天才的閃き

日付が変わって、もう5月6日なんですね。前回の投稿が4月22日だから、間が空いてしまいました。
最近は結構充実しています。お仕事も、ABEMATVに出演させて頂いたり甲斐日向将棋教室でオンライン指導対局をさせて頂いたり、ファンの方との交流は心温まります。

-さて、とはいえずっと家に居ると寂しくもなる。
残念ながら、こういう状況であまり色んな人から連絡が来るタイプではない。
しかし先日、幼なじみでもある某三段から突然電話が掛かってきた。
普段だったらあまり嬉しくもないのだが、(嘘だよ。)
最近全然話していなかったし、結構楽しかった。

それで、という訳でもなく、閃いたとしか言いようがないのだが、ふと中学の同級生の顔が浮かんだ。
彼とはもう1年半くらい連絡を取っていなかった。僕が四段になった時に祝賀パーティに来てくれたのに。それからなんだかんだ忙しくて、なかなか会えなくなってしまった。

同じ山本という苗字で、中学1年の時に同じクラスになって最初に出来た友達。
最初に出来た友達がいかに貴重かは皆さんもお分かりだと思う。
それから1回も同じクラスにはならなかったが、ずっと仲良かった。

ゲームが好きだったかな。とにかくありとあらゆる遊びに詳しかった。なんでそんな色々手出してるの?と聞くと「色んな人と話が合うじゃん。」と。
なかなかイカした奴だった。

それで、将棋にも興味を持ってくれていた。初めて指した時、こっちが王様一枚で負かすと、「まじかよおお」と本当に驚いていた。
それから色々教えて、彼は中飛車と美濃囲いをマスターして、8枚落ちで僕に勝てるようになった。
それ以上強くなろうとするタイプではなかったけれど、僕の奨励会の事は気に掛けてくれていた。

どこか後悔が残っていたのだろう。
棋士になった時、せっかく喜んでくれたなのにな。あの時期本当に忙しくて全然連絡出来なかった…
彼の顔が突然浮かんだのは我ながらいい閃きだと思ったが、そう考えるとある意味必然だったか。

それで、いきなり電話してみた。

久々の会話は本当に楽しかった。
「今度、近藤誠也とNHK杯で当たるんだよ」と言うと、「マジか!あの近藤誠也と!絶対観るわ!」と言ってくれた。中学の時から、''同学年で唯一自分より強い奴''として色々話していたので、友達の間でも近藤誠也の名前は轟いている。
彼は全然変わらず、元気そうだった。
途中で彼女に電話を代わられて痺れたけど。本当に元気そうだな!!!


こうやって突然閃いて連絡してみるのは結構いいかもな、と思った。あまり自分の棋風ではないけれど。
今の時期は、忙しかった時の心残りを清算できる時期なのかもしれないなと思った。
とはいえ、棋士としては孤独の中で研鑽を積むべき時期なのかなとも思う。


とにかく、凄く暖かい気持ちになれたので「妙手」だったと思う。天才的閃きだった。

山本博志


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?