今していることが目標

「目標を持ちなさい」と人は言います。
学校では夢を持つように言われたのではないでしょうか。
そもそも、目標とはいったいどういうものでしょうか。
一般的にそれは、今ではなく未来に起こることとされています。
例えば、今努力して頑張って得られる未来の成果としてとらえられています。
そうすると、今というこの瞬間はどうなるのでしょうか。
今は、将来のために頑張らなくてはならない過程になりさがってしまいます。
それはそれで面白いゲームです。
今、たとえそれがつらいものでも、頑張らなくてはならないものでも、我慢しなくては将来ひどい目に遭うという恐れから生まれた社会のルールです。

もし、夢や目標、目的がかなわないと、人は失望します。
そして、それが将来叶うものだとしても、それまでに多くの犠牲を必要とします。
まず、あなたは今というかけがえのないものを逃します。
達成までの間に多くの人を傷つけ、蹴落とし、何より自分や他人の精神を汚していることでしょう。
そして、あなたは受験に合格するなり、目当ての異性と付き合うなり、会社で昇進するなり、何かしらを達成するのでしょうが、それをピークに感情はまた沈み込んでいきます。
失うことを恐れ、仮にそれを失うことで喪失感を味わうのです。
コインには表だけではなく、裏もあるのですから当然のことです。
だから、私たちはいつも、虚ろなのです。
もっと欲しい、もっと欲しい、失いたくない、もっと欲しい、あいつは苦手だ、あいつさえいなければ、あれさえ手に入れられれば。
いつも、目標は未来にあるのですから、今、満足することはないのです。