「おちこぼれ」からの脱却
こんにちは!㈱プレステージ・ヒューマンソリューションのやまきです。
前回は社会復帰するまでを綴りましたが、本日は派遣アルバイトで入社してからのお話を書こうと思います。
不安ながらも晴れて社会復帰の糸口をみつけたわたしは、同期とともに研修期間へと入りました。
わたし以外の同期はみな経験者で、半分は管理者候補としてやってきていました。わたし一人だけが未経験の初心者。
沢山の資料を渡され、知識をインプットするべく座学からのスタート!
最初はそんなに難しく考えていなかったのですが、教えられることが全く頭に入ってきませんでした。自宅療養している間に、どうやら集中力を失くしてしまったしまったようです。
「こんなはずでは…。」
同期は経験者だけあって飲み込みが速く、どんどん進んでいきます。
そんな同期の中にあって、周りの目や必要な知識のなかでも枝葉ばかりが気になり、とにかく何も頭に入ってきませんでした。
それでも、どんどん研修は進んでいきます。「ここまで大丈夫ですか。」と問われても「Yes」とも「No」とも答えられませんでした。
わからないことがわからない状態です。
気持ちは焦るばかり。
座学の後は電話応対の実践練習が始まりました。
同期は難なくロールプレイングをこなしていきます。
元々、電話応対に苦手意識があったわたしは、どもるは震えるはでお客様対応どころではありませんでした。しかも声がこもり、暗い!
知識面でもうる覚えで確かなものがなにもなく、お客様役のトレーナーに何か聞かれても、全く答えられませんでした。
「わたしはダメかもしれない。」
せっかく派遣アルバイトながらも入社にこぎ着けたけれども、お先は真っ暗でした。
「わたしはこんなに頭が悪く、不器用だったっけ?」
どうしてうまくできないのか、わかりませんでした。
いろいろな研究を重ねてきた今ならわかるのですが、人というのは過度なストレスがかかると自分の能力に蓋をしてしまうのです。本来ならできることも、当然できなくなります。また、やっかいなのは同じ出来事に対して、「適度」であるか、「過度」であるかは人によっても感じかたが違うということ。
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周りからの目はどんどん冷たくなっていくように見え、自分がどんどん追い詰められていくような気がしました。
毎日、研修が終わると駅までの道のりを死にそうな思いで歩いて帰ったのを覚えています。
「やっぱり、わたしには向いていないんだ。」
泣きそうになりながら帰る毎日。
当初、研修期間は2か月と言われていましたが、2か月過ぎようとしていても、わたしには全く手ごたえが感じられませんでした。
1日の研修が終わり、いつものように駅までの道のりを歩いて帰りながら、毎日毎日、「いつやめよう。いつやめよう。」と考えていました。
そんな中、同期は先にどんどんデビューしていきます。
ある日の帰り道、ふと思いました。
「電話応対のスキルはきっとどこかで使えるだろうから、研修だけはがんばって終わらせよう。」
研修期間だけは諦めないことにしたわたしは、ある日、その当時のトレーナーに言われました。
「なんでできないの?」
「なんでできないって言われても…」わたしは黙って下を向くばかりでした。
「もう泣きたい!」
ところが、追い詰められたわたしはそこで「レジリエンス」を発揮するのです。またの機会に「レジリエンス」については触れようと思いますが、「レジリエンス」とは簡単に言うと、「逆境を跳ね返す力」のことをいいます。
自分を否定されたような気分になったわたしは、泣きたいと同時にくやしかった。
「くやしい!くやしい!くやしーい!」
それから、すっかり「おちこぼれ」のレッテルを張られてしまったわたしは思いました。
『「なんでできないの?」と言わないトレーナーになろう!』
以前、潜在能力開発のプログラムの講師をしていたことのあるわたしは。少なくとも人が能力を発揮できるようになる方法は知っていました。
『もし、わたしだったら「なんでできないのか」を一緒に考えるトレーナーになれる!』
そのころのスキルと照らし合わせると無謀と思われるような目標をもった「おちこぼれ」に、なぜか根拠のない自信がこみあげてきました。
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それまでは、いつ辞めさせられるのかと考え怯えていたわたしは「いつ辞めさせられてもいい」と考えるようになりました。
「当たってくだけろ!」
そうするとなぜだか、急にいろいろな事ができるようになったのです。
人間、開き直ると強いものです。
毎日を「修行中」と捉え、一つひとつの経験を「実験」と捉えるようになったのです。
自分を実験台として、スキルアップのノウハウがどんどんたまっていきました。
そうして、同期より遅れること1か月。研修開始から3か月ほど経ったある日に無事、デビューすることができました。
その「おちこぼれ」は一番遅くデビューしたにも関わらず、デビュー後3か月、入社して6か月後に晴れて、専属のトレーナーになりました。
そして、「なんでできないの?」と言わないトレーナーになりました。
それが実現できたのは、「なんでできないの?」と言ったトレーナーが推薦してくれたからです!
くやしい思いもしましたが、そのおかげで意気投合もしました。担当してくれたトレーナーには今でも感謝しています。
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物事の捉え方によって、人はいくらでも開花するものだと思います。
もし今、自分のスキルが伸び悩んだり、キャリアに迷いが生じている方がいましたら、ぜひ自分に向かってエールを送ってほしいと思います。
「今は修行中!」「全ては実験!」
そうすると自分なりのノウハウが蓄積されて、それが誰かのためになるかもしれません。
もしかしたら、生きている間は全てが修行中であり、実験なのかもしれませんね。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。
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