麻雀プロはブランディングに失敗した -Mリーグ2021ドラフト会議-
麻雀Mリーグ2021シーズンのドラフト会議が行われ、東城りお、本田朋広、伊達朱里紗、滝沢和典、松ヶ瀬隆弥、二階堂瑠美(敬称略)の6選手が指名された。
この指名に対しては賛否両論というか、どちらかというと否の意見のほうが多く見られる。
しかし、そもそもネットでは否の方が大きく叫ばれがちなので、賛否の実質的な人数や、実際に2021シーズンのファンの満足度がどうなるかは不明である。
とはいえ、「それでいいのかよ」という意見が少なくないことは事実であるし、私自身もそう思っている。本稿ではそのへんを踏まえ、麻雀プロのブランディングというものについて考えていきたい。
東城プロと瑠美プロの指名に批判が多くあるようだが、その二人に文句があるわけでも、その二人を指名したチームに文句があるわけでもない。「プロ麻雀界は、それが現実だ」という内容である。
0.要点
野球やサッカーなどのプロスポーツは、「ハイレベルな真剣勝負を観戦し、応援しているチームが勝利することをエンターテイメントとして」楽しめる。
言葉の使い方の違いもあるし、言葉狩りをしたいわけでもないが、「エンタメ」というと「本気でない、ゆるい、カジュアル、おふざけ」というようなイメージがあるが、エンターテイメントとはそれが全てではない。真剣勝負とエンタメは背反するものではない。
多くのスポーツでは、真剣勝負を観戦し、応援しているチームが勝利することに感動を覚える。それがエンターテイメントだ。
では麻雀は、プロの麻雀を観戦するというのはどういう楽しみ方なのだろうか。
応援する雀士やチームの勝利を願うのか?有名人や美女が打ってるのを眺めていれば楽しいのか?
Mリーグをはじめ麻雀プロと呼ばれる人たちを観戦するのは、「どのような楽しみ方」なのか。
そしてプロ側は、それをブランディングできているのか。
1.プロ団体
それぞれのプロ団体については、麻雀遊戯王で近藤誠一プロが解説している動画を見るとよい。
動画で説明されていない問題やトラブルなんかも多くあるが、各団体の発足について大まかに知ることができる。動画の近藤プロの言葉を引用すると、
団体が分かれることに関しては、私は悪いことではないと思う。麻雀以外の競技でも、統一しなければならないということはない。
例えばスポーツの野球でも、本気で甲子園を目指したい球児が進学する野球強豪校もあれば、普通の公立高校の野球部もあるし、プロ野球選手もいればプロ野球に詳しいお笑い芸人もいるし、YouTuberもいる。それぞれが自分の理念にあわせて野球にまつわる活動をしていけばいいと思う。
全員が全員、プロレベルの競技者を目指して本気でトレーニングしなければならないというわけでもないし、プロの選手がYouTubeやバラエティ番組での活動に精を出さないといけないわけでもない。
近藤プロも言うように、麻雀バカが集まって、本気で麻雀という競技に取り組みたい人たちの集まりがあってもいいし、メディア路線で活躍する団体や個人(YouTuberやVTuber等)がいてもいいと思う。
(※実際は、「プロ」というものが複数あることは良いことではないかもしれない。バスケットボールのプロ団体と歴史について知ると、そのあたりを深く考えることができるかもしれない。)
2.Mリーグ
Mリーグの説明は、以下の通りである。
上記引用はキャッチコピーのようなもので、もう少し詳しい内容も公式サイトには載っている。
とはいっても、明確に実践されているのは賭け麻雀禁止の「負のイメージの払拭」ぐらいで、他は努力目標といったところか。
結局のところ、Mリーグがどういうリーグで、どういう理念を持っているのかということについては、よくわからない。
各企業がチームを持って競うというのはわかるが、御存知の通り、本当に強いプロだけを集めたというわけではないだろう。麻雀の強さというのはわかりにくいが、2021ドラフトを含めた8チーム32名が、現在の日本で麻雀が強い方から32人集めたわけではないというのは誰もが納得しているだろう。
3.エンタメは「きっかけ」なのか?
