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【探究堂日記 #44】オリジナル色紙でカラフルな紙芝居が完成! コロナに負けない展示の工夫で意外な効果も

部屋の畳一面に広げられた色紙。
子どもたちはそれらを横目に、紙芝居の絵の構図を考えています。

たくらみ中学年(小学3・4年生)クラスが取り組んできた「色」プロジェクトも佳境です。

構図を検討するにあたり、私は彼らに一つアドバイスをしました。
それは「はらぺこあおむし」の作者エリック・カールのようにダイナミックに描いてみようということ。
自作した色紙の鮮やかさを最大限に活かしてほしかったからです。

改めてみんなで「はらぺこあおむし」を眺めてみると、その大胆な構図にはっと驚かされました。
今回、私たちが製作するのは紙芝居なので、遠くから見ても内容がわかることがより強く求められるのです。

「これくらいでっかくてもいいよね?」

最初はこじんまりした絵を描いていた子も、次第に画用紙いっぱいに表現し始めます。

作業を進める中で、また新たな課題が浮かび上がってきました。
ある子の作品は単調な構図が続き、平凡でつまらない印象を与えてしまっていたのです。

観客に強い印象を残すためには、どの場面を切り取って、どう見せるかが重要になってきます。

ああでもないこうでもないと子どもと一緒に考え、構図を見直すと、登場人物が生き生きと動き始めます。

絵の下書きが完成すると、いよいよコラージュ制作に取り掛かります。

「この模様、なんか魚の鱗みたいやし、良いかも」
「トビの羽に使えそうなのは……あった!」
「ゴミ袋っぽい色のあるかなあ」

たくさんの色紙を前に、子どもたちは想像を膨らませます。

作品をイメージして色紙を作った訳ではないのですが、なぜかそれぞれの場面にしっくりくるものが必ず見つかるのが不思議です。

彼らは下書きの線に合わせて色紙を切り取り、それらを画用紙に貼り付けていきます。

色紙の模様をそのまま活かして大きく切り取る子がいるかと思えば、細かい部品に切り分けて組み合わせる子もいたりして、こんなところにも性格が表れます。

いつもはおしゃべりでにぎやかなクラスですが、切り貼り作業に没頭する様子が見られました。

本プロジェクトの締めくくりとなるのはストーリーの仕上げです。

起承転結に則って4コマ漫画形式で紙芝居を製作してきた子どもたち。
紙芝居としての質をさらに高めるため、「情景」「心情」「会話(台詞)」の3つのポイントを意識しながら、ストーリーを洗練させていきました。

出来上がった作品をひとつご紹介いたします。

コラム(44)写真_2

◎1枚目
ある夏の昼過ぎ。
のどかな海岸の上空を一羽のトビがグルグル輪を描いて飛んでいました。
「ああ、お腹すいたなあ……」

◎2枚目
「あんなところに魚が打ち上げられている」
そう言った途端、トビは砂浜の魚めがけて急降下しました。

◎3枚目
すると突然魚の裏から一匹のカニが現れました。
カニは目の前のごちそうを食べようとしました。
バコーン!!
魚めがけてつっこんだトビとカニが頭をぶつけました。

◎4枚目
なんと、ぶつかった衝撃でトビとカニが合体してしまいました。
カニの体にトビの羽がついてしまったのです。

今回のプロジェクト発表会は、新型コロナウイルス騒動の余波を受けて、いつもとは異なる展示会形式で実施することにしました。
頻繁に換気を行うだけでなく、クラスごとに来場時間をずらして密集状態を防ぎます。

部屋の長机の上には、思わず目を引く作品が並びます。

前半に来場した低学年クラスの子どもたちは、先輩たちがどんなプロジェクトに取り組んできたのか興味津々。
お父さんやお母さんに読み聞かせをお願いし、紙芝居の世界に浸っている姿があちこちで見られました。

聴衆を前にした少し緊張感のある発表の場も良いですが、今回のように彼らの作品を一つ一つじっくり見られる発表形式も悪くないと気づいたのが個人的な発見です。

後日、保護者面談の際に、中学年クラスに在籍する子のお父様からこんな感想を頂きました。

そのお子さんは幼稚園の年長くらいの頃から他者と比較して劣等感を持つようになり、それが表現することへの苦手意識につながっていたとのこと。
探究堂に通い続けてきたことで、表現に対する自信が出てきたように感じるとおっしゃってくださったのです。

自分の気持ちや考えを素直に出すことが探究する学びの基盤になると考える探究堂にとって、この言葉はこれ以上ないくらい嬉しいものでした。

これからも子どもたちとともに楽しく学び、彼らの可能性を引き出す教育を実践し続けたいと思います。

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教育家/探究堂代表。1975年生まれ、京都府出身。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾『探究堂』を開校。認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。http://tanqdo.jp/
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