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【議員インターンシップ:名刺交換なんのために?】

私は、議員インターンシップで2ヶ月学生をお預かりしている間に、毎回自分なりのテーマを設定しています。
2022年夏季は「どのようにしたら、学生に自分なりの仕事への向き合い方を考える機会を提供できるか」

ここから、学生には、それらがわかる出会いや体験を提供し、対話をしていきます。NOTE読者のみなさんにも少し紹介しますね。

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私は、「私から紹介される場面では、できるだけ名刺交換をする」というルールをきめ、学生の名刺と名刺入れを用意して、学生自身に名刺交換をしてもらうようにしています。

まず、基本的な名刺交換の仕方を教えます。ほとんどの学生が初めてですが、学生同士で予習してきますので、ここまではスムーズです。

ここからがインターンシップらしい時間です。

名刺交換ってなんのためにあるの?

「名刺交換って、誰がなんのためにするのでしょう?」という私の問い。
学生からどんな答えが返ってくるかというと、

・自分の名前を覚えてもらうため
・自分のことを知ってもらうため
・自分ができることをPRするため

彼らなりに考えて、いい答えを出してくれます。素敵です。


・社会には答えはひとつではない

さて、私は「私にとって名刺は、私との会話の糸口が伝わる、相手のために用意する心配りのツール」ととらえています。

はじめて人と人とが出会う場での名刺交換。多少なりとも緊張します。

実は、私はおしゃべりは好きですが、一方的に自分のことを話すのが得意ではありません。ある程度「相手の興味に合わせて」話を広げていくことは得意です。

そこで、時と場合に応じて、相手から自分への話しかけやすさを作るためのツールとして、数種類の名刺を使い分けています。

「相手から私への話しかけやすさを演出したい」と考えるのは、私なりの仕事のやりやすさを考えてとっている行動(仕事観)です。

大きさ、紙質、内容など、いろいろ使い分けています

ちなみ最近使っているのはこちら。
①どんな立場なのかが伝わるもの。(右上)→「市議会議員・又は役職の関係でお会いする時にお渡しします。
②地元でどんなことをしていきたいか伝わるもの(右下の切り絵)→地元の作家さんに依頼して、隼人新港と桜島の風景を名刺にしました。「なぜこの名刺にしたのか?」を聞かれますので、スムーズに観光や歴史、またはアートなどについて話題に入ることができます。
③裏面に公約を記載したもの(下段真ん中)→なんらかの活動をされている方と、課題意識の共通点を探したい場面で重宝しています。裏面には、地元で活動する市議としてのポリシー(公約)が載っています。
④連絡先をお伝えするもの(左の大きい名刺)→連絡用名刺。すでに私を知っている高齢者の方々が、ストレスなく連絡できます。


名刺って「コミュニケーションを円滑にするためのツールのひとつ」にすぎず、私みたいに、リアルに多くの人と会う職業の場合もあれば、決まった少しの人としか会わない職業もあります。
シンプルなものをさっと渡してもいいし、一種類でもいいし、なんならSNS時代なので、名刺は持たない主義の人もいます。私も、オンライン中心の仕事では、ほとんど出すこともありません。

そこに正解はありません。
「ひとの数だけ正解がある(不正解はない)」と理解すること。

インターン生には、これから出会う多くの大人の仕事観を、言葉ではないところからも、ぜひ感じていってほしいと考えています。

・仕事の質は自分が決めることになる。

私が名刺を複数作ったように、ひとつひとつの行動は、自分の仕事の質に直結します。
思い通りに行くことも、そうではないこともあることでしょう。

結果は「偶然×自分で決めたこと」の掛け合わせでできています。
どんなに迷ったとしても、全く考えなかったとしても、結果は結果。
だから、セオリー通りにやるかどうかも、人のアドバイスを取り入れるかどうかも、もしくはやらないということすらも、自分を見つめて自分で決める、ということが大切。
偶然はコントロールできないけど、自分で決めることやその決め方は、自分でコントロールすることができます。

こんなふうに、インターンシップ期間中は、実際に普段からわたしが心がけていることを、学生に話しています。


・仕事への向き合い方で得るものが変わる

例えば、相手から名刺をいただく時にどうしたら良い?
複数の方と同時にお話しする場では、どうしたらいい?
対話が終わったあとは、名刺はどうする?捨てる?とっておく?

こういったことも、ネットで引けば今はそれなりに作法としての答えが出てきます。考えずに言われた通りにやることは効率的だし、楽ちん。

ただ、哲学みたいですが、「マナー、作法はなんのためにあるのだろう?」と考える対話を大事にしています。

誰も完璧ではないから、自分も失敗することがあるし、相手もそうかもしれない。偶然によって思い通りにいかないことも、ある。
もしかしたら知らないまま済ませることがあるかもしれない。

相手のことを思い、謙虚な気持ちで向き合うことの大切さと心地よさに気づいてほしいと考えています。

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