これは初年度で萩原聖人プロが1位指名を受けた時からであるが、「結局は実力より人気取りかよ」というような批判は多くある。
とは言っても、多くの麻雀プロやプロ麻雀ファンの人たちは、今までの麻雀プロのあり方で上手くいっていないことを知っている。ガチの実力だけで視聴者がつかないことを知っている。
だからこそ、(主に)萩原プロが指名された時から、ある程度のエンタメ路線は仕方がないと思っている人も多いだろう。(萩原プロが大きくマイナスを叩くことによって、「トッププロはやっぱり強いんだ」と理解することもできるかもしれないが。)
そもそも「プロ雀士」という称号も、他の競技ほど実力で勝ち取ったものではない。一昔前は、「女性なら誰でもプロになれる」と言われていた時代があった。当時のイベントや大会、雀荘への来店ゲストとして呼ばれる女流プロの中には、「麻雀を覚えて数ヶ月です」という、はっきり言えばコンパニオンガール的な役目の女流プロを、私自身も何人も見てきた。
(現在はそのようなことはあまりないようで、女性でも能力が足りない人はプロになれず、女性の受験者が全員不合格ということもあるようだ。)
1.でも述べたが、これは別に悪いことではない。麻雀プロとか名乗ってるオッサンたちが卓を囲っていても、それが興行として成功しないことは既に証明されている。麻雀ファンのほとんどは成人男性なので、女流プロの放送対局や来店ゲストを増やすのは間違いではないだろう。
ただし、「それがどういう試みか」というのは、非常に重要である。「エンタメ」というのは、「きっかけ」なのか、「メインコンテンツ」なのか。
他の競技の、例えばサッカーや野球のプロの試合でも、様々なイベントが行われている。球場で盆踊りをしたり、ハロウィンの仮装をしたり、アニメやゲームとコラボしたり、始球式に有名人を呼んだり。
それらには様々な意図(や金銭の動き)があると思うが、基本的にはサッカーや野球を観戦する「きっかけ」づくりのコンテンツであると思う。
「なんかイベントやるらしいから明日のサッカー見に行こうぜ」というのは、私自身も経験がある。「アニメやゲームとコラボしたことでそのファンが球団を知り、野球を見るようになった」という例もあるだろう。
繰り返すが、それらはあくまでも観戦に呼び込むための「きっかけ」で、「メインコンテンツ」ではない。好評なイベントは再度行われることもあるが、イベントが主体ではない。
Mリーグでいえば、やはり1年目の萩原プロの指名はそういう目的であっただろうし、そうだということをファンも理解していただろう(納得はしてないかもしれないが)。
その後、角川サクラナイツも参戦し、沢崎誠プロや堀慎吾プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部には藤崎智プロが加わった。他に新しく加わったメンバーもいるが、特にこの3名は見た目で選ばれたエンタメ要員ではなく、実力を重視して獲得されたプロであると言っていいだろう。
「萩原プロや女流プロはファンを呼び込むためのきっかけで、Mリーグは段々と実力重視の方向へ進むんだ」と、期待していたファンも多いだろう。
だからこそ、今回の指名にがっかりしたファンも多いのではないだろうか。
すなわち、エンタメ路線は「きっかけ」ではなく、Mリーグの「メインコンテンツ」であることが示されてしまったと言っていい。
何度も繰り返すが、それが悪いというわけではない。1.で挙げた近藤プロの説明のように、各団体の方針は異なるし、特に連盟という団体のプロモーション努力は、現在の「麻雀プロ」という存在に大きな影響を与えているだろう。
そして、Mリーグも、「そういう」リーグだというだけだ。
4.エンタメは「きっかけ」なのか?「何を」応援するのか?
