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無意識って何!?《わかりやすく優しく解説しますシリーズ!~精神分析における無意識の発見~》

みなさんこんにちは!
大学で公認心理師を目指して心理学を勉強中の”とんぷ君”です!!

今回は≪精神分析≫”無意識”について紹介していきます!!!!


1:精神分析って何ぞや?

 先ずは、精神分析とは何かについて話していきたいと思います。

 みなさんは精神分析という言葉は聞いたことはありますか?日常生活ではあまり馴染みのない言葉ですよね?でも実は精神分析学の用語でも日常生活でよく使われているのがあります!

それは、、、≪無意識≫です!

 無意識は精神分析の創始者ジークムント・フロイト(1856~1936)≫が心理臨床に基ずく経験と自らの体験から発見しました。まさに精神分析とは無意識を研究する学問ともいえるでしょう!
 しかしフロイトが思い描いた無意識は、私たちが想像する無意識とはかなり異なるものです。

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ジークムント・フロイトの写真

2:フロイト以前の”無意識”の感覚

 フロイトが無意識の発見者であることは広く知られています。しかし、フロイトが提唱する前から無意識は存在していたと考えられるのですが、フロイト以前の人々はどのように無意識を見ていたのでしょう?

 フロイトが生まれるもっと前、古代や中世では既に無意識の感覚はありました。

しかしそれは洞察的ではなく、感覚的に、です。

 古代の人々は人間の意識できない行動は精霊悪魔などの仕業だと考えていました。つまり、現在の精神疾患のような症状は悪魔や霊がその人に憑いて起きているという、超常的な現象としてとらえていたのです!(古代の精神疾患と現在の精神疾患が同質のものかは議論の余地があります笑)。

 このことから、古代の人々は無意識というものは理解していないものの、その存在は潜在的に感じていたと言えるでしょう。また、悪魔祓い(エキソシズム)や陰陽道など、シャーマニズム的儀式が精神治療の役割を担っていたと言えるでしょう。

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写真のリンク先:https://jp.freepik.com/free-photo/los-angeles-united-states-jun-17-1985-devil-tempts-jesus_14889274.htm


3:無意識発見までの心理学の流れ

 フロイトの無意識の発見は、彼自身が優れた感覚を持っていたというより、その時代的背景も大きく影響しているといっても過言ではありません。

 まず、フロイトが無意識について精力的に洞察を始めた1890年代以前の心理学の流れを見ていきたいと思います。

~哲学の時代~

 人の心を理解したいという欲求は古代ギリシャから始まります!ギリシャ哲学の真理の探究の対象は多岐に及び、人の心もその例外ではありませんでした。しかし、当時の心の探究は哲学的(例えば、魂はどこから来るのかなど)であり、科学的なものではありませんでした。そして、人の心の探求は、なんと約2300年もの間、哲学にその身を委ねることになります!
 ここでは残念ながら、心の中でも”意識的なもの”が探求のテーマでした。無意識の出番はまだまだ先になります。

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☝魂について洞察したプラトン

~心の探求が科学的学問に近ずく19世紀~

 19世紀になると心の探求に新たな風が吹きます。生理学の発展を受けて心の探求は1つ上の段階へと上ることになるのです!当時、人の内的反応を科学的にとらえる方法論として生理学が隆盛していました。その時に、外からの刺激に感覚がどう反応しているのかを研究する精神物理学フェヒナーが創設しました!
 これをきっかけに意識できない何かの働きがあることが示唆されていくのです。

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☝グスタフ・フェヒナーの写真☝

~心理学の成立~

 精神物理学の影響を受けて、心理学史の中で非常に大事な年として位置付けられる1879年ヴィルヘルム・ヴントライプツィヒ大学に心理学実験室を設置したところから、心理学という学問が産声を上げます。

