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映画感想はじめました

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「ぜいたくは敵だ!」が名言になる

「ぜいたくは敵だ!」が名言になる

大日本帝國の政策、国民精神総動員のスローガンを掲げた看板が何度か登場する。異なる意味で令和の時代へ問題提起している作品だ。

タイムスリップした女子高生の百合が特攻兵の彰とかき氷を食べに行き、砂糖だけのシンプルな味覚で『美味しい!』と満面の笑顔になる。最もリアルで説得力あるシーンだ。豊富ではないにせよ食糧はあり、特攻兵同士で和気あいあいと恋バナ、青春している様子は2005年放送の「朝まで生テレビ!

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男子禁制の敗北宣言

男子禁制の敗北宣言

バービー人形が人間界を見て現実を知る。人は幸せになっていない。夢を壊すところから始まるストーリー。エンターテイメント界全体に当てはまる事であり、敗北宣言だ。
 
少女は大人になり、愚痴をぶちまける。それが波及して人形界=バービーランドへちょっとした異変発生。異変は異常気象か。バービーランドは人間界の男性に管理される女性社会で、現実を見ないことが暗黙の了解。男性社会を知り、覚醒した男が他の男性を味方

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トラップに脱帽

トラップに脱帽

宮崎駿監督から日本国民、全人類への自戒を含めたお説教。それが今作の答えだとは最後まで分からない。舞台は太平洋戦争当時という何度も語り継がれて来た背景。娯楽としてはちょっと角度を変えての鑑賞が必要というのは過去の経験から認識してはいた。

アニメーション、ジブリのソフトなタッチ、愛嬌ある動物のキャラクターたちによる掛け合いに肩の力を抜かされた。そこへ難解なストーリーである。謎解きに引き込まれて真剣に

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深海と純愛がシンクロ

深海と純愛がシンクロ

オープニングで観た深海の世界とそこで育ったマーメイドの純愛がシンクロして行く。地上、人間、男性の限界。水の中で育ったアリエルは無色透明。一途に突き進む姿は新鮮で眩しい。魔女の化身ヴェネッサの美貌が目を引く故にそれは際立って行く。壁を越えるのも彼女の愛によってだ。ラブストーリーであると共に全ては描写でもあり優しい作品である。

強烈な皮肉に無知を痛感

強烈な皮肉に無知を痛感

『怪物だーれだ』は劇中にも度々登場する台詞であり、テーマである。1人1人にスポットが当たり、多角的な検証に参加する形での鑑賞。新たな事実を次々に突き付けられて視点は二転三転。歴史物、戦争物なら時代が違う、或いは距離があるので他人事として構えていられるが、本作は接近戦。問い掛けになっている。

タイムリーな課題を取り上げていて刺激に翻弄されるが本題は別だ。強烈な皮肉に価値観、人生観を揺さぶられて無知

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全てを引き継いだデビュー作

全てを引き継いだデビュー作

幼なじみが出所して20年前の復讐に来たというストーリーは現在の国際情勢を想起させる。米中関係。日本で言えば、対中国、韓国、北朝鮮だ。パワフルで時には手段を選ばず。友好的に接して来て徐々に姿を現し頂点に立つ。歴史的には向こうが兄貴分でこちらに過去の負い目があるという点も同じだ。

娘のいじめで夫婦間が口論となり、闘って解決することもあるとクリードが訴えた。これが本作のテーマであり、アメリカとの文化の

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シン・スラムダンク

シン・スラムダンク

作者の井上雄彦さんが映画化にGOサインを出したのは2014年とパンフレットに書かれている。8年前。東日本大震災の3年後である。原作をただなぞって同じものを作ることにそそられなかったと話されているが、単行本発行部数1億2000万以上でテレビアニメ化もされた大ヒット漫画を劇場用に作り替えるのは困難で勇気が必要だっただろう。チャレンジは成功。「スラムダンク」らしくリアル且つ無理なく描かれている。「週刊少