あらゆる競技のプロの試合は、様々な方法でファンを獲得し、ファンは応援するようになる。
例えば格闘技のTV放映では、試合前の会見でお互いを煽り、一触即発!みたいな雰囲気を出す光景がよく見られる。ファンもそれを承知で、実際の観戦でも「やっちまえ!ぶっとばせ!」と興奮して応援する。
ただ試合で殴り合うだけではなく、格闘技の試合をエンタメとするならば、そういうプロモーションを行い、ファンが試合を楽しむきっかけを作ることができる。
そうして、視聴者は格闘技の試合において、「本気で戦い、お互いが殴り合って勝敗を決めること」を観戦・応援する。
あるいは、野球の甲子園やサッカーのJリーグでは、「地域」という要素はかなり大きい。普段野球を見ない人たちでも、地元の高校の甲子園の結果は気になるし、地方ニュースでも取り上げられる。Jリーグでも同様だ。
別に野球やサッカーの内容に詳しくなくとも、それらの競技では「地域というきっかけ」でチームを応援することができ、ファンも楽しむことができる。
視聴者は、地元や在住地の「地域のチームの勝利を」応援する。
では、Mリーグはどうだろうか。上記のようなことをMリーグに当てはめると、それが「東城りおプロや二階堂瑠美プロの指名」ということだ。
「○○県代表です。○○県の人は応援します」「横浜ベイスターズの試合です。ベイスターズファンなので見ます」と同様に、「東城りおプロや二階堂瑠美プロの試合です。ファンの人は見てください」ということだ。今回の指名は、そういうことだ。
別に配慮する必要もないし事実だと思っているが、東城りおプロや二階堂瑠美プロより強い麻雀プロはたくさんいるだろうし、そういう人たちのほうがMリーグにおいて優秀な成績を残せるだろう。
したがって、これらのプロを指名するということは、「チームの勝利」を応援するというものではないということだ。
「有名な女流プロが麻雀打ってるのを観戦する」のが、Mリーグだということだ。
麻雀プロには短くない歴史がある。第一回最高位戦が行われた1976年から、45年が経つ。プロは方針によって、様々な団体へと別れてきた。興行としてなんとかしようという試みも、ずっと続けられている。
そして、Mリーグというものが発足した。再び引用するならば、『ほんの一握りのトッププロだけが出場できるナショナルリーグ』だ。
その歴史と、積み重ねの結果が、こういうことだったのだ。それを、どう評価するか。
5.プロのブランディングの失敗
「興行としての成功を目指すことは間違いで、麻雀の技術だけを極めるのがプロだ」とか、そういうことを言いたいわけではない。団体によって方針は異なるだろうし、ファンが付くことはいいことである。
問題は、どうやってファンを獲得するかということにある。
「勝つことが最大のファンサービス」というのは、元中日ドラゴンズ監督の落合博満氏の言葉だ(本当に?)。しかし、麻雀プロはただプロの間で勝った負けたをするだけでは興行として成功することはなかった。
では、プロが興行として成功するために必要なことは、なんだったのか。もちろん、初めに挙げた動画で近藤プロが言うように、ただ麻雀強くなりたいだけというプロも多くいるだろう。しかし、麻雀プロとして興行的に成功し、お金を稼ぎたいならば、プロとしてブランディングをしっかりしなければならないだろう。プロの対局を見たい、応援したいと思えるだけの要因を作らなければならない。
「麻雀プロは弱い」などと言われることは少なくない。そしてそれは、プロ野球選手に「ヘタクソ」とヤジを飛ばすのとは、根本的に異なっている。
野球選手にヤジを飛ばすオッサンも、その選手がプロであり、一般人とはかけ離れた野球の能力があることは認めているだろう。しかし、「麻雀プロは弱い」というのは、「一般人より弱い」、あるいは「自分より弱い」という意味を持つことがある(そして、一般の上位層は多くのプロよりも強いことが珍しくない)。
とはいえ、ほとんどの麻雀プロはほとんどの一般人より麻雀が強いことは間違いない。私も交流があるプロや元プロも、私より弱い人は一人もいない。(ただ知ってるだけや見たことあるだけのコンパニオン的なプロなら、弱い人もいただろうが。)
それでも「麻雀プロは弱い」などと言われるのは、プロが強さを伝えられていないからだ。
麻雀というゲームの競技人口はとても多い。他のスポーツと違い、大人になっても続けられ、駅前の一等地に雀荘があり、しかも隠さず言えば賭博が行われている。こんなゲームは他にないだろう。
そんな人気の競技にもかかわらず、「プロは何が凄いのか」を知らないアマチュアはとても多いし、何が凄いのかを伝えられないプロも非常に多い。
