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人類の財産「図書館」をデジタル時代に活かす方法は?

 今年の6月にコロナ対策で図書館が始めたデジタルでの提供に対して、出版社が訴訟を起こしたという、よくも悪くもアメリカらしい事例があります。それに対して否定的な分析をしているジャーナリストの意見です。僕は近いことを感じています。
 図書館は人類史的な必然的な偉大な発明だと思います。本が文化的な存在だから成立することですね。こういうニュースを見る度に、図書館で借りた本に対して、ユーザー主導型で著者(と出版社)に少額支払いできる仕組みがあるとよいなと思います。
 
 そもそも感じていることとして、Apple MusicやSpotifyはユーザー、特に音楽ファンの体験のイノベーションについて真剣に取り組んでいるのに対して、電子書籍を牽引するAmazonは、流通の利便性の向上という意味でのユーザー体験は、リアルの書籍のEC含めて、著しく向上させていますが、書籍を読んで何かを感じる、感動する、みたいな意味での読書体験については全く無関心だなと言う印象を持っています。スタートアップはファウンダーのキャラクターが事業に反映されますので、ベゾスは読書体験には興味ないんだろうなと勝手に思っています。ジョブズやダニエル・エクとの違いなのでしょう。僕が革命的な事業家で起業家として尊敬しながら、Amazonという会社に対して、文化産業に携わる者として「気を許してはいけない相手」という警戒する気分になる理由でもあります。購入記録データの便利さや好きな作家の発刊を見逃さないという情報管理の意味で、書籍自体はAmazonで買ってしまっていますが、NHK語学講座のガイドブックとか購入記録が不要な物はできるだけ地元の本屋で買うことにしています。本当は、リアルの本屋で買うと、アマゾンの購入データと簡単にマージしてくれるサービスがあれば、もっと本屋で買うのですけれど。
 Kindleに代表される電子書籍タブレットは、利便性は向上していますが、「読書体験」という意味では退化している側面も大きいです。バラバラと斜め読みするとか、必要なら折り目を入れたり書き込んだりとかいう行為は意外に馬鹿にならない便利なことです。僕は紙の書籍のioT化が必要だと思っています。紙の書籍での読書体験の良さを生かした上での、デジタルによる拡張です。機会があると話しているのですが、出版業界の方は「良いと思うけれど、出版社が足並みを揃えて新しい事業をやるのは難しいんですよね」というリアクションで、若い起業家は関心を持ってもらえずにスルーされることが多いです。日本の出版ビジネスは海外展開も含めて、スケーラビリティの観点での難しさはあるのは事実なのでスタートアップスタジオ代表としては推しにくいのも事実です。ただ、個人的には電子ペーパーの進化と低廉化がマストにはなりますが、「書籍のIoT化」は僕自身は取り組んでみたいテーマです。興味のある方は連絡下さい。
 デジタル化と読書という意味では、とりあえず、既存の図書館という仕組みに、書籍のデータベース整備と、著者および出版社への「投げ銭的」なリターンを性善説的なスキームでやるのは、日本ぽいし、やれたらよいなと思っていまうす。いかがでしょうか?

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モチベーションあがります(^_-)