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初めてのナウシカ

生まれてからこの30年間、一度も「風の谷のナウシカ」を観たことがなかった。かまいたちのネタのようにある意味でそれは自慢でもあったが、その素晴らしい珍記録に終止符を打った。以下、若干ネタバレがあるので、一度も観たことない自慢の方はそっ閉じしてください。

現在、「一生に一度は、映画館でジブリを。」のキャッチコピーのもと映画館でジブリ4作品が上映されている。「風の谷のナウシカ」は数年に一回はテレビで放映されているため、これまで何度も観る機会はあった。でも、観なかった。なんとなく気が進まなかった。

でも、映画館で観れるなら、いいかもしれない。

テレビだと途中でCMが入ったり、SNSで他人のコメントを追いはじめたりしちゃうので気が散る。でも映画館なら。

しかも、1100円。

さらに、この作品が発表されたのは私が生まれるずっと前だ。そんな作品を映画館で観られるなんてすごくない?

今ならコロナウイルス対策で前後左右は空席なのでゆったり観られる。

集中できる。

冒頭の、腐海に行くときはマスクが必要というシーンにちょっとドキッ。

周りを見渡せば、我々は全員マスクをつけている。まさに同じ状況だ。

最初はなかなか入り込めなかったけど、ストーリーが進むにつれていろんなことが繋がっていき、また、登場するものが示すメタファーを考えたりすることでどんどん引き込まれた。

人間の活動によって変わり果てた地球と、大地とともに生きる生物、そして自分たちが生きのびることしか考えていない人間。我々からすると虫は気持ち悪くて仕方ないが、虫は自然を守っている。そしてその自然は自らの力で再生しようとしている。それなのに人間は…。

そして素晴らしかったのはナウシカのリーダーっぷりである。自然と生き物との共生を常に考えている心優しいナウシカ。世界を支配しようとしている人間たちに、言葉で、態度で、導いていく。時には自ら犠牲になりながら。ナウシカがこれまでずーっと愛されてきた理由が分かった気がした。こんなに強く、愛情深く、聡明なリーダーは果たして現実にいるのだろうか。

彼女は族長の娘であり、風の谷の住人達からも慕われている。他国の侵攻でのいざこざで族長を失った風の谷にとって、次のリーダーはナウシカである。ナウシカの言葉を待っている。ナウシカの風の谷の人々と、大地と、生き物を守って見せるという責任感と覚悟に最後は感動してしまった…。

なんて強くて素敵な少女なんだろうか。

娘ができたらナウシカと名付けたい…

「風の谷のナウシカ」は古い作品だが、ストーリーは全く色あせておらず、むしろ今を生きる私たちに問いかけているように感じた。こんなに名作だなんて思わなかった。

あーもっかい観たいな。

私の一番好きなジブリになりつつある。

一位はラピュタを観てから決めよう。


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