一般職業紹介状況2020年5月(1) 有効求人数30万件減

前段

昨日の労働力調査に引き続き、一般職業紹介状況で有効求人倍率などを確認する。
労働力調査では、完全失業率に表れないぶんも含めると、離職者が原数値ベースで100万人近く出ていた。(詳細は前回参照

ただ完全失業率に表れていないということは、求職にカウントされないということなので、求人倍率(求人数÷求職者数)的にはそれほど影響しない可能性はある。従って労働力調査と同様、求人・求職の減少数そのものを見ていくことが重要になりそうだ。

では4月のデータを見ていこう。

求人倍率

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有効求人倍率は、前月に引き続き今月も▲0.07とすごい落ち込みである。影響は小さいかもしれないと言ったが、まったくそんなことはなかった。
(しかしコンマ以下2桁というのは、どうしても大したことないと見えてしまう。これは何とかならないだろうか)

また新規求人倍率は▲0.41と大きく低下した。これは有効求人・求職に比較して、新規求人・求職の方が数字が変動しやすい性質を持つ※からだろうが、それにしても大きな低下であることに変わりない。

※有効求人・求職は過去の新規求人・求職の一部が積み重なり、数字が大きくなる。また、過去に出した求人を取り消し忘れたり、超絶優秀な人をワンチャンで採用できるかもしれないという意図で、実際はほぼ機能していなくても残すことがある。一方で「新規」求人はよほどのことがないと出さなくなる。

とはいえ、リーマン・ショックの頃は1を遥かに下回っていたため、その時よりはマシであるとは言えるかもしれない…今は。繰り返しになるが、これは4月の数値なのだ。5月やそれ以降、サービス業の回復はぐずぐずするだろうし、製造業の雇用影響はこれからが本番である可能性も大いにある。

求人数・求職者数に分解

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ご覧の通り濃い青で表されている「月間有効求人数」が10万の単位でガタ減りし、数ヶ月かけてフリーフォール状態である。コロナの影響で仕事がなくなり、働き口が減っているのだ。

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数表で見てみる。

これは原数値で季節調整がかかっていないものだが、対前月ベースで求職者数が数万人増えて、有効求人数は約30万件、新規求人数は約20万件減少している。季節調整をかけると求職者数も減少しているようだが、いずれにしても働きたい人の数の変化に対して、働き口がものすごい勢いで減っているのがわかる。

また、昨日の労働力調査で見た限り、求職活動を諦めてしまった人がかなりいると思われるため、それを含めると求人倍率はもっと下がるだろう。
繰り返すが、この視点は今の日本では絶対に忘れてはならない。社会保障その他の寿命にダイレクトに効いてくることになるし、単純な感情論としても、働くことを諦めなければいけないというのは悲しすぎる。

なお、就職件数は対前月、対前年同月比ともに約三分の二になっている。
次月以降、ここはどうなっていくか。
ちなみに民間人材サービスの4月〜6月の業績予測をみると、売上6割から7割といった数字が並んでいる。一般職業紹介状況の就職件数と同程度であるということは留意しておいていいだろう。

次回は雇用形態別、産業別を見ていく。


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事業会社のマーケティングリサーチャー。テーマパーク運営会社から人材サービス会社に転職。リサーチャー歴12年(現在進行形)。顧客理解を通じて自身が成長することの楽しさを多くの人に伝えていきいます。40代にして学び直しの大切さに気づいて、遅まきながら別領域も勉強中。二児の父。

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