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もう一度読みたい良記事

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あ、いいこと言ってる! これはすごい! もう一回読みたい! という記事を集めています。(*´ω`*) 感動メモみたいなマガジンです。
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小説 ファッキン・ナイス・ワーク #6

小説 ファッキン・ナイス・ワーク #6

 その日の朝、奇妙な依頼が来た。とはいえ俺に寄せられる依頼はだいたい奇妙なものなのだが、それはいつものような程度ではなかった。
 爆弾を作ってくれというのだ。そんなものの作り方などちょっと調べればわかる。ネットのアンダーグラウンドーーいまではダークウェブというのだろうか?ーーを漁れば、たいていの非合法なものは製法が見つかる。爆弾はもとより、銃、麻薬、贋金、その他の違法なものの手引き。
 依頼のメー

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作業日誌 セルフハンディキャップの逆

作業日誌 セルフハンディキャップの逆

 セルフハンディキャップ(セルフハンディキャッピング?)というものがある。読んで字の如くで、自分にはハンデがあったと主張することだ。これをやっておくと勝負に負けたときにいいわけができる。「本気を出してなかった」とか「どうせ遊びだから」とか「ちょっとやってみただけ」とか。こういうのがあまりよろしくない。いかがなものかと。勝負しに来ておいて「本気じゃない」「遊びだ」「やってみただけ」、その態度は勝負師

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断片 人体は様々な臓器によって機能しています

断片 人体は様々な臓器によって機能しています

 小説を書いている。いまもうぶっちゃけ小説のことしか考えてない。小説と人生のことを考えるのが小説家の仕事なのだという。であればやってることは既に小説家でしょうが。そうでしょうが。作品において、部分的にはここでこうでこう、みたいなところができつつあり、そうしてほぼ完成したパーツがあり、このパーツというものは人体に例えればひとつの臓器みたいなもんであって、なかなかにデッカい。重要である。だんだんと培養

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ガリィの戦いと祈り 『銃夢』について

ガリィの戦いと祈り 『銃夢』について

 ヘッダ画像は無関係です。

 『銃夢』を推します。ガンム、と読みます。中学生のときに地元の古本屋で手にしたこの漫画が私の人生をいくらか変えたものです。影響は受けた。崩壊してたり荒廃してたりする世界を書きたがる傾向は明らかにここから。

 何年か前に『アリータ:バトル・エンジェル』というタイトルで映画にもなって、いやあれもよく作ったもので実に見事だったんですけど、やはり原作に親しんでいるので、どち

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断片 生きろと呼ぶ声が聞こえ

断片 生きろと呼ぶ声が聞こえ

 生きてりゃ死ぬわい、とは中上健二の小説の中に出てくる台詞。作中あっさりといわれるこのひとこと、何回思い出しては頷いたかねえ。プラスとマイナスのように生と死がある。陽と陰、朝と夜、光と闇、そんな感じの両極だ。いや、別に誰かが死んだとかそういうことがあったわけでもなく、この断片のタイトルに引っぱられて書いているだけなのだが。人間どうせ生きているうちのことじゃないの、とは山本周五郎の小説の台詞。なんか

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断片 よさげなものに飛びついていくスタイル

断片 よさげなものに飛びついていくスタイル

 ほぼ日刊イトイ新聞をちょくちょく見ている。トップページのエッセイをよく読むんですけれども、未明に思わぬ収穫があった。糸井さんがなにかよさげなものを使っているようだった。ワープロソフト、いやいまはソフトとはいわないのか、ワープロアプリですね、それがどうもよさげだった。縦書きができるというので、そのiライターズというものをとにかくアプリストアでいってみた。飛びついた。小銭程度の代金である。そんでその

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親ガチャと異世界転生の夢、及び十四年前の田中ロミオの解答

親ガチャと異世界転生の夢、及び十四年前の田中ロミオの解答

 結論から。これはシンプルな話で、親ガチャという考え方と異世界転生ものの作品の流行はセットだよねってこと。

 詳らかに書く。最初に親ガチャという言葉をいったのはどこのキッズか知らんが、親を選べないことをいったのは何もここ最近のことではなく、古代ローマ時代には既に記録が残っている。以下、その聖賢の言葉。

