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1人でも多くのお客様の元にこの物語が届きますように!!!


山野は只今、5/7より日生劇場で幕を開けたミュージカル「四月は君の嘘」に出演中であります。

言わずと知れた大人気の物語で、原作の漫画のみならずアニメ、実写映画、舞台版とすべての表現媒体においてたくさんのファンがいる作品です。

さらに今回のミュージカル版は本来でしたら2020年に初演を迎えるはずだったものの当時公演が叶わず、2年の時を経てようやく上演に至ったという経緯もあります。

僕自身は2022年のカンパニーからの参加ですが、当然2020年に参加予定だったけれども今回はいらっしゃらないという方もおられるわけで。

つまり、さまざまな人のさまざまな思いをその両翼に乗せた公演が、今回の2022年初演ミュージカル「四月は君の嘘」ということです。

なので僕も普段以上に、大切に大切に作品を紡いでいく責任があるなと、日々感じながら舞台をつとめております。

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物語の主要な登場人物たちは主に高校生で、彼らはそれぞれに青春の時間を捧げて取り組んでいることがあります。

ヴァイオリン、ピアノ、ソフトボール、サッカーなどなど。

僕自身も高校1年の終わり頃に声楽で音楽大学を受験すると決め、そこからひたすらに音楽のことを考え続ける日々を送ったことがあるので、共感するポイントがたくさんあります。

特に音楽のことで言えば、「楽譜を尊重して演奏すること」と「自分の表現を追求すること」の両立の難しさ、なんかは今なお直面し続けている大きな課題でもあります。


作品の大筋は高校生活を舞台にした恋愛譚でもありつつ、主人公の公生がトラウマを克服していく成長記でもあります。

高校生活という爽やかなトーンのなかで、挫折や葛藤、生と死といった、人間に普遍的な主題を扱っていくストーリーテリングが原作を今なお人気作とさせている大きな要因でしょうし、今回のミュージカルカンパニーもその特徴をどうやったら最大限に表現できるかということを考えての演出の上田一豪さんの陣頭指揮のもと稽古を重ねてきました。

フランク・ワイルドホーンのスコアは躍動感と情熱に溢れ、また愛や悲しみを描く旋律の美しさもたっぷりと盛り込まれていて非常に魅力的だと、毎日公演で歌っている僕も毎回新鮮に感動を覚えます。

さらには、クラシック音楽の演奏家を扱った物語だからこそ、劇中の各所にあらわれるクラシックの名曲の数々とアメリカン・ミュージカルのドラマティックな音楽が交差していく仕立てはとてもスリリングで、クラシックファンの目線でも楽しめると感じています。


さらに、これは原作のストーリーテリングの巧みさなのですが、主人公の公生と、彼に大きな影響を与えるヴァイオリニストかをりの出会いが「天の羽衣伝説」を下敷きにしていると推測できたり、公生が自らの過去と対峙していくプロットは「エディプス・コンプレックス」の克服という古典的な劇主題としても読め解けたりと、文学的なアプローチも充分に許してくれる懐の深さがあります。

もっとも今作の「天女」は自らの強い意志で公生の元を訪れる、とか、主人公が対峙するはずの「父親」は劇中常に不在である、といったアレンジがされており、ここにも現代的な要素を抜け目なく盛り込んだ作劇の巧みさが見えてきます。


とかなんとか書きましたけど!

そんな小難しいこと考えずに、音楽の疾走感に身を委ね、登場人物たちの行動に笑ったり泣いたりキュンとしたり、直感的にも愉しめる舞台になっていると思いますので……!

今回なにより、アンサンブルの平均年齢が(かなり)若く、それでいて歌える踊れる芝居もできると、三拍子揃った実力の高いメンバーが集まっています。

彼らが作り出す高校生活の、あるいは音楽に打ち込む少年少女たちの熱気と希望を湛えた輝きを浴びてくださるだけでも、きっと何かを感じていただけるんじゃないかと。

僕もアンサンブルとして参加していますが、彼らのエネルギーに負けないようにと、毎日必死に食らいついております。笑


本日もこれから2公演。

日生劇場での上演は5/29まで続き、6月からは全国の劇場をまわります。

ぜひぜひ、1人でも多くのお客様の元にこの物語が届きますように。


今日も頑張ってきますーーー!!!

読んでくださってありがとうございました!サポートいただいたお金は、表現者として僕がパワーアップするためのいろいろに使わせていただきます。パフォーマンスで恩返しができますように。