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調査企画立案上の盲点

ストリートアカデミーで新講座「調査企画 基本の詳細」の作成にかかりきりになっており、こちらの更新は久しぶりになってしまいました。

今までの講座「マーケティングリサーチ入門の入門」「マーケティングの『顧客理解』を理解しよう」を作成していて感じたのは、自分の業務に関してまだまだ言語化が足りない部分…いわば盲点があり、その部分こそ業務理解の鍵になる、ということでした。

今回は最初からそこを意識しながら作成したのですが、これが後から後から出るわ出るわ。そもそもこの講座は、調査企画を立てるときにあまりに「調査の背景」と「調査の目的」の定義が軽視されている状況が多いと感じたことから着手したので、「背景とは」「目的とは」については必ず言語化するつもりでした。

調査…特にアンケート調査やインタビュー調査は、形の上では誰でもできるものですが、適当につくりあげますと、やったところで後工程に何も影響しないものも出来上がってしまいます(後工程に悪影響すら与えるものもありますが)。

この原因が調査票にあるとか、分析にあるとかは私の経験上ほとんどありません。どこに原因があるかというと、企画です。
そして企画の中心はやはり「調査の背景(現状分析)」「調査の目的」であり、ここさえしっかりしていれば、のちに来る「調査設計」「調査票作成」「分析」等は、ロジックに気を付けていれば自然に出来上がるものです。

とはいえ…これは「マーケティングリサーチ入門の入門」でも述べていますが…ここが初期からしっかりしている調査企画が本当に少ない。
これは企画者にとっては背景や目的が所与のものであり、自明と思うがゆえに言語化が甘くなるということかと思います(そして、実は思うほど自明ではありません)。

しかし、その甘い言語化が企画者本人すら惑わせて「あれ!?この調査なんのためにやっているんだっけ?」という方向に追い込んでいく…。

このようなケースを数限りなく見てきましたので、背景と目的の言語化を大きなテーマにしました。
しかし、そこにたどり着くまでに予想もしない苦労をしました。

というのは「意思決定とは」「意思決定支援とは」「問題とは」「課題とは」などなど、私自身あまり意識せず、ふわっとした意味合いで使いがちな言葉があまりにもたくさんあることに気づかされたためです。

これらの言葉をひとつひとつ定義していかないと、主題である「背景」「目的」にたどり着けないな、と。

そこで毎日本業が終わった後、うんうん唸りながら腹に落ちる定義をなんとか書き出そうと頑張りましたが、これが本当に難しい。自分自身が気づかなかった盲点ですので当たり前と言えば当たり前ですが、他人が気づいていない盲点を上から目線で言語化しようとして、自分自身が盲点に陥りまくっていたことに気付かされ、そしてその言語化ができないわけですから…。

なんと言いますか、ふだんから「ビッグワードに気をつけよう」などと言っておりますが、いったいどの口が言うのかと自分で思いました。職業人としての自分の傲慢さを思い知らされましたね。

ただ、おかげさまで見えなかったところがそれなりに見えるようにはなりまして、調査企画の解像度は少し上がったかなと感じております。とにかく言葉にする、形にするというのは間違いなくそういう効能がありますね。

当初の目処を一ヶ月ほどオーバーし、なんとか講座として形になりそうなところまで来られました。7月にはお届けできると思います。これを読んで下さっている皆さま、ぜひご検討くださいますよう、お願いします。

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