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イタリア旅行2019 3日目-6月24日(月)

 今日はこの旅最大の楽しみ、イタリア南部バジリカータ州にあるマテーラへ向かいます。最初に書いたように雑誌で見掛けたのがきっかけでマテーラを知りました。荒廃していたこの街はかつて「イタリアの恥」と呼ばれてましたが、近年その価値が見直されて1993年にユネスコ文化遺産への登録されました。街全体が世界遺産です。

 昨夜の疲れは残ってるものの、朝早くに起床しホテルの朝食でパンやヨーグルトなどいただきます。チェックアウトしテルミニ駅へ向かうもスーツケースが重いです。駅で飲み物も買って8:05発の電車で一路バーリヘ向かいます。マテーラは陸の孤島とも呼ばれ、ローマから直接鉄道では行けません。バーリはプーリアの州都です。そこからローカル私鉄線またはバス、タクシーで行くのが一般的です。

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テルミニ駅にて。
 
 電車の手配は旅行会社(片道一人約€50)。電車はイタリア国営のトレニタリアの特急列車です。エコノミークラスの車内はちょっと狭く感じ、また乗客もぎっしり乗ってます。ローマ郊外を出ると野山や畑が広がっています(あまり変化がなくちょっと退屈です)。予定通り12:04にバーリに到着しました。駅を出るとカンカン照りで太陽の光線が眩しいです。ここからマテーラまでは旅行会社が手配した車で移動します。駅前でドライバーさんと落ち合って車(普通の乗用車でした)に乗り込みます。

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バーリの駅舎。

 バーリの街を抜ける時にたくさんのお店や旧い建築物が見えましたが、ここも素晴らしい街で本当は観光したいくらいでした。ドライバーさんは陽気で少し話しましたが、運転はちょっと荒目・・・何度かクラクション鳴らしたり、割り込みの車にはいちいち手を上げてました。市街を抜けるとバイパス道路をかっ飛ばして行きました。約1時間のドライブでしたが、不意に運転手さんから「マテーラの街が見えてきたよ」と教えてもらうと、遠くの丘の上にそれはうっすらと見えていました。
 やがてMateraのサインがある道を上がって進んでいくとドライバーさんが3、2、1とカウントダウン! すると目の間にパッとマテーラのあの旧市街の街並みが目に入ってきました。おお〜〜! 声を上げずにはいられません。強い太陽光に照らされた街は眩しいくらいに光って見えました。斜面にベージュ色の石の家が無数に立ち並んでいます。車は坂を上がったり下がったり、曲がりくねってやがて道の終着点に着きました。そこはマテーラで宿泊するホテルのすぐ前でした。

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マテーラの街。

 受付は青い服を着た若い女性でした。フロントや食堂など館内で見掛け接したスタッフは皆さんとても感じの良い女性が多かったです(男性スタッフはあまり見掛けず)。チェックインして部屋に案内されると、そこは入口脇にあった1号室で半地下でした。景色は楽しめないものの、部屋は洞窟ホテルならではの雰囲気(場所からすると本物の洞窟ではないようでした)。設備はシャワー、テレビ、冷蔵庫、金庫、ドライヤーもあります。そして利用しませんでしたが食堂の下には青く光るジャグジーもあるようです。明かり取りの小さな窓があるけど部屋の中は薄暗く(朝方はドアの窓から眩しい光が差し込みました)、多少はひんやりした空気感でした。

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ホテルの外観。

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宿泊した1号室。

 掃除中の上階の部屋を幾つか見ましたが、どの部屋もほぼそんな造りだと思います。その代わり各部屋の前には小さなテーブルと椅子があり、上階の眺めが良い部屋からは、素晴らしいマテーラの景色を見ながら寛ぐことが出来ると思います。すべて確認した訳ではないですが、部屋番号からするとこのホテルは70部屋以上もある!? 部屋は斜面にずらっと立ち並んでいて、60番台以降は少し離れた場所にあるようでした。2日間利用しましたが、ロケーション的にサッシ地区の中央に位置しているので観光にはとても便利でした。

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Locanda di San Martino http://www.locandadisanmartino.it/

 部屋で一休みしたら早速街へ繰り出します。そこそこ観光客はいるもののそれほど多くはなく、また車が入ってこられる場所は限られているので歩いてても快適です。その代わりバイクは結構走ってます。そして滞在した2日間、アジア系の人を一度も見かけませんでした。
 街の中心部に行くとそこは新しい街並みが広がり、お店も軒を連ねてます。夏祭りが近いのか白い装飾(夜間は光る)が建てられて準備されてます。人が集まっている展望台から街を一望すると、このユニークで美しい素晴らしい街が視界一杯に迫ってきます。そこから街の中心部を進みます。

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 歩いていて最初に気になったのは骸骨のモチーフが施されたドアが印象的なプルガトリオ教会(Chiesa del Purgatorio)。ここは煉獄教会(煉獄とは天国と地獄の間にあって、罪を浄化してくれるという場所)だそうで中にも面白い展示がされていたようですが、滞在中の二日とも閉まっていて入れませんでした。そして最初のランチはその近くで見かけたイタリアンへ。

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Chiesa del Purgatorio 

https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g187772-d5079472-Reviews-Chiesa_del_Purgatorio-Matera_Province_of_Matera_Basilicata.html

 ところで街中には確認した限り5つほどサルバドール・ダリの彫刻が設置されています。マテーラが2019年の欧州文化首都に選ばれたことでの展示だとか。マテーラでダリというだけでなかなかシュールではあります。

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 午後はマテーラのシンボルとも言えるサンタ・マリア・マドンナ・イドリス教会(Church of Santa Maria de Idris)へ行きます。岩山に造られた教会へは幾つかある周囲の階段を上がっていきます。ひと際目立つその外観は映画に出てきそう(翌日ガイドさんに聞いた話では『ワンダーウーマン』の撮影に使われたそうです)。この教会の前からはマテーラの街を一望出来、その景色は素晴らしいものでした。中に入ると若い3人の女性たち壁画の修復を手掛けていました。

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僕の横にいる3人の女性が修復を手掛けていました(休憩中のよう)。

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Church of Santa Maria de Idris

https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g187772-d512259-Reviews-Church_of_Santa_Maria_de_Idris-Matera_Province_of_Matera_Basilicata.html

 その後は夜まで街中をくまなく歩きました。晩ご飯は事前にTripadvidsorで調べて予約しておいたイタリアンレストランRistorante Soul Kitchenへ。店員は若く溌剌とした印象のカジュアルな洞窟レストランです。店の奥が深くて地下の方にも座席が広がっていました。アラカルトで美味しいイタリア料理(リゾット、フィレステーキetc)をいただきました。店を出る頃には大勢のお客さんで賑わってました。

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Ristorante Soul Kitchen http://www.ristorantesoulkitchen.it/

 食後街に出るとすっかり辺りは暗くなっています。そして街には橙色に輝く街灯が点り街はほんのり赤っぽく照らされます。それがまたなんとも言えない素晴らしい雰囲気でした。

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 街をぶらぶらし新市街にあるサン・フランチェスコ・ダ・パオラ教会(Church of Saint Francis of Paola)やサッシ地区にあるサン・ビアージョ教会(Chiesa di San Biagio)なども観て廻りました。

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サン・フランチェスコ・ダ・パオラ教会。

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サン・ビアージョ教会。

 夜になると活動し始めるのか猫をたくさん見掛けました。マテーラには犬も結構います。

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疲れも溜まっていたしホテルに戻って今夜は早めに就寝。(続く) ※Photo by Shin & Rei

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