱してる段階でもう香りが漂ってきます。「今レンジに入れてるのブロッコリーか」とすぐ分かるほどです。
また風味も香りと近いのですが、口に入れる直前にうちの野菜だと気が付きます。
にんじんは独特なフルーティーな風味が強いので、カレーの中でも分かります。
味については品種それぞれ特性があるので、一概に甘いとか、旨いとか言えません。
強いて言うと強いとか、複雑な味がします。甘味も旨味も両方ある感じで、バランスは品種特性という印象です。
ブロッコリーのスーパードームという品種を食べたときは出汁みたいな味かと思いましたし、盛緑180という品種は甘味強めで旨味もありという感じでした。
なので品種探索も重要と考えています。

同じ品種でも時期によって味の出方は異なってきます。
ブロッコリーでいくと秋冬作の方が夏作より味が出やすい印象があります。
これは夏作より秋冬作の方が生育に合ってるということかなと思ってます。
以前、和麟という品種を12月収穫と5月収穫で作ったのですが、12月収穫では甘みがのって美味しかったのですが、5月収穫では全然味がしませんでした。
おそらくうちの地域の5月収穫の作は和麟には向かなかったのだろうと思ってます。

作ってみて食べてみての試行錯誤を繰り返してます。

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