プロ野球選手の凄さは、誰でも知っている。野球経験者でなくとも、160キロのボールを投げることは凄いことだし、それを打ち返すのが凄いことだとも知っている。
しかし、麻雀プロは何が凄いのかを、麻雀の経験者でも知らないことが多い。「判断が凄い」ぐらいの感覚で、具体的にはわかっていない。
今でこそ、YouTube等でプロとしての実力の凄さを伝える試みはある。
園田プロのYouTubeチャンネルの1つ目の動画である。これは単純に一萬が安全かどうかだけでなく、更に踏み込んだ内容である。対局中にここまで考えられる人は、かなりの上位層だと思う。
このような、「麻雀プロの強さ/凄さ」を伝えるような試みが少しずつ増えてきてはいるが、それでもやはり麻雀プロの動画・配信活動は初心者向けのようなものも多く、強さを認めさせたり、応援しようというファンを取り込むことには今ひとつ成功していない。
繰り返しているとおり、その結果が、「東城りおプロや二階堂瑠美プロの指名」ということになった。
すなわち、「他のプロは、その2名よりも興行的には価値がありません」と、セガサミーフェニックスとEX風林火山の2チームは判断したわけだ。
「実力よりもエンタメ重視」という批判もあるが、正確には「実力勝負をエンタメとしてブランディングできなかった」という方が正しいと思う。落合氏の言葉を借りるならば、ファンに「勝つことが最大のファンサービス」だと思わせることができなかったということだ。
多くのスポーツのファンは、応援しているチームが勝つことを望んでいる。だからこそ、チームは優秀な選手をドラフトで指名するし、億の金をはたいて外国人選手を呼んでくる。ファンは、チームが勝とうとすることをエンタメとして楽しみ、チームの勝利を喜べる。実力の勝負とエンタメ性は背反ではない。
しかし、少なくともセガと風林火山の2チームはそう思っていない。正確に言えば、「『ファンはチームの勝利なんて別に望んでいない』と思っている」ということである。
(実際のところは、どういう仕組みになっているかは知らない。藤田氏の影響力がどの程度あるのかもわからない。Mリーグの「責任者」と呼ばれるのは一体誰なのかも、私は知らない。
もしかするとチームではなく、Mリーグ側が「実力重視だと視聴者が増えないから、実力を無視して女流プロを取りなさい」と指示しているのかもしれない。)
ともあれ、最高位戦が始まってから45年が経った現在でも、麻雀というものは「競技としてのエンタメ」を興行とすることは、未だにできていない。
麻雀プロの中には、「Mリーグに選ばれなくて残念です」と言っている人もいるだろうが、それは「あなた方プロたちのブランディング不足です」と言いたい。
オッサンたちが麻雀を打っている。どうやら強いらしいが、どう強いのかもよくわからない。何を考えながら打っているのかもわからない。特に応援する理由もない。そして、麻雀というゲームの結果は運で決まってしまうという現実もある。
そりゃ、見ないよ。ファンにならないよ。私がじゃんたまやってても見ないでしょ。極端に言えば、そういうことだよ。
後記 良くなってほしいんだよ
私のnoteの投稿は、基本的にはネガティブな批判であるが、それは決して否定ではない。麻雀にしろゲームにしろ、もっと良くなることを期待しているのだ。
本稿の3.あたりでも書いたが、「きっかけ」なのか「メインコンテンツ」なのかというのは、様々なコンテンツで重要なことだと、私は思っている。
私の過去の記事でも書いているが、新規層を取り込むことや初心者向けにすることは必要ではあるが、それが目的だとは思わない。そこがゴールだとは思わない。あくまでも「きっかけ」で、メインコンテンツではないと思う。
Mリーグのファンも一枚岩ではない。様々な人がいる。そして今回のドラフトの東城プロや瑠美プロの指名は、「その二人のファン」がMリーグを見るきっかけにはなったことは間違いないだろう。しかし、「高レベルの麻雀の対局を見たい人たち」にとっては、逆効果になってしまった。
理想と、現実がある。
多くの麻雀プロたちの、そして麻雀ファンたちの理想として、「レベルの高い麻雀の対局が人気になってほしい」というのは、ある程度間違いは無いと思う。
しかし現実は、様々な要員により(本稿ではブランディング不足を指摘した)、そうはなっていない。
では、どうするか。理想がかなわないとき、どうするのか。
「理想がかなわないとき、どうするのか」に対する理想は、「叶うようにすればいい」である。私としては、そうなってほしいと思っている。
それは麻雀だけでなく、過去の記事でも書いたゲームやeSportsにおいてもそうだ。
「プロ」がブランディング不足ならば、ブランディングすればいい。ファンがいないならば、ファンを獲得するような試みをすればいい。
