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チュートのあの人とEXILEの脱税はちょっと違う / 親と子とダブル風邪引き / 東京タワー前でイルカと交流するゆるめサバイバルライフ~「ゆるさば」を読む~

【週刊ヤマサキシュンスケもくじ】


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講演11/1 損保ジャパン日本興亜DC証券
2019年度確定拠出年金(DC)制度運営セミナー
「老後に2000万円問題」5つの誤解と5つの対策~そして企業型DC担当者のなすべきこと

【オシゴト】チュートのあの人とEXILEの脱税はちょっと違う

税金の話は私の専門職でないから連載メディアでのコメントはしていないが、チュートリアルのあの人の脱税問題はなかなか興味深い。ちょっとここでネタにしてみよう。

まず、「認識の相違」による納税額の修正とは今回の話はちょっと違う。脱税と簡単に報じられている場合でも「申告はしていて税務調査で指摘を受け修正をする」ケースと、「申告はまったくしていないでいた」ケースはまったく違う。彼のケースは後者で、より悪質だ。

前者は実はよくある。過去のニュースでいえばEXILEが脱税したとニュースになったことがある。これはよく読むと、彼らの事務所は税務申告はちゃんとしていて、でも税務調査でその一部が経費として認められず、その分を引くと課税所得が増えるので、納税額が増えたというものだった。メンバー同士の会食などがそれに該当したらしい。

税理士は経費として通るだろうと判断したのだろうが、税務調査は基本的には何か経費として認められない支出をみつけるものなので調査が入るとそういうことが起きる。「認識の相違」とよく言われる。これはあまり悪質ではない。

ところが、今回のケースはこれに比べると悪質というか低レベルというか、そもそもの申告をしていなかったという脱税である。申告をしていなければ(しかし法人としての実態があって、有名な芸能人の会社であれば)、チェックが入るのは当然だ。

会社を作った場合、法務局や税務署に対していろんな手続きをするが、決算のたびに税務署に報告をしなければいけないのは当然のことだ。わが社だってやっている。法人に限らず、個人事業主だって申告しなければいけない。

となると、会社を作っているのに「決算を作っていなかったのか」「税務処理をしていなかったのか」という謎がある。たぶん、顧問契約をしている税理士はいなかったのではないか。

社会保険についても未加入だったそうだが、こちらは法人化した場合、基本的に厚生年金と健康保険には入らなければいけない。社長であって、自分を非適用にするという逃げ道もなくはないが、それでも国民年金と健康保険は入らなくてはしょうがないはずだ(ちなみにここまで年収が高くなると厚生年金と健康保険は会社として入ったほうがいいと思う)。こちらは実態は不明だが、まったく何も入っていなかったのであれば、これもなかなか大胆な話だ。

で、またまた不思議なのが、彼はどうやら税金のことなどはいろいろテレビやラジオで語るタイプだったらしい。ニュースを見るとドバイがいかに税負担がないかなど語っていたらしい。まったく詳しくないわけではない、ということになる。稼いでも税負担がキツいという感覚を持っていて、節税意識からドバイに事務所を移そうかとまで考える人が、そもそもまったく払っていなかったというのは腑に落ちないところだ。

しかも督促が何度もあってそれでも納付せず預金口座を差し押さえられていたというのは、脱税としてはあまりレベルは高くない。

古い作品では「マルサの女」という脱税ネタの映画があるが、とにかくいろんな所得隠しが出てくる。しかし自分の会社の申告をしないことはない。「少なく」申告するし、そのために「隠す」のだ。今回のケースはそういった悪質な「隠し」は存在しない。隠す以前に申告していないのだから。

忙しすぎた、というのは確かにあるのだろう。しかし、年収1億円以上稼いでいる人が、まったくアウトソースしていなかったというのが不思議、ということに話は戻ってくる。

めちゃくちゃ値切ったとしても年100万円も払えば税務処理は誰かにやってもらえるだろう。レシートの山だってまるごと渡してしまえばいいのだ。そして、そういうことができる人がいることを知らない知識レベルの人ではないはずなのだ。

自分なんか彼の10分の1にさえ達しない零細企業ではあるが、個人商店としては似たようなものかもしれない。そして、経費精算とか請求書発送業務とかとにかく事務作業が苦手で、いつもギリギリにやっている点ではどこか彼に同情的な気分もある。税理士には毎年度迷惑をかけているが、なんとか泣きながらリミットで書類を出すようにはしているから、まだ彼よりはマシだろうか。

最近は、クラウドの請求書発送サービスと経費入力サービスを使うようになって、ほんの少しだけ楽になった。でもまだもっと他人に任せなければいけないなあと思っている。

今回の騒動からとりあえず学ぶべきことは、
「自分に向いていないことはある(事務処理とか)ことは早めに認める」
「自分でできないことはちゃんと誰かにやってもらう」
ということだろうか。

資産運用とかお金の問題もおおむねそういうことが多い。もちろん「誰に頼むべきか」「知識不足の者が自分にない知識を持つ相手を評価して選ぶのはどうするか」という問題は残るのだけれど。

これは機会があればまた別のネタとして書いてみよう。


【オススメ】東京タワー前でイルカと交流するゆるめサバイバルライフ~「ゆるさば」を読む~

そろそろ4巻が発売されそうかな、というタイミングで、あえてレビューをしてみたい。というのは積ん読していた中から気まぐれに選んで読んだら、良さを再認識したからだ。

基本的な話はこんな感じ。ある家族が一夜明けてみると、人間は自分たちだけの世界だということに気がつく。いかにもよくあるSFネタだ。しかしそれが面白く描かれている。ということで紹介してみたい。

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