見出し画像

バケツいっぱいの思い出はシャコとナマコ

伊勢は田舎だ。
それは多くの方がわかっている事実である。

田舎の人の特徴に人にあげる物の量がおかしいというものがある。
特に海の人たちに多い様な気がするが山の人たちもそうだった。
結局田舎の人のがそうなのだ。

私が今までで困った貰い物は
牡蠣とわかめである。
後輩に着物だったか着物周りの小物をちょっと貸しただけなのに尋常じゃない量の牡蠣がやってきたのである。
当時私は一人暮らしをしていた。
20代前半の一人暮らし女性に発泡スチロール二箱にこれでもかと入った牡蠣。
仕方ないので友人と2人で牡蠣パーティーをしたのであった。
焼き蒸しフライ鍋…
美味しかったですよ。

もう一つのわかめ。
うっかり実家がわかめの養殖をしている後輩に、わかめ売って〜と言ってしまったら届いたわかめが大きなゴミ袋2袋にパンパン。
冷凍すれば良いからとお母さんに持たされたのだった。
もちろん一人暮らしであった。
どちらも漁師の娘から貰った例である。
ちなみにその漁師の娘は隣の鳥羽市民である。
鳥羽市民や志摩市民は伊勢市民より量がわからない傾向が強いので要注意である。

そしてバケツいっぱいの思い出。
正確に言うとシャコはボウルでナマコがバケツである。

私は大人になってしばらく…他県の人と仲良くなるまでシャコが高級だなんて知らなかったのだ。
今でもちょっと疑っている。
自分でお金を出して食べたことがないのだから仕方がない。
というか、お店で食べたことがない。
勧められても食べる気にならない。
何故ならシャコはおやつだったのだ。
幼馴染のお家で遊んでいるとある季節(多分旬なのであろう)におじいちゃんが「シャコ食うか〜」と呼んでくれるのだ。
台所へ飛んでいくと塩茹でしたボウルいっぱいのシャコとおじいちゃんがいてニコニコしながら殻を次から次へと剥いてくれる。
それをひたすら食べる私たち。 
そんなだったのでシャコを高級なのを知らなかったし今も知らないしお店のシャコもおじいちゃん以上に美味しくできないんじゃないかと疑っている。
おそらくその頃一生分のシャコを食べたので特に食べたいと思わないのであった。

最後にバケツいっぱいのナマコ。
これは父がバケツいっぱいに貰ってくるのだ。
ナマコを。
それを父が食べるまで台所の隅っこに置いてある。
私はそれを覗き込んでオエー気持ち悪いーと叫び怒られる。
そんな思い出でナマコは食べた記憶がない。
だから一生分食べていないので今も美味しく食べています。
ナマコ大好き!

牡蠣もわかめも大好きです。
そういえば、去年海女さんの娘から大量のわかめが送られてきたんだった。
そしてそのわかめが冷凍庫に眠っているのを思い出した。
やっぱり海の民は量がわからない民だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?