 われわれはよくこう言う、親というものは偶然によって人間に与えられるもので、どの親が割り当て

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断片 コト化するモノ

断片 コト化するモノ

 事をコト、物をモノと書く場合がある。車をクルマと書くような感じか、雑誌なんかではよく見かける表記だ。なぜわざわざカタカナにするのかはわからない。おしゃれじゃないでしょこれ、別に。だって「ハッピーライフをランクアップするための三つのコト」とかいわれてもねえ。とはいえ「幸福ナル日常ヲ格上ゲスルガ為ノ三件ノ事」とか書かれたら、何やら戦時中の新聞みたいで雰囲気がよくないのだった。気楽にコトだのモノだのと

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多くの人に応援される、たった一つの方法

多くの人に応援される、たった一つの方法

イラストレーター・取材&コラムニスト・陽菜ひよ子です。

わたしは長くイラストの仕事を中心にお仕事してきましたが、2020年秋に出版した『ナゴヤ愛』をきっかけに、2021年春から中日新聞広報誌・AD FILEのコラム連載『ナゴヤ愛はどこにある?』が始まり、取材してコラムを書くお仕事が増えてきました。

このお仕事『AD FILE』はもちろん、わたしの著書『ナゴヤ愛』も、多くの方からの力添えや応援、

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断片 世界の終わりがそこで見てるよと

断片 世界の終わりがそこで見てるよと

 出かけるたびにウイルスの侵入を防げたかどうか、いちいち気にしなければいけないことが、やはりこの二年ほど不便ではある。でもマスクは意外と快適なもので、これはウイルス云々というよりも、顔を覆うことで他人からの視線を遮断し、軽い匿名性を得て安心できるという、そのような点で気楽なのである。誰が誰だかわからんのだ。

 友人とヒゲの話をする。私はいま伸ばしっぱなしであり、ただ生来濃く生えるほうではないので

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プチ神学

プチ神学

 キリストさんのことをときどき考える。信仰としてではなくて、あの人はどういう人なのかを知りたいのだった。もとよりあたくしは何も知らない。あの人、といういいかたが正しいかどうかさえ知らんのだが。

 ぼんやりと考えてきたのが、磔刑の中での「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」という叫び、つまり「神よ、なぜ私を見捨てたのですか」という意味のあの言葉。

 それが最近ちょっとわかった、というか仮説を立てるに至

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すげえひさびさにKindle Paperwhiteを使った。完全にゼロだったバッテリーを充電して、以前買ってた積読をめくってみれば、おう、おもしろい。本はいいね。ずっと読んでいられればしあわせかもね。読書で疲れるのではなく、疲れが読書で癒されるのが本物だという。そこまで行きたい。

有神論、無神論、不可知論

有神論、無神論、不可知論

 今回もビッグなチャレンジですぞー、と、今月いくらかの本を読もうという個人的な努力、いま六冊目と七冊目を同時進行している次第。時間の割り振りやサボりやスケジュールを考えてみれば目標に間に合わない可能性もある。だが脳に知性的栄養がバシバシ入ってきていて、いまちょっとあたくし賢い状態にあると思う。神経細胞がうねりまくっている。一時的なものだとしても。

 ちょっとアウトプットしないと頭がパーンと割れそ

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横尾忠則の展覧会に行ってきた

横尾忠則の展覧会に行ってきた

雑感など。

展示を見ていって、綺麗な絵もいっぱいあるんだが、美しさを突き抜けたとこに行ってる作品も多々。こちらの美意識、美の観念を試されてる状態かね。観ててわかるのは「本当に絵を描くことが好き」だってこと、そんなのはまあ当たり前なんだけど、その欲求、愛情がすげえことになってた。

技術は極めてある。Y字路なんかの迫力ある作品でわかる。そうしてその上でさらに次のとこに行っちゃうんだね。完璧に描ける

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