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めぐりめぐりて穴に逢う。Xデザイン学校大阪分校第9回:体験プロトタイピング

今さらですが、新年おめでとう存じます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、Xデザイン学校も大詰め。あと2回を残すだけとなりました。

今回は「体験プロトタイピング」。ここまでの観察やインタビュー、そこからの分析や考察を踏まえて、いよいよ提案を具体的なカタチにしていく段階です。何度もこのnoteに書いてきましたが、かなり早い段階で鮮やかに落とし穴にはまってしまったので、それが尾を引いているのは否めません。ただ、そればっかり言うてても前に進めませんし、Bチームのみなさんも何とかカタチにしようというのは共有できてるので、はまった落とし穴を意識しつつも、今回の課題に臨みました。

年末年始、私も含めてかなり仕事等々ドタバタして、準備に時間が割けなかったのは反省点です。

めぐりめぐりて。

今回、冒頭の浅野先生のお話はCES2020に絡めつつ、ビジョンについて。いつも書いていますが、Bチームが最初に蹴躓いたのも、やはりここでした。

もっというと、ビジョンを支えるさまざまな要素についての観察やインタビューが十分でなかった、ということであるように思います。

だからこそ、今あらためてこの話を伺うと、肚落ち感が明らかに違うわけです。したがって、つねに考え続けなければならないわけです(Thinking Marathon)。「(これからの)社会において、何が求められ(てい)るのか」「自分たちに、何ができるのか」「自分たちは何のために存在するのか」。この3つを何度も何度もどれだけ深く、そして視座を変えつつ、考え続け、そして動的に解(正解ではない)を提示し続けられるのか。つまるところは、ここがアルファでありオメガである、ということになりそうです。

この点は、サービスデザインを経営学的に位置づける際の重要なポイントになると思います。

体験プロトタイピングとしてのアクティングアウト

Xデザイン学校の後半以降って、よくよくみると、まことに巧くスパイラル的な学びとなるように組み立てられてるなぁと、回を追うごとに感嘆しています(←これは、いちおう曲がりなりにも「教える」という仕事に従事しているから感じることなのかもしれません)。

というのも、考え出されたアイデアを段階ごとにどう評価してもらうか、その評価主体が徐々に拡張されていって、提案そのものが(うまくいけば)濃く、またシャープなものになっていく流れになっているな、と。自分たちの提案がそうなっているかどうかは、ひとまず置いとくとしても(笑)、そういう流れになっていることは、すごく実感できます。

その際に、段階的にいろんな評価者に見てもらうことで、「穴」に出会うわけです。

今回の講義の前に、チームでいくらかサービスの流れを見直して、どこに力点を置くのかは確認しました。が、まだまだそれが十分でないことは、立ち稽古をさせてもらって、瞭然としました。びっくりするくらい、はっきり出ましたw。

翌日の日曜日、うちのゼミも参加させてもらっている合同研究報告会で、学生たちが報告をしました。今期、時間の使い方がちょっと甘くて、人前での報告練習がほとんどできていなかったのが、やはり影響していました。その点で、プロトタイピングって、ほんとに大事だと痛感します。プロジェクトに関してはよく頑張ってもいるし、研究についても手抜きをしていたわけではないだけに、そこらへんのちょっとした甘さが結果に出る怖さを、メンバーも感じたんじゃないかと。

立ち稽古をさせてもらうときに、いきなりシミュレーションから入ったのは、プレゼンテーションとしてはよろしくなかったと思いますが、むしろ純粋にサービスからどういう価値がもたらされるのかを感じてもらうテストとしては、かえってよかったのかもしれません。あとで、追加的に説明させてもらった「このサービスをクライアント企業さんがやる意義」とずれてることが判然としたので。

何度も何度も指摘されていた「プロは引き算、素人は足し算」が、ここで鉄槌のように響いてきました。

Bチームって、(いい意味で)自分たちから「火中に飛び込んでいく」感がある気がしてます。今回の立ち稽古も、全員何も言わずに初っ端に「やります!」って言うてしまうくらいなので(笑)だからこそ、ダメなところ、気づかずに落ちている「穴」がどこなのか、どんな穴なのかを気づかせてもらうことができるのかな、と。

自分の棒立ち大根役者ぶりには、あらためて汗顔の至りでしたが、それも含めて、学びが多かったです。

クライアント企業さんにとって〈ゲームチェンジ〉となるような提案を、次回にできるように、あと1ヶ月頑張りたいと思います。

学びのダイナミズムを生で感じれることの愉楽。

今回の講義で、先生がこれまでの思索フォーマットを更新されたものを示してくださいました。一つは、フォーマットのかたちで、もう一つは口頭で枠組として。どちらも、ものすごく「然こそ」と思わされるもので、聴いててわくわくしました。

「然こそ」と思えたのは、もしかするとこの1年間、Xデザイン学校で学んできたからかもしれません。

口頭で示してくださった内容も、個人的には、ぜひとも新たなフォーマットとして公にしていただきたいなって、すごく願ってます。フォーマットとしてオープンにすると、それを生兵法で使ってしまう人も出てしまうでしょうけれども、ちゃんとそのフォーマットをどう活かしていくかわかっている人にとっては、すごく重要な〈武器〉になるように思います。

私の仕事も〈教員〉なわけですが、「教える」というのは、完全に確定された知識内容をただ伝えるだけではありません。というか、知識内容だけなら、本なりWebなりYouTubeなりで事足りるわけです。むしろ、自分自身が学びを更新しつつ、それを実際に活用しながら、それを磨き上げていく、そしてそれを共有していくという営みが〈学び〉であるように思います。

浅野先生ご自身も、10年前にこういうことを書いてらっしゃいますが、まことに然こそと感じます。

大学での学びも、そういうものであるようにしたいなって、深く思います。

ひとめぐりから、その先。

次回で、今年度のXデザイン学校での学びはいったん終わりです。が、これはひとめぐりくらいでわかるものではないという、言ってみれば当然のことを、あらためて痛感しています。

というか、サービスデザインに限らず、すべての学びはひとめぐりくらいで終わるわけがないのです。

時間等々、来年度も都合をつけられるかどうか、なかなか微妙なところではありますが、ふためぐり、みめぐりと学びを重ねていきたいなと強く思っています。

というのも、サービスデザインの考え方や方法がわかるから、というだけではなく、価値創造の実装原理として学問的に捉え返すうえでも、個々での学びから得るところはすごく大きいということを確信しつつあるからです。

ともあれ、次回の報告会で少しなりとも筋の通った提案になるように、今期のラスト、頑張りたいと思います。

浅野先生、Bチームのみなさん、ベーシックコースのみなさん、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

写真は、懇親会への道すがら。月が綺麗でした。

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経営学(経営学史)の研究と教育にたずさわってます。能やら和歌やら、日本の古典文芸がすごく好きです。最近はサービスデザインやら、意味のデザイン / 意味のイノベーションやら、美意識をめぐる議論やら、そういうあたりに強く関心を持ってます。 抽象と具象をいったりきたりするの好きです。
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