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混乱したら歴史から学ぼう、人類史は感染症との戦いだったみたい。『感染症対人類の世界史』

 今回の新型コロナウィルスCOVID-19については、まだ未解明のことが多く、それが故に科学的に曖昧な情報も数多く流布されて、混乱してしまいますよね?僕も様々な情報、メディアの報道に触れていて、脳みそが飽和したなと思う瞬間がありました。こういう時は、歴史から学ぶべきだなと思って、感染症の本を探して、『感染症の世界史 (角川ソフィア文庫) 』を読み始めました。


 丁寧に書かれている良書なのですが、アカデミックなスタンスで結構、ボリューがあるので、途中でくじけそうになっていました。そんな時に、池上彰の専門家との対談本が出て、入門書はこれだなと飛びつきました。

 読みやすくポイントをまとめてくれて一気読み。興味が広がって、二冊とも読了することができました。

 14世紀のペストの流行は、モンゴル帝国が成立して、シルクロードの活発化が原因だったようです。今回のCOVID-19は、中国の「一帯一路構想」(習近平政府が打ち出した21世紀のシルクロード的な世界覇権戦略)が動き始めたことで広まったのでの「歴史は繰り返す」相似形を指摘しています。
 歴史を振り返ると、宗教改革〜ルネサンスの動きも、ペスト禍によってカトリック教会への信頼が揺らいだことが底辺にあった、との分析も非常に興味深かったです。感染症は人類史に大きな影響を与えて続けているのですね。今回のCOVID-19も転換点になるのかもしれないという僕らの直感はあながち外れていないのかもません。

 興味深いエピソードも数多く紹介されています。「ロミオとジュリエット」でジュリエットの仮死状態をロミオが知らなかった背景にもペストで修道士が伝えられなかったからだとか、ニュートンが万有引力の法則を見つけたのは、ペストでケンブリッジ大学が休校になって、帰郷していたときだったとか、全然知りませんでしたが、ペストの影響力が非常に大きかったことが窺える話です。

 そして二冊の本を読んで、僕が学んだことは、「サピエンス全史」などの著者である歴史学者、ユヴァル・ノア・ハロリの言葉に集約できます。「もしこの感染症の大流行が人間の間の不和と不信を募らせるなら、それはこのウィルスの最大の勝利となるだろう。人間どうしが争えば、ウィルスは倍増する。対照的に、もしこの流行からより緊密的な国際協力が生じれば、それは新型コロナウィルスに対する勝利だけで無く、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなるだろう」素晴らしい言葉です。今回の危機は、人類の知恵が問われているのでしょう。歴史に学び、ウィルスに負けない賢さを持ちたいですね。

 今回のCOVID-19が浮き彫りにした本質的な課題はたくさんあると思いますが、ワイドショー番組に代表される地上波テレビの無駄と不正確さと害悪もその一つだと思います。メディア報道に一喜一憂せずに、立ち止まって本を読むのもStay Homeで大切なことだなと改めて思いました。

モチベーションあがります(^_-)