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こどもがいるくらし

こどもを産んで、2年になる。親やすでにこどもを産んでいた友達から、生活が一変したでしょ、と言われる。そうかなぁと思いつつ、まぁ、そうだよなぁなんて思う。

具体的に、私のくらしのどこが変わったんだろう。そんなことを考えながら、仕事を終えた足でこどもを迎えに保育園へ行く。

最寄駅を降りると、近所のT橋さんというおばあちゃんに会った。こどもがうまれて間もないころ、家の近所をベビーカーで歩いていると声をかけてくれた人だ。私と夫の実家が遠く、近くに親戚もいないことを知った際「困ったことがあったらすぐうちに来なさい」と言ってくれて、それからずっと、びっくりするほどよくしてくれている。

「あれ、今日、息子くんは?」 私は、息子は保育園で今からお迎えなんですと言う。たわいもない話をして、「早く迎えにいってあげて」と言われ、笑いながら別れる。

しばらく歩いていると、向こうからS木さんという、別のおばあちゃんが自転車に乗ってやってきた。S木さんはT橋さんのお隣に住んでいて、T橋さんを通じて知り合った。S木さんも、いつも息子のことや私のことを気にかけてくれる。

T橋さんと話した内容と同じような話をして、S木さんにも「引き留めちゃってごめんね、早く迎えにいって」と言われ、また笑って別れる。

保育園へ着くと、仲のいいママ友と会った。出身地も年齢も職業も違うけど、今では下の名前で呼び合い、ため口でくだらない話をするほどの仲になった。親の話がひと段落したところで、まだ離れたがたそうなこどもたちに「また明日」と言わせて、手を振って別れる。

家路につく途中、隣のマンションに住むN川さんと駐輪場で遭遇した。N川さんのところは4歳の女の子がいて、うちの息子と同じ保育園に通っている。こどもたちが遊んでいる姿を見ながら、N川さんからおすすめのこども用虫除けスプレーの情報を聞いたりする。すごく助かる。

で、ようやく家につく。

私のくらしは、確かに一変していた。こどもをうむ前、私は近所に知り合いがいなかった。帰宅途中に声をかけてくれる人も、何かあったときに頼ってと言ってくれる人もいなかった。

親や友達が言っていた「生活が一変する」が、果たして同じことなのかどうかは分からないけど、私にとって一番変化したのは、そこかもしれないと思った。それは、とても幸せなくらしだと思いました。





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