「わかりやすいものでないと、視聴者がつかない」ならば、「内容をしょうもなくして視聴者にもわかるようにする」のではなく、「的確な説明や啓蒙をして視聴者もその魅力がわかるようになる」のが理想であると思う。
しかし、「視聴興行」というのは、どうやらそういうものでもない。
「みんなでそのコンテンツに詳しくなって、より深く楽しめるようになろう」というものは、興行的に成功するわけではないのが現実だろう。
「テレビ番組は偏差値40の人にもわかるように作れ」などという格言があるとかないとか。過去の記事では、バカでもわかるように、アンジャッシュのコントに字幕で説明をつけるということに言及した。
麻雀って難しいからね。それを「わかる人向け」にするのか、「わからない人をわかるようにする」のか、「わからないままでいいよ」とするのか。
結局のところ、問いは原点へと回帰する。「Mリーグって、なんなの?」と。「何がしたいの?」「各団体のプロを売り出したいの?」。「ガチの実力勝負の場ではない」ということは、判明した。
「視聴興行としての成功が目的」であることは、良いことだと思う。ただ、「勝負を見て楽しむ、応援するチームの勝利を願うというコンテンツには、ならなかったね。それでいいの?」というのが、この記事で問いたいことである。
プロ野球の巨人対阪神の試合は、それぞれのファンは本気でチームの勝利を願って観戦・応援する。「あいつらには負けたくない!マジで勝ってくれ!」と、熱狂している。
Mリーグの試合は、「あ、見たことある人が打ってる。わーい。たのしいなー。」と、視聴するものなのだろうか。
最後に、Mリーグの説明をもう一度確認しよう。
わけわかんないよね。Mリーグは、そして各チームは、何をどうしたいんだろう。視聴者に、何を楽しんでもらいたいんだろうか。
彼女らを指名したら、どういう批判が来るかはわかりそうなもんなのに、それでも指名するということは、そうしたいということだろう。
追記:
Mリーガーのレベルが下がることが、視聴者数の低下につながるかどうかはわからない。むしろ上にも挙げたように、「麻雀プロは弱い」と思っている人、思いたい人は少なくない。打牌を批判したくて今からウキウキしているYouTuberやブロガーも多いだろう。
そういう意味では、プロの下手な姿というのも、視聴に値するコンテンツの一つかもしれない。多くのコンテンツで、いいことよりも悪い事のほうが視聴者・閲覧者は多いものだ。
Mリーグやプロが、それでいいんなら、いいと思う。
補:GIANT KILLING
サッカー漫画「GIANT KILLING」22~24巻の、ETU対川崎フロンティア戦。
主人公チームETUのスポンサー企業の副社長が試合を観戦する。サッカーとETUというチームが出資に値するものかを確かめに来た。
以下は、試合の後半、3対2というスコアでスタジアムは大いに盛り上がっている場面での、スポンサー、チームの後藤GMと笠野スカウトの会話。
あくまでも、漫画の中の会話である。日本のJリーグと、サッカーファンが実際にどうかはわからない。
ただ、プロの麻雀を観戦するということにおいては、「目が肥えている」「ロースコアのゲームでも楽しめる」ということにはなっていない。
プロ麻雀の45年の歴史によって成立した麻雀観戦の楽しみ方は、「役満が出た!すごい!」「女流プロが打ってる!やったぁ!」である。
追記:
KADOKAWAサクラナイツが優勝し、Mリーグ2021-2022シーズンは終了した。
もちろんアンケート調査などを行ったわけではないが、私の印象としては、ある程度は「チームを応援する」という要素がファンに定着しているようにも見える。
最近の流行りでいえば「推し」のような概念だろうか。「このチームのファンです!」と言っている人が、SNSや各種動画、noteにも増えてきたように感じる、
それ自体は、とても良いことであるだろう。ほかのスポーツを考えても、やはりプロの興業はチームを応援するという要素はかなり大きいはずだ。
そこから重要なのは、「どういう要素でそのチームのファンになるのか、チームはどうやってファンを増やすかのか」というのが、この記事で述べたことである。
ファンは麻雀が強いからそのチームを応援するのか。チームはファンを増やすために、美男美女をチームに入れるのか。
別に、何が正解かとかいう話でもない。Mリーグとファンが納得するようになれば、それでいいと思う。
まだまだ黎明期だし、今後は別の方向に発展していくかもしれない。
2021/08/04 山下
2022/02/23 一部改定・追記
2022/02/27 補:を追記
2022/04/30 追記
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