生まれてはじめて食べたフグ
何でも最初に口にする時は勇気がいるものですよね。今になっては大好物なんですけど、生まれて初めてフグを食べる時はドキドキしました。そのドキドキのお話はブログの後半でご紹介します。
「やまだのよもだブログ」にようこそ。俳句とイラストが趣味の90歳のおばあちゃんとアナウンサーだった60代の娘の日常の面白トークや仕事の体験談などを書いています。
これまでの取材活動でいろいろな場所に行って、様々な体験をしました。その経験が私の人生を紡いでいく中でとっても役立っています。そんな中から少しずつお伝えできればと思っています。今だから話せることもいっぱいあります。
【ばあばの俳句】
名物の文楽もなか山粧ふ
友人が文楽もなかを届けてくれました。町の中心を緩やかな肱川が流れる城下町大洲(おおず)の銘菓です。これからの時期は周辺の山々が紅葉で彩られます。その風景に思いをはせて詠んだそうです。
【毎日がミニバトル:山田家の女たち】
伊予弁丸出しの母と私の面白トークです。今日のテーマは・・・
【あんた活舌が悪いんよ】
小さい文字が見えずらい母にブログの文章を読んで聞かせてあげています。
今日は読み始めるとすぐに
「あんた活舌が悪いねー。はっきり口を開けんかね」
と厳しいことを言ってきます。
「お母さん、最近、相当耳が遠なったんじゃない」と私
「そんなことないわい、あんたの読み方が悪いんよ」と
「そんなこと言うんじゃったら、もう読まんよー」と私。
子ども同士の会話のようですが山田家の女たちの日常です。
母は現役時代から私の仕事には大変厳しく
ほめられたことはほとんどありません。
ブログを音読するだけでもこんな感じですから。
母に近づいて、もう一度大きな声で読み始めると
「なかなか面白いねー、昔、取材でこんなとこに行ったんかねー
それは道中も大変じゃったねー」と
活舌の悪さを指摘したのが何時のことだったかと思うように
ブログの内容に聞き入っていました。
「あんた、これさっき書斎に行った間に書いたんかねー、やること早いねーそじゃけど肝心のタイトルのことが書けてないわい」と母。その通りでした。どうやら適当に聞いているわけではないようです。
「お母さん、耳は遠いけど流石、細かいねー」と私
いやー、本当に母にはかないません。
今の想いやアナウンサー時代の体験談、話し方のノウハウなどを書いています。
【生まれてはじめて食べたフグ】
街かどでコートの襟を立てる頃になると毎年、必ず、ちょっと贅沢な料理を
いただきます。
大好物の“フグ刺しです。
ポン酢にあさつきともみじおろしを入れて薄切りのフグをさっとつけていただくあのシンプルなおいしさ。
お気に入りの日本酒があったらもう言うことはありません。
冬の楽しみに一つです。
私がフグ刺しを初めて食べたのは24歳の時。
その頃は「フグ刺しなんて絶対食べたくない」と思っていました。
何故かって、フグの毒が怖くて仕方がなかったのです。
どうして大人はフグ刺しがあんなに好きなのか「一生食べなくてもいいわ」と思っていました。
それは食べず嫌いでした・・・。
当時、「酒」という雑誌を発行して、評論家として活躍していた佐々木久子さんと新春特番の司会をすることになりました。
打ち合わせ場所は味に定評がある和食店です。
佐々木さんはお酒の知識はもちろん食通でも知られていました。
その日、会食で出されたのがフグ刺しでした。
大皿に盛られたフグ刺しに手を付けない私を見て佐々木さんが
「あなたフグ刺し食べないの遠慮しないで一気にすくってお食べなさい」と勧めてくださいます。
「私、今まで一度も食べたことが無いんです」と答えると
「あら、アナウンサーは何でも体験、食べなくっちゃ。食べず嫌いなんでしょう・・・食べてみなさいよ」と強い口調でおっしゃったのです。
私はフグの毒が怖いとはおくびにも出せませんでした。
恐る恐る一枚とって、ポン酢につけて食べようとすると
「もっとたくさんが美味しいのよ、歯ごたえがあってね」と佐々木さん。
仕方なく数枚まとめて食べたのが人生初のフグ刺しでした。
一口運んで“あらっ、美味しい、淡白な味だ”
「ほら、美味しいでしょう。好きになるわよ」と佐々木さん。
その通りになりました。
フグ刺しを食べるとひれ酒も飲みたくなって日本酒がどんどん進みます。
書いているうちに仲間とフグ刺しを食べに行きたくなりました。
今日も「やまだのよもだブログ」読んでいただいて本当にありがとうございました。明日も更新します。
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