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「4マスからネットへ」だけではない、企業広告の構造変化


●ネットが2兆円でテレビ広告費を抜く 2019年「日本の広告費」が発表に   

 企業が支払う媒体費が、インターネットに対する広告がテレビを抜いたということで注目されたニュースです。ただ、これは想定内で、むしろテレビの需要も粘り強くあるなという印象の方が僕には強いです。ネット広告の中に4大マス(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)由来という項目ができているのが象徴的で、ネットと従来メディアも融合し始めています。
 僕はこのデータを見ていて思ったのは、「媒体費」という概念自体が、古くなってきているなと言うことです。従来の広告ビジネスからの変遷を比較するということでは一定の意味がありますが、この視点だと、いわゆるAD-Tech系のサービスの売上は、ほとんどカウントされません。また、映像などコンテンツ制作費用とプラットフォーム使用料の区別も難しくなってきています。例えば、instagramにプレミアムな映像や写真を制作して流す場合は、媒体費用は0円でも可能ですね。従来型のメディアの枠の中で存在していた広告が、ユーザーと企業(こういう文脈だと「ブランド」という言い方をすることは多いですね)のコミュニケーションの手法、エンゲージメント(関係性)の深め方に、企業広告の意味が再定義されている今、広告費の捉え方も当然変わってきますね。そして従来の「媒体費」的な視点だけでも、増加しているということは、日本のtoBの広告市場はスタートアップにとってもまだまだ有望ということが言えると思います。


 また、従来のエンタメ業界と企業の間には、大手広告代理店が、がっちり挟まって、お互いの利害を調整して(そして多額の手数料を持っていって)いました。SNSを始めとしたインターネットが主戦場に移ることで、アーティスト、クリエイターが企業と直接結びついて、win/winの関係を築くことが可能になっています。そもそもユーザーエンゲージメントは、音楽系アーティストは得意分野です。宣伝会議の統計に「音楽と企業の連携分野」みたいなカテゴリーが出てくらいになると、音楽業界も活性化するなと、他の分野のクリエイターも構図は同じのはずだなと、そんなことを思いました。

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