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もっと深く、もっと濃く。Xデザイン学校大阪分校第8回:ユーザー評価法

年内はこれが最終回で、年明けにあと2回を残すばかり。あっという間です。Xデザイン学校での学びがどういう構造になってるのかは、肌感覚的にすごくよくわかるようになってきました。もちろん、サービスデザインの学びそれ自体は、まだまだ道が遥かに続いていることも、同時に深く感じつつ。

今回は、ユーザー評価法でした。Xデザイン学校の10回構成を目次的に見てると、直線的な学びとお感じになられる方もおられるかもですが、まったく違います。きわめて往還的もしくはスパイラル的です。ことに、スパイラルという点を考えるなら、私自身の学びにそろそろ深みや濃さが増していってるとよいのですが…(笑)

毎回ながら、出発点の大事さ。

毎回書いているので、書くたびに凹むんですが、それだけ大事だってことで、あらためて書きます。

構造化シナリオ法に進んで、最初にあったビジネスインタビューやグループインタビュー、デプスインタビューの重要性をものすごく思い知らされてます。

そのおかげで、学生たちに心底から伝えられているので、学びとしてはすごく大きいわけですが(笑)

このインタビューを通じて、バリューシナリオやアクティビティシナリオ、そしてインタラクションシナリオができあがってくるんやなってのを、やればやるほど痛感しています。

とはいえ、いつまでもそこにこだわっていても前に進めないので、Bチームで煮詰めてきた提案する予定の価値にもとづいて、進めていくことにしました。反省もチームで共有できてたので、何度も上位下位関係分析をやり直してみたりして、本質的ニーズを当初よりは煮詰めれたようにも思います。もちろん、出発点でずっこけてるんで、そのあたりは響いてます。

そのスパイラルは、深まっているか?

今回はユーザー評価法。より具体的には、ユーザーとなってくれる人に、実際にそのサービスを使ってもらって(いる態で)、それがほんとにユーザーの行為に自然であるのか、提案しようとしている価値をほんとにユーザーが感じてくれるのかをやってみるというものでした。

方法としては、詳細ストーリーボードを制作し、そこにワイヤーフレームを結びつけていくというやり方。ここで、詳細ストーリーボードに書き出すアクティビティシナリオはより粒度を細かくしてねって、説明がありました。いちおうその心づもりはあったんですけど、この日の授業が全部終わって、他のチームのも見たりしてると、まだまだ全然「濃さ」「深さ」がない。もっと詳細に状況が思い浮かぶようなところまで描き出さないと、結局それが具体的な操作としての行為を促すワイヤーフレームの設計の段階で、いろんなブレやズレが生じてくるわけです。

浅野先生のお話を聞いていると、プロトタイピングのプロセスもちゃんとスパイラルになってて、そこは頭でわかっていながら、いざやってみると二巡目、三巡目であるのに濃縮度や深耕度が足りない。

ちなみに、Aチームの白濱さんが、このあたりを的確にまとめてくださってるんで、シェアしておきます。

ここは、ちょっと悔しかったなぁ。もっと、がんばりたかった。でも、悔いてもしょうがないんで、これからやるときに、プロトタイピング・スパイラルをただの堂々巡りにならないように、煮詰め、深めることを意識してやりたいと思います。

ここをちゃんと濃く、深く描けると、デバイスなどに縛られずにサービス全体を描き出せるのかもしれないってのは、深く感じました。あえてわざわざスマホ使わなくていいシーンまでスマホを登場させる必要ってないですもんね。

思いは伝わらない。そう簡単には。ていうか、ほとんど( ;∀;)

詳細ストーリーボードとワイヤーフレームをひとまず拵えて、思考発話法にもとづくウォークスルー評価。私は2つのチームから呼ばれて、自分のチームでのそれをあまりちゃんと見れなかったんですが、それでも感じたのは「思いは伝わらない」ってことでした。

もっと提案しようとする価値が何なのか、はっきり感じてもらえるような流れや構成にしないといけないってのは痛感しました。ということは、当然そのアクティビティの連鎖においても静まるところと盛り上がるところがあるわけで、そのあたりを操作設計も含めて考えないといけません。もちろん、最初っから完璧な流れや構成などできるわけないですし、そのためのユーザー評価なので、ここらへんがちゃんと感じられたのは、学びとしてはすごくありがたかったです。

