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写真家・佐藤祐介さんへの3つの質問

今回の展示「ストロベリーフィールズ」に向けて、
山小屋から写真家・佐藤祐介さんに3つの質問を投げかけてみました。

◆質問その1◆ あなたにとって写真とは?

(山小屋) 写真を撮るという行為は祐介さんにとって、どんな意味がありますか? 

(祐介) えー、意味? 考えたことなかったな。だって、当たり前すぎて。それこそ、カメラとは一心同体で、体の一部という感覚です。自分の撮り方は身体的というか。写真はあって「当たり前のもの」というのが一番しっくりする言葉です。大学生の頃、22歳の頃から撮り始めました。遅めだと思うんですが、今となっては自分の一部です。

(山小屋) 祐介さんは、確かにいつでも右手に裸のままカメラを持って歩いていますもんね。体の一部ってしっくりきました。それでは、仮に明日から写真が撮れなくなったらどうしますか?

(ユウスケ)え、どうして撮れないんですか?

(山小屋)例えばですが、写真というメディアが全面的に禁止! ということになったら、どうしますか?

(祐介)…….。(無言&絶句)

◆質問その2◆ ストロベリーフィールズとは?

(山小屋) 展示タイトルの「ストロベリーフィールズ」は、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と何か関係あるのですか?

(祐介) たぶんあると思います。写真を始めたばかり頃に、自分のなかでビートルズは存在感があったので。ただ去年、この展示のタイトルを思いついたときには、全くビートルズのことは頭になくって、ただ花のほうを思い浮かべていました(注:千日紅の近縁種で、どんな花よりも長く咲き、群生する景色がイチゴ畑に見えることからその名前がついたそうです)。
ただ、展示って「昔の自分」が入ったものでもあるので、そういう意味ではビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」も少しは関係あるのだと思います。

◆質問その3◆ 宇宙人に見てもらいたい作品は?

(山小屋)宇宙探査機の「ボイジャー」に、今回の出品作品のうちのどれか一枚だけを乗せてもらえるとことになったら、どの作品を乗せますか。

(祐介)え、どういう意味ですか?

(山小屋) ボイジャーは1977年に地球から出発した無人の宇宙探査機ですが、その中に、地球外生命体に地球の存在を知らせるというミッションで、色々な歌や自然の音を集めたレコード盤も積んでいます。そのなかに作品が収録される、つまり、祐介さんが一番宇宙人に見せたい作品はどれですか。地球を見たことない人たちに見せたいもの、という感じで想像してみてください。

(祐介) ええと、面白い質問だなあ。じゃあ、「サマーガール」。

(山小屋)なるほど!すごく意外! なんで、「サマーガール」なんですか?

(祐介)えーと…….。

“Summer Girl ” 2008

以上、山小屋からユウスケさんへの3つの質問でした。
それでは、展示をお楽しみに! 
あああ、待ちきれないという方は、そんなに深くも関係していないですが、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」を聞いてみても良いでしょう。こちらがリンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=HtUH9z_Oey8
そして、なぜ宇宙にサマーガールなのかは、ぜひ実際の展示で本人に聞いてみてください!

(聞き手:川内有緒)

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strawberry fields
Yusuke Sato

Photography 2000-2018

ストロベリーフィールズ

どれだけなくそうと思っても
いつまでも残り続けるもの

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2019年4月15日-21日
13:00-20:00 最終日は19:00まで

Opening Reception 4月15日(月)19:00-21:00

会場:gallery and shop 山小屋
東京都渋谷区恵比寿1-7-6 陸中ビル1F

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花がとても好きです。ストロベリーフィールドは千日紅の近縁種。
どんな花よりも長く咲き、群生する景色がイチゴ畑に見えることからその名前がついたと言われています。
今まで思い入れなどなかった花ですが、これしかないと思いました。
花言葉も後からついてきます。「色あせぬ愛」「不朽」という感じ。やっぱり。
どんな時代を歩んでいても常にあり、どうしてか心からなくすことができなかったもの。それを自然と集めていたようです。もちろんそれも、後から知ることになります。
19年間、いつまでも残り続けてきた写真。長く変わることのなかった確かさをストロベリーフィールドとして。
みなさまと、未来に向かえるような季節に、出会えたら嬉しく思います。

佐藤祐介プロフィール
1977年生まれ。武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒業。在学中に「写ルンです」から写真を撮り始め、日々写真と向き合い続けている。様々な旅から開催する写真展、美術家のインスタレーションや、学校の広告など幅広く活動。その瞬間を独自の眼差しと空気感で掬い取る写真で、見るものを魅了し続ける。
http://www.yusuke-sato.com

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企画:MOVE Art Management
キュレーター:Sachiko Shintani
グラフィックデザイン:Chikako Oguma
フラワースタイリング:Iria Sachi Tanosaki

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