 ヴントは心の研究は”意識”を対象とすべきであると考えました。意識は様々な要素の集まりでできているという、元素論的発想で心をとらえていたのです。

 このことから、心理学の世界は意識に対しての研究が盛んになっていきます。

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ヴィルヘルム・ヴントの写真

 以上のことからフロイトが生きた19世紀後半は心理学が科学的学問に生まれ変わった時期であり、スポットライトが当たっていたのは意識の研究だったのです。一方でどうやら心の働きには意識的なもの以外の仕組みがありそうだということが分かってきていました。しかしこれは実験的な心理学の話であり、精神疾患やその治療法という観点からは、これだけで理解するというのはあまりにも言葉足らずでした。

4:無意識の発見

 そんな時代に生きたフロイトですが、実際に意識とは真反対に位置する無意識の存在を認識し始めたきっかけは何だったのでしょう?実はフロイトは無意識をヒステリーの研究から見出したのです。

~ヒステリーの研究が無意識の発見につながる~

 ヒステリーというと、ちょっとしたことですぐ頭に血が上り、怒りがなかなか収まらない様子を思い浮かべると思います。

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こんな感じかな?笑

 しかし、精神医学では”神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(ICD10)の古い呼称”です。ストレスによって、器質的には問題がないが身体にある症状が出ることをヒステリーと呼んでいました。例えば、のどには外傷や神経損傷などの問題が何もみられないのに声が出なかったり、脚の神経や筋肉、骨などには何も問題はないのに脚が上がらなかったりなどの症状が当てはまります。

~フロイト、催眠術と出会う~

 フロイトは17歳でウィーン大学に進学し医学を学び、卒業するとウィーンで開業し臨床医となります。そして、パリのサルペトリエール病院へ留学し、神経学の権威であったシャルコーに師事しました。シャルコーはヒステリーの治療を催眠によって行っており、フロイトも催眠療法を学びました。

 そこでフロイトは催眠時になる、特殊な意識の状態に目を向けます。それはトランス状態(催眠状態)というものです。これは日常的な意識の状態とは明らかに異なるものです。このトランス状態になると目はうつろになり、身体には力が入っておらず、まるで意識が抜けてしまったように見えます。しかし、暗示をかけるとそれに抵抗を示さず従い、時には暗示によって幻覚や幻聴まで体験させられるようになるのです。
 
 そんな中、フロイトが様々な症例を見るなかである症例に出会います。先輩精神科医であるブロイアー(Breuer, J.)の患者であったアンナ・Oです。

 ブロイアーは催眠を用いてアンナ・Oの治療をしていました。治療を進めるごとにアンナは催眠状態の中で、過去に起きた本当は認めたくないと思っている強い情動を伴った体験を思い出し、それを語りました。すると不思議なことに、訴えていたヒステリーの症状が消失しました。しかし、深い催眠状態では催眠時の記憶がないことがあり、その場合は症状が改善されにくい傾向がありました。

~フロイトが考える無意識とは~

 フロイトはトランス状態(催眠状態)やアンナ・Oの症例などから、人の心には意識ではとらえることのできない領域が存在することを確信し、その領域を”無意識”と呼んだのです。この発見だけでも偉大ですが、フロイトの洞察はこれで終わりませんでした。無意識と意識は互いに影響しあっており、意識は対峙したくないと思う都合の悪い感情などを無意識に追いやり、見ないようにする(これを抑圧という)と考えました。そしてそれらを無理やり無意識に押し込んだものですから、意識に上ろうとする力が働きます。それを押さえつける過程で神経症を発症すると考えたのです。
 このように、私たちがいつも使っているような意味での無意識の解釈より、相互影響的で複雑性がある、つまりより動的なものとしてとらえたのです。

5:参考にした参照するべき文献

図解人の心がわかるフロイトの話
精神分析とユング心理学
図解心理学用語大全
心理学検定基本キーワード
New Liberal Arts Selection心理学

6:終わりに

 いかがだったでしょうか?心の働きのうちの無意識については少し理解を深められたのではないでしょうか?
 フロイトはこの無意識の考えを基本として【心的構造論】や心の防衛策である【防衛機制】、臨床の場で大事になってくる【転移と逆転移】などを次々と考えていきました。
 次回はこのうちの【心的構造論】について紹介していきたいと思います!

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