あと、あいまいにして進めてしまったところは、たいがいユーザーは躓くってのも実感としてよくわかりました。今回の詳細ストーリーボード&ワイヤーフレームを制作していく段階で、チームのなかでシーンについて想定している場面に違いがあることが浮かび上がってきました。どちらも、今回提案しようとしている価値という点ではズレてないので、いったん片方を選択して流れや構成を制作したわけですが、そういった点をしっかり練っておくって、ものすごく大事やなって感じました。

よくよく考えれば、こういうのって往々にして起こるんですよね。同床異夢とまではいわないけれども、微妙に想定している状況が違ってるってこと。結局それがアクティビティシナリオの粒度を高めるって際に引っかかりになってしまうし、どこらへんにどんなアクセント or 山場を持ってくるのかについても切れ味が悪くなってしまう危うさをもってるなって感じました。

ほんとは、これを何度も繰り返して、詳細ストーリーボード&ワイヤーフレームも何度も何度もブラッシュアップしていく必要がありそうです。

それと、これはXデザイン学校だからなのかもしれませんが、こういった学びに立脚した実践が蓄積されていくと、その蓄積が次以降に考えていく際の淵源になりそうやなってのも感じます。

幸いBチームって、いろいろ自由に言い合えてると思う(私が勝手に言うてるだけやったらごめんなさい<(_ _)>)ので、そのあたりユーザー評価が終わった後にも少し話ができたので、また次につなげていきます。

ビジネスとは「儲かる」ようにサービスを考え、提供していくことである。が、「儲ける」ことを短絡的に目標化したら失敗する。

いつも講義の折には、いろんなトピックを浅野先生が紹介してくださるんですが、多くの場合、マクロな視座、メゾな視座、ミクロな視座がちゃんと織り交ぜられていて、私自身にとってもすごく大きな学びになっています。私の場合、理論的(もっというと、哲学的というか思索的というか)な観点からの考察は〈仕事〉なので、苦でも何でもありません(楽ではないですよw)。ただ、それがどう実践において実装されているのかという点については、最近でこそだいぶといろいろ視野に入るようになってきたとはいえ、まだまだ足りません。

ビジネスというと、だいたい「金儲け」って思われがちです。たしかに、儲からなかったら、そのビジネスは破綻します。じゃあ、「儲かる」ってどういうことなのか。そこまで問わないといけないわけです。

私が現時点でサービスデザインにここまで入れ込んでいるのは、ここのところを実装的な観点から捉えることができるように思うからです。最初の頃にCVCA(顧客価値連鎖分析)でもってステイクホルダー / アクターの関係性を描き出すとき「ブラックボックスをつくっちゃだめだよ」っておっしゃられたのも、そこに登場するアクターが何を提供してくれる存在で、かつそのアクターは何を求めているのかをちゃんと捉えておかないと、ビジネスとしては成り立たないよってことを示しておられたんだろうと思います。

だから、それぞれのアクターがちゃんと「儲かる」(=得る何かのほうが出す何かよりも大きい)状態をつくりださないとダメなわけで。そのためには、アクターそれぞれが「どう生きているのか」を深く分け入って見つめ、感じ、捉まえていかないといかんな、と。これは、十分に経営学に含まれる問題領域です。

それをいかにしてデザインしていくか。ここに、Xデザイン学校での学びの大きな特徴の一つがあるように感じています。

もう残りは2回。

ほんとに1年ってあっという間ですよね。Xデザイン学校大阪分校ベーシックコースもあと2回で完結。どう考えても、1年学んだだけで習得しきれるものではないですし、Xデザイン以外の場でも繰り返し実践し、学び続けるよりほかないよなってのは、もう明瞭に感じてます。

むしろ、そう感じることができてるってのが、ありがたいことなんやよなって、今書きながら思いました。

いつもながら、浅野先生、佐藤先生、Bチームのみなさん、ベーシックコースのみなさん、マスターコースのみなさん、ほんとにありがとうございます!引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!!


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