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コラム23 通所介護でのリハの1場面

非常勤で関わっている通所介護事業所のことです。

私は不定期で月6回くらい出勤しています。

機能訓練に関する加算(通所介護事業所なのでリハビリテーションではなく、機能訓練という名称になります。)については、看護師さんがスタッフとして関わっています。

だから私の勤務の有無に関係なく機能訓練加算は算定できる状態が整っている事業所です。

看護師さんへのリハビリテーションに関するプログラムの指導や利用者さんの評価、リハビリテーションの実施などに関わっています。

管理者さんからの要請で、非常に短い時間でも構わないのでなるべく多くの利用者さんに関わってほしいとのことで、そのように動いています。

人によっては5分くらいしか関われないこともあります。

そんな中で、「自主トレとADL指導」を中心に関わっている利用者さんがいます。


こんな流れで関わっています

関わり方はこんな感じです。

現在の生活での困りごとや上手にできない課題について、ご本人さんが話してくれる

その困りごとを通所の現場で確認する

上手にできない「課題」や「活動」の原因について、動作や運動の分析などを行う

分析に基づいて、自主トレの指導をしたり、その「活動」で行ってほしい運動の方法や動作の工夫などをお伝えする。

ここまでの流れで、5分~7分くらい。

その利用者さんが生活するうえで困っている課題はたくさんあるのですが、かなり具体的にピンポイントに話してくれるので、解決すべき課題は「1つ」もしくは「2つ」くらいなのです。

通所介護は3時間2回転で動いており、3時間で多い日には15人くらい来所されます。集団体操なども実施しているので、個別対応できるのはトータルで2時間くらい。その時間に多くの利用者さんに関わるので結構バタバタと動きます。

だから、この利用者さんは、たくさん聞きたいことがあっても「1つか2つに絞って」くれているのです。自分一人で時間をかけてもいけないと気を使ってくれています。

こんな感じの課題

「照明のスイッチを人差し指で押す」

「ペットボトルを上手に開ける」

ってかんじですね。

照明のスイッチってのは、廊下の壁にあるスイッチのことです。片麻痺で手指をうまく動かせないので、手の甲で押したり「ぐ―」で押したりしていたとのことです。

「やっぱりスイッチはスマートに人差し指で押したい」

ってことでした。

だけど5分くらいしか関われない。

だから、評価・分析⇒自主トレ指導⇒次の来所日に話を伺って、分析・指導⇒また次の来所日に報告聞いて対策考える

ってことを繰り返しています。

うまくいけば、次の課題の提案が来る。

どうやっても、うまくいかなければいったん保留にして次に進んだり、今までの方法で実践する。という形で日々色々お話を聞きながら対応しています。

触らないでも対応できる

この利用者さんは、いわゆる片麻痺患者さんです。

病院でもリハビリの経験があり、理学療法や作業療法がどのようなものかということはきちんとご理解されています。

ホントはがっつり触ってほしいという思いもあるかもしれません。

だけど、本人さんと通所介護でのリハビリテーションの方法について話し合い、現在のstyleで実践することに理解をいただいています。

私が関わらない時間の方が生活では圧倒的に多いので、必要最小限の関与で最大の効果を発揮する方法を考えています。

5分しかない時間をストレッチや可動域訓練だけで終わることはありません。

事業所の方針が大事です

こんな動き方をしている通所介護事業所のセラピストは少ないかもしれない。

でも、管理者さんの方針が明確なので私はこのような動きや考え方で対応しています。

事業所においてどのようなリハビリテーションをおこなうのか、セラピストがどのような方針で行動したり対象者さんに関わるのかという事業所の方針というものがものすごく大切なのだと感じています。


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