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【探究堂日記 #34】映写機で投影、身近なアレが見せる意外な顔 和紙、タマネギの皮…

ぷれりか(幼児)クラスでは、1年で6つのプロジェクトに取り組みます。
ついこの前入塾式を開催したような気持ちでいましたが、早いもので12月より5つ目のプロジェクトに突入です。

「今度のプロジェクトは『光』がテーマです!」

プロジェクト初日。
私がそう切り出すと、子どもたちは首をかしげて、頭にはてなマークを浮かべていました。
光を使ってどんなことをするのか、彼らはイメージが湧かない様子でした。

いつも通りテーマに関して思いつくことを確認するところからプロジェクトはスタートします。

「光と言ったら・・・電気!お金払わないと光らへんねんで」

真っ先に手を挙げたSちゃんが元気よく答えてくれました。
なんでそんなこと知ってるの?もしかして家の電気を止められたことがあるの?
なんとも無邪気な発言に保護者の方から思わず笑いが起こります。

「うーん、太陽光パネルかなあ。どうやって電気をつくってるかわからないんだよねえ」

物知り博士のKくんには以前から気になっていた素朴な疑問があるようです。

「ストーブじゃない?だってほら、明るいし」

Nちゃんは教室の隅で部屋を暖めてくれている石油ストーブを指差します。
彼女にとって火と言えば赤色のイメージが強く、ストーブが放つオレンジ色の光との違いが気になるとのこと。

不思議と一度発言すると、その後は次々に意見が出てくるようになります。

「私の腕時計、ボタン押すとライトが点くよ」
「歩くたびに光る靴もよく見かけるよね〜」
「知ってた?光るパジャマっていうのがあるねんで」

身近なところに人工的な光が使われていることもよくあります。

「太陽って雲がかかると白っぽくなんねんなあ」
「夜は月が光ってる。なんで月って歩いてもついてくるんやろ?」
「雷の光は黄色っぽい!」

自然界にはさまざまな色の光が存在しています。
この色の違いは何なのでしょう。謎は深まるばかりです。

みんなの意見が模造紙を埋めつくしたところで、私はぷれりかキッズの前にある機械を差し出しました。
昔懐かしいスライド映写機です。

この日は主たる活動として、スライド映写機を使った「色と形遊び」を行うことにしました。
スライド映写用のフレームにいろいろな素材を挟み込み、それを拡大して壁や天井などに映し、その色や形を楽しみます。

まずはスライド映写機の仕組みを知ってもらうため、ネジを外して内部の構造を見てもらいます。
不思議な機械にみんな興味津々です。

スライドの素材としては、カラーセロファン、布地、和紙、水切りネット、糸、玉ねぎの皮、鳥の羽根などを用意しました。

「わあ、この紙(和紙)、すきまだらけ!」

カラーセロファンの重なる部分は色が濃くなったり、糸のほつれが意外に目立ったり、玉ねぎの皮に面白い模様が見えたり。
素材を拡大して見てみることで、いろいろな発見があります。

予め作りたいものを頭にイメージし、スライド制作に取り掛かる子。
とりあえず思いつくままに材料を選んで、予想外の結果を楽しもうとする子。
小さなフレームに収まるよう、素材の配置や重なりを意識しながら、自分オリジナルのスライドを作っていきます。

ぷれりかキッズはお気に入りの作品ができるまで何度も作っては壊し、作っては壊しを繰り返します。
1時間休憩なしの作業でしたが、集中力を切らさず夢中になって取り組んでいました。

最後は部屋を真っ暗にして上映会を開催しましたが、それぞれの個性が光るとっておきの一枚が完成したように思います。

「次はどんな遊びをするんやろ?」

子どもたちは早くも来週の授業が楽しみのようです。


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