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伍魚福の社内制度その2〜TEAM GOGYOFUKU提報〜

経営品質の取り組みの中で、いかにお得意先の声を活かすかという問いかけがあり、お客様の声をLAN上のExcelの共有ファイルでまとめるような取り組みをしていましたが、うまく活用できませんでした。

月刊誌「日経トップリーダー」(当時は「日経ベンチャー」だったかも)を読んでいますと、サトーさんが開発した「三行提報」の広告がありました。

調べると、なかなか良い仕組みでしたので、2010年3月から社内導入し、現在まで活用を続けています。

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原稿用紙に三行書く、というサトーさんのアナログ時代の名前から「三行提報」と名付けられていますが、伍魚福では「TEAM GOGYOFUKU提報」と名付けました(略称TG提報)。
TEAM GOGYOFUKUメンバー全員で、会社をよくする提案や、改善の報告をしよう、という思いを込めています。

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このようなカレンダー画面から、日付を選びます。

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提案や報告の内容を150文字以内で記入します。
内容に応じてカテゴリーのチェック欄で区別します。

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私が見る画面はこのような感じです。
青字が私のコメントで、転送先を入れて返信・転送します。

もともとは、毎日記入をしてもらって、膨大な件数があったため、コメントをしないケースもありました。
そうすると、あるパートの方から「せっかく提報を入れているのに、社長のコメントが短いのはさみしい」という提報が入りました。

そらそうだ、と思い、それからは全ての提報に必ず1行はコメントを入れるようにして、今に至ります。

結構大変なようではありますが、伍魚福の全部署に記者がいて、記事を書いてくれる「伍魚福新聞」のようなものですので、毎日楽しく読ませていただき、コメントを入れています。

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TG提報は、いわば伍魚福の循環器系。
情報を血液と例えると、私が心臓役です。
社内への情報発信全てが血液として送り出され、現場の日々の仕事の中から各自の気づきが「新しい提報」となって帰ってきます。
私はこれに全て目を通し、コメントをつけて返信・転送します。
これを繰り返します。

人間も血のめぐりが悪いと、健康を害します。
会社も、情報のめぐりが悪いと、いろいろな不具合が出てきます。

TEAM GOGYOFUKUメンバーは、社員もパート社員も、契約社員も関係なく、月に1件は「提報」を提出しなければなりません。
同じ伍魚福という船に乗る乗組員として、改善提案や、改善報告を行うのは、仕事の一環である、という考え方に基づきます。

上司経由ではなく、直接社長宛、というところも特徴です。
私は、全ての提報に目を通し、コメントをつけて返信・転送します。
「【要検討】」というマークを付けたものは、上司と相談してどうするかを決めてください、という意味です。

提報の活用に当たって、おもしろいルールがあります。
それは、社長が「あれどうなった?」「これどうなった」と追及しない、というルールです。

このシステムを開発した「サトー」さんから伺ったのですが、まじめでせっかちな社長は、「あれどうなった?」「これどうなった」と追及してしまうことで、メンバーが面倒になり、提出しなくなるらしいのです。

普段の忙しい仕事をしているメンバーが出した「提報」。
コメント付きで転送されてきても、スルーされてしまうことも多いはず。
でも、重要な提案や報告であれば、他のメンバーからも同じような提報が入り、私が同じようなコメントをつけて返信・転送する。
それを繰り返すことで、自然に重要な提案や報告がクローズアップされます。

転送されたものを読んだ各部署のメンバーも、これだけたくさんのメンバーが同じようなことを考えているのであれば重要だ、と自然に判断して、改善する。
ちょっと漢方薬的ではありますが、後戻りしない改善につながる、というのがこの提報の良いところなのです。

私のゆるーい性格にも合っています(笑)。
残念ながら、サトーさんの販売が振るわず、提報のシステム自体は現在販売されておらず、サポートも切れてしまいました。
導入すると社長が大変なので(笑)、あまり売れなかったのかもしれません。

この提報のおかげで、細かいことから、大きなことまで様々な改善ができました。

自転車置き場に電気をつける。
食堂に電子レンジを置く。
送り間違いを防ぐためのダブル入力システムを作る。
5Sの気づきを共有し、他部署でも活用する。
など、現在でも活用しています。

サポートは切れましたが、なんとか頑張って運用しています。
ただ、それにも限度があるので、伍魚福では現在、替わりのシステムを開発中です。
商品提案制度も同じシステムで運用する計画です。
完成が楽しみです。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan