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遺言

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noteをはじめた理由。遺言。
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#小説

これで終わりです。

これで終わりです。

さて、あなたはいままでの長たらしい文章を読んでどう感じたかな。

くどい、しつこいと思った?
嬉しかった?
言いたいことはわかるけど、納得はできなかった?
たとえ不快に思われちゃったとしても。

そうやって感じたくれたことが、あなたのなかに「おり」のように残してくれると嬉しいな。
そうやってあなたのなかにぼくの言葉の残滓があるとしたら、とても嬉しい。
「そんなもん残ってねーよ」と言ってくれてもかま

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社会における人とのつながりと、信念という壁について

社会における人とのつながりと、信念という壁について

あなたがさっき食べたお米はだれかが育ててくれたおかげでそこにあったし、あなたが使っている鉛筆もだれかが作ったり運んでくれてたからそこにある。
だから、人はこの社会ではまったくの一人で生きていくことはできない。

そうやって社会は分業で成り立っている。それぞれの人間がそれぞれの仕事に特化して取り組むかたちで、効率よく社会が動いている。
だから物も増えて暮らしが豊かになる。

そもそも人間は対象を絞っ

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離別、日々をすごすことについて

離別、日々をすごすことについて

「いっしょにあそぼうよ」と、トランプやテレビゲーム、レゴ遊びとかに誘ってくれるあなた。
そんなときぼくは本を読んでいたりして自分の時間をすごしていることが多いから、「やれやれ」と心のなかで思いつつも、誘われるがままいっしょに遊ぶ。

「やれやれ」と思ったくせに、あなたと遊んでいると自然と笑みがこぼれてほんわかした気持ちになる。
そんなふうにいまこのときが幸せなぶん、不測の事態を想定すると重たいもの

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性的なことについて

性的なことについて

まだあなたにお話しするのは早いのかな、と思いつつも。
まあ、あなたがこれをいつ読んでいるかわからないから、早いもなにもないんだけど。

お腹が減ってなにかを食べたくなるように、夜に眠たくなるように、人の欲求には性的なものがある。
これは他の欲求とは違って、生まれてすぐにはないものだ。と、断言していいのかはわからないけど、少なくとも成長するまではあからさまに表にそれが出てくることはほとんどない。

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「悪」について

「悪」について

あなたがよく見ていたテレビ番組は、主人公が敵をやっつけるタイプのものが多かった。仲間と協力して悪を倒す(それを見てぼくは「いじめじゃないか!?」って思ったことがあるけど)。
ただ、最近は敵側にもいろんな背景があることが描かれることが多いので、それはそれでいい傾向だとも思う。

ふと考えてみると、インターネットで正義の味方のように不祥事を起こした芸能人とかをたたく人って、もしかしたら、昔のただただシ

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我慢すること、待つこと

我慢すること、待つこと

あなたはよく「なんで?」と聞いてきた。「なんで、犬ってこういう漢字なの?」とか。
それが落ち着いたと思ったら、「これは〇〇だから」と大人を真似て色々と理屈を立てたがるようになってきた。

ぼくも小さい頃はよく「なんで信号が赤だと止まらなきゃいけないの?」とか聞いていたらしい。
そして同じように、いまではいろいろなことを説明したがる。いままさに、こうやって文字にしているように。

子どもが「なんで?

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いじめについて

いじめについて

学校から帰ってきたあなたは、少し汗ばみつつも穏やかな表情だ。

学校といえば、「いじめ」だよね。って、そんな決めつけはよくないか。
けど、学校ってまだ人間関係に未熟な人が集まる場でもあるから、傷ついたりしていないか心配です。
あなたはとても賢くて繊細だから、まわりのいろいろな感情や態度などを察してしまって、しんどくなってはいないかな、とかね。

もし、あなたが誰かにいじめられていたとしたら。
それ

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特別なあなた、特別でありたいと思うことについて

特別なあなた、特別でありたいと思うことについて

ぼくはあなたのことが大好きだ。
この世の中でなによりも大切で、かけがえのない存在だ。
と、手垢のついた表現をいくつならべてみたところで、あなたに対して抱く気持ちをうまく言い表せる気がしない。

でも、あなたが外の社会に出たら、ぼくのように言ってくれない人の方が多い。というかほとんどの人があなたに対してそんなふうには思わないだろう。
あなたのことが嫌いだとかそういうことじゃなくて、ぼくがあなたに抱い

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「しょうがい」、多様性について

「しょうがい」、多様性について

「病について」の話の続き。

病は治ることもある。完治はせずとも小康状態でいけることもある。
一方で、症状がなくならないような、機能自体は改善しないような状態もある。
それは一般的には「しょうがい」と言われる状況だ。

たとえば、手足が不自由だったりする。
脳の機能が(内因的にしろ外因的にしろ)ダメージを受けて、現実をうまく認識できなくなることもある。

それらがあったとき、その人の能力は「ふつう

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病について

病について

ぼくはたまに突発的に身体に変調をきたす。そんなときあなたはいつも心配してくれて、ぼくに飲み物とかを持ってきてくれる。「大丈夫?」と優しく声をかけてくれる。

人は病に伏せると、気が滅入るようだ。
それまでできていたことができなくなると、自分の小ささや無力さを痛感する。
どうやら、心と身体は2つに明確に分けられるものではないようです。
身体の調子が悪いと落ち込むし、嫌なことがあったりストレスがあると

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親になることについて、ちょっと反省しつつ

親になることについて、ちょっと反省しつつ

なんかずっとくどくどとあなたに言い続けてきた。
何度も何度も一方的に言葉を置いてきた。
ふと冷静になってみたら、これじゃあ嫌気がさして読んでくれないんじゃないかな、という気がしてきた。

ごめんね。
もうすぐ終われると思う。
あなたのことを考えるとどうしても、いろいろと話しておきたくなってしまうんだ。

けど冷静に考えたら、ぼくなんか親の話をちゃんと聞こうと思ったことなんてほとんどないや。
だから

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家族について、いまのあなたは?

家族について、いまのあなたは?

あなたが一生懸命漫画を読んでいる横で、ぼくはスマホでネットニュースを流し読みしていた。
また有名人が離婚したらしい。ぼくにとってなんの関係もない出来事だ。
けれどその人が「離婚して子どもとも別れたけど、良い関係を保てている」というようなことを言っていた。

まず大前提として、ぼくはこの人が間違っているとか正しいと言いたいわけではない。いろいろ考えて出した結論なんだろうし、人生のあり方としてそのこと

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賢さと、微笑みについて

賢さと、微笑みについて

タブレットで勉強をしているあなた。字を書く練習とか計算問題、英会話などとても楽しそうに取り組んでいる。
ぼくは親馬鹿なので、あなたは賢いな、と思う。あなたを賢いと思うことでほっとする。
そうして、やっぱりそんな考えをもっていたのだと、自分の傲慢さに気づく。

だって、あなたが生まれたときはもうそれだけで嬉しくてしょうがなかったのに。
それなのに大きくなるにつれて、歩くのが早いとか遅いとか、おむつが

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落ち着いてすごすこと、ぼく自身の話

落ち着いてすごすこと、ぼく自身の話

あなたはどこかふわふわしていてなにかをしていないと落ち着かないようで、アニメを見るかゲームをするか、タブレットで勉強するかしている。
そうじゃなければ、大人に「あそんでよぉ」と言い寄って、一緒にトランプをしたりしようとする。

そうしてずっとなにかをしながら動いていて、じっとすごせていることは少ない。
たまに絵本や漫画を読む気になったときは、比較的動かないですごせているけど、アニメとかゲームのとき

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