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神様が役割を放棄する

神様が役割を放棄する

「君の名は。」同様、東日本大震災へのレクイエムを通して現代社会に問題提起している。ここ3年の盆、墓参り、祭り、初詣などの供養、参拝が縮小、延期、後回しにされた。新型コロナウイルス感染防止のためたが、神様が役割を放棄、扉が開いて"ミミズ"の出現はスタンス偏りへの警告の様でもあり、震災で築き上げた絆をソーシャルディスタンスが再び破壊したことへの怒りの描写にも見える。さらに遡れば構造改革による終身雇用性

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ディズニーからの警告

ディズニーからの警告

美南ちゃんが薦めていたので

鑑賞して来ました。

私もキャンペーンに参加。テーマは共存共栄。逆ドラえもんの様な作品はトランプ前アメリカ大統領、中国、今ならロシアへのメッセージか。日本も他人事ではなく含まれるという現在の状況への問題提起にもなっている。世代を超えたチームというのはリアリティがある。あなたにとっての「バズ・ライトイヤー」とは何か?これはディズニーからの警告である。

挑戦  勇気とカムバック

挑戦 勇気とカムバック

テーマは挑戦だ。若い人達には勇気。前作を観ている50歳以上にはカムバック。コンピュータ化との闘いは裏テーマである。敵地で襲いかかってきたのは紛れもない人間だった。生々しい戦闘もパイロット技術と共に消えていくのか。彼らとは呉越同舟。戦友。この作品では未来への答えは出していない。助ける。生還して笑顔で抱き合う。絆は変わらず。受け継がれて行く。

神様がバディに

神様がバディに

昔は神様だった。ちょっとらしからぬ行動をした位で危険だからとの抹殺計画や怪獣、宇宙人に負けることは有り得ない。だからこそ最終回でゼットンに敗れたことは伝説となり、次のセブンからやられることは無くなった。バディ。岩波書店の広辞苑によると『二人組の一方。また、なかま。相棒』とある。神様がなかま、相棒に。これが今作のテーマである。放射性物質、無責任、SNS。ディテールはリアルだ。リアリズムは現実主義、写

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最強タッグに拍手

最強タッグに拍手



ターザン山本さんが鑑賞し、先日加藤美南ちゃんも観た。面白そうなので私も行ってみようとなったわけです。山本さんはネタバレ上等。美南ちゃんは考慮したかもしれないが、2人はミステリーという視点では話していない。恋愛映画だ。ダンスを習いたい。木村拓哉さんに惹かれる人の気持ちを理解出来た。簡単に言うとこの3つである。他に予備知識なし。前作も観ていない状態でユナイテッドシネマ新潟の席に座った。

音楽、風

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コロナ禍のラブレター

コロナ禍のラブレター



全編がミュージック。世界ツアー。私は韓国語を知らない。リズムとテンポ、それに美女に圧倒された。彼女たちには日常感が無く、竜宮城、ディズニーランドの世界だ。BLINKとは公式ファンクラブの名称。会いたい。後半のインタビュー箇所ではメンバーそれぞれが口にしている。この作品はつまりラブレター、私信なのだ。コロナ禍に相応しく理屈抜き。明るく、楽しく、スケールの大きい映画である。彼女たちのライブも観てみ

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あれ?ノート型パソコンは?問われる立ち位置

あれ?ノート型パソコンは?問われる立ち位置

ノート型パソコンを持ち歩き、オフィスではなくカフェで仕事をする。ノマドワーカーとは日本ではカッコ良く、意識高い人。しかしアメリカは違う様である。登場するのは季節労働者。日本で言うネットカフェ難民に近い人たちだ。本作がアカデミー賞で作品、主演女優、監督の3賞に選ばれたということは海の向こうでも社会問題化しているのだろう。鑑賞者のスタンスによって見方の分かれる映画である。

淡々と続くストーリー。ドキ

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