PJ&NG2


2話目です。

初めてな方は、1話から見てね♪


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「―――――ぎゃあああああああああ……!!!!!」


「きゃーーーーーーーーー♪♪♪♪♪」


「…グフッ!!!

だ、ダメだ…
今度こそ私は、神がおわす天へと旅立つのですね…。


……んっ…??

い、生きてる…。

生きてる、私、生きてる!“生”という息吹を感じられる…!!
ああ、これこそ、何という幸福感…!!!!」


「あら、クジラに呑み込まれるアトラクションはもう終わってしまいましたの?もうちょっと刺激があってもよろしかったのに。」


「あんたねええぇぇ…!!ちょっとほんといい加減にしなさ…!!
…ハッ、いかんいかん。これまた姫様のペースに巻き込まれるところであった。

ウォッホン!!

私は容姿端麗、冷静沈着な執事、セバス。」


「ちゃん。」


「ちゃんはいらんっ!…ハッ!いかんいかん…!」


「あはははは。」


「私で遊ばないでください!」


「ねぇ、容姿端麗って、どういう意味ですの?」


「…ゴーグルでゴグってください。」


「ここ、宇宙電波が届かないみたいですの。わたくしたちの船は無事みたいですけど。」


「…なんと…。ここは本当に、宇宙の果てというのか…。
…あのクジラ…、“スワロウホエール”は、時空の歪みが固体化したものと言われております。

あれに呑み込まれたものがどこに消え去ったのか、還って来る者がおりませんので確認しようもなく、謎に包まれたままなのです。

それがこのようなところに飛ばされるとは…。
いったい、ここはどの惑星だというのでしょう。…いや、そもそも惑星という保証も…。
何やらジメジメしていますし…、空もどんより…。
むー、PJ888星とは正反対のようなところですなぁひめ…。


って、いねぇし!


ちょっと……、


姫―――!!姫えええぇぇぇぇ…!!!!!!」


「セバスちゃ~ん!」


「あーーー!姫~~!!!こんな得体の知れない未知の空間でひとりで軽率に行動するとか、
あんたバカなの!?ちょっともう、いい加減にしてくださいましー!」


「そんなことより、すごいものを発見したのですわ!ほら、ほら、見て!」


「すごいものってねぇ、ほんとにあなた、今のご自身の立場をお分かりになっておられるのですか!?
前代未聞の大ピンチなのですぞ我々……………。


…………………えっ??」

「ねっ、ねっ!?すごいでしょ!?」


「…いや~~~、あの~~~…。


すごいっていうか~~~…。


…これ………

…私?」


「そうなの!セバスちゃんそっくり!きっとセバスちゃんと同族なのですわね。
ここ、セバスちゃんのふるさとなの??わたくしこのような薄気味悪いところ、初めて参りましたわ♪」


「…あーーー、んーーーー…。」


「んもう、セバスちゃんてば母星のこと何も教えてくれないんですもの。わたくし密かに、ずーっと気になっておりましたのよ。いちどセバスちゃんのふるさとに言ってみたいなーって、ずーっと思ってましたの。

それがこんな形で叶うなんて…、やっぱり私、運だけは最強ですわね♪」


「タンマ!ひ、…じゃないやええと…、スー様、


…私、自分の頭が追い付いておりませぬゆえ…。」

「…ん?どうして?
ここ、セバスちゃんの母星じゃないんですの?」

「…いえ、ひ…スー様…。正直に申しますと私…。幼少の頃の記憶が、ごっそりと抜けているのであります…。」

「…ええと?つまりそれは…。
小っちゃい頃のことは何も覚えていない、ということですの??」

「さようで…。」

「あらーーー。それはファーストイヤーですわ。
イヤだわセバスちゃん。どうして教えてくれなかったんですの?」


「いやそれは…、スー様が、“セバスちゃんの母星に行ける日が楽しみ~!”なんて仰ってるもんですから、私に記憶がない、なんて言ったら、とてもがっかりするんだろうなって思いましてですね…。」

「…あらまぁ。私のためを思ってくださったの?もう、優しい!セバスちゃん、大好きですわ!」

「…あっ!ちょっとそんな強く抱きしめられたら私、つぶれてしまいま…!!」


「なぁ。」


「…え?な、なんですか、す、スー様?」


「え?わたくし何も喋ってませんことよ。」


「…え?…じゃあ誰が…、…あ。」


「わしや、わし。」


「あらヤダ。わたくしってば、自分で拉致しておいて、セバスちゃんそっくりなこの小さな存在のことをすっかり忘れておりましたわ。」


「ねぇちゃん、ぶっ飛んでるのー。まぁ、慣れっこや。どうせわしは誰からも認識されへん存在やからな…。」

「う、うわ…。なんか、じめじめしておりますぞ…。」


「じめじめした存在のあなた。ごめんあそばせ、わたくし次から次へとすぐ忘れていくのが特技ですの。」


「それ、特技って言わんのちゃいます?えらい前向きなお嬢さんやなぁ。」


「ねぇねぇ、あなた、うちのセバスちゃんのこと、何かご存知ないかしら?

あなた、彼にそっくりでしょ?」



「…………….

…………….

…………….

…………….

……………知らんな。」

「知らんのかい!じゃ今の溜めなんでござんしょー!?」

「ま、落ち着きなはれあんちゃん。
わしが知らん言うだけで、他のヤツで知ってるのがおるかもしれん。」


「あら、他の方々もいらっしゃるのね。それは心強いですわ。」


「ほな、ついてき。」


「ええ、喜んで!」


「…ちょっと…!(姫、気をつけた方がよいのでは…。得体の知れないところですぞ…。)」

「でも、他に術がありまして?」

「(いや、それは…、まぁ、そうですけれど…。)」


「じゃ、決まりね♪無限の彼方へ、さぁ行こーーー!」

「…ったくもー…。ほんと、すぐアニメに影響されるんだから…。

…しかし、この星は本当に私の…。


まぁ、行ってみるとしますか……

不安しかありませんけど…。」